野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

初秋、乙女高原に咲く花たち

2018-09-11 06:16:59 | ハイキング

 猛烈に暑かった夏の疲れがなかなか取れない。いわゆる夏バテなんだろうと、

試しにウイキペディアで検索してみたら

「夏の暑さによる自律神経系の乱れに起因して現れる様々な症状」そして

暑気中り(しょきあたり)、暑さ負け、夏負けと呼ばれることもある。 」とあった。

 ああ私は夏に負けたんだ……と素直に得心した。思えば今年の夏は随分と

強かった、負けてもしょうがないだろうと。

 さらに「おもな症状は、全身の倦怠感、思考力低下・食欲不振・下痢・便秘など。」とあり

道理でこの頃だるくて、物分かりも悪くなった……これは年のせいではなかったんだ、単なる

夏のせいだったのかとすり替えて……。彼岸が過ぎ涼しい風が吹いたら、ぼけた頭もすっきりする

のかもしれない……と一時の気休めに逃げ込んだ。

 

 乙女高原に咲くマツムシソウ

 

 

 夏から秋にかけて高原を代表する花と言ったらコスモスより

私はマツムシソウを思い浮かべる

 

 吾亦紅と書いてワレモコウ。こんなにいっぱい咲いているのにはなかなかお目にかかれない。

 

 ツリガネニンジン

 

  タチフウロ

 

 蕊を彩る赤い筋がきれいな花だ。

 

 背丈の大きいシラヤマギク

 

 シシウドはもっと大きい。

 

 

 クガイソウ

 

 似ているが葉の付き方からこちらはヒメトラノオのようだ

 

 ウスユキソウも咲いている

 

 花と実を同時につけていたホタルサイコはセリ科の花

 

 アザミの仲間、ノハラアザミだろうか

 

 同じキク科のオケラの花。この花名前はさえないが、若芽は食用とされ

根は胃の薬、さらには燻して防カビ材として用いられた。

 

 

 たくさん咲いていたアキノキリンソウ

 

 シモツケは少しだけ咲き残っていた

 

 一株だけ見つけたトモエシオガマの花。一般にシオガマギク属の花は

深山でしかお目にかかれないので、出会えただけで嬉しくなる。

 

  うっかり見過ごしてしまいそうなタチコゴメグサの花

 

 ヤマトリカブトも咲きだした。

 

 この時期の乙女高原は夏の花と秋の花が競い合うように咲いていた。

そんな花たちのコラボレーションを見ていただこう。

 オヤマボクチとヤマハギ

 

 オミナエシとツリガネニンジン

 

 意外な花たちのコラボが何とも賑やかで楽しい

マツムシソウ、オミナエシ、ヤマハギ

 

 アザミの仲間とシラヤマギク

 

 シラヤマギクとオミナエシ、

 

 

 ワレモコウとちょっと盛りを過ぎたツリガネニンジンが絡まりあっている。

 

 ヤマハハコとアキノキリンソウとワレモコウ

 

 秋を代表するオミナエシとススキとノアザミ

 

 シシウドとススキもなかなか配色の良い組み合わせだ。

 

  虫たちも残り少ない命を輝かしていた。マルハナバチ

 

 クジャクチョウ

 

 至る所に群れ飛んでいたアキアカネ

 

 ナミアゲハ

 

 イチモンジチョウと思うのだが……あっという間に飛んで行ってしまった。

 

 初秋の乙女高原の植相の豊かさ、素晴らしさに圧倒され、暫し風に吹かれ

至福の時を過ごした。

 

 この辺で。


初秋の乙女高原へ

2018-09-05 06:39:20 | ハイキング

 もう40年以上も前になる若かりし頃の話だ。「地図の通りに生きたくなかった」 から

 「なるべく人のいない道を探した」。ただ誰のものでもない私だけの人生を

生きたかった。 齢を重ねた今、「景色だけが変わり、未来は過去になる」……。

 これは大瀧詠一の「1969年のドラッグレース」のワンフレーズ。

 

 「私たちには焦らなくても 時間がある」と笑った君と「時間が無限に

なかったことを今ではよく知っている」僕と、一体どちらが正しかったのだろうか。

「瞼の裏を夢が走り去」る今になって、あのひたすら輝いた時間を思い起こす。

そこに答えはない。

「レースは終わりじゃないさ ゴールは霧の向こう」なのだから。

 興味のある方は歌詞はここにある。

 

  まるでアクセサリーのようなヤマハハコ

 

 さて9月に入って秋の風の吹き始めた乙女高原を訪ねた。焼山峠に車を止め

そこから歩き始めることにした。

 

 色づき始めたヤマハギ

 

 普段は地味なノダケの花が輝いていた。

 

 キク科の花

 

 キンミズヒキ

 

 しそ科のイヌゴマは至る所で見かけた

 

 マルバタケブキも盛りは過ぎたもののたくさん見られた。

 

 蕊の先がくるりんと輪を描いている

 

 まだ枯れずに残っていたウツボグサ、しそ科の花だ。

 

 展望台とあるので登ってみたが木々がおいしげり、展望はきかなかった。

 頂付近に咲いていたホツツジ

 

 ホツツジももう終わりなのだろう、花の間に実を着けている

 

 登り下りを繰り返して湿地に入った。

 

 ツリフネソウとキツリフネがともに咲いている。

 

 

 繊細な花タニタデ

 

 

 日当たりの良いとこに出るとハナイカリがたくさん見られる。

 

 私にはアザミの仲間も判別が難しい。これはノハラアザミでいいのだろうか

それともノアザミなのか それとも別の何かか

 

 舗装された山道でよく見かけるイケマ

 

 

 

 びっしりと花をつけたアキノキリンソウ

 

 これも秋の名がついたアキカラマツ

 

 オミナエシとオトコエシも秋の花といえるだろう

 

 

 ヒヨドリバナの仲間

 

 やっと巡り合えたフシグロセンノウ、ほかの花と違って数は少ない

 

 センニンソウ

 

 サラシナショウマにはヒョウモンチョウが集まっていた。

 

 針葉樹にサルオガセがついて原生林の雰囲気を醸している

 

 

 ツノハシバミはヨーロッパ原産のヘーゼルナッツの仲間

 子供のころ、この実を食べようと素手で触ってえらい目にあった。

 

 一輪だけ見つけたヤマオダマキ。

 

 歩くこと一時間半、やっと乙女高原が見えてきた。

 

 今日はここまで。

 


御岳渓谷沿いを歩く

2018-07-28 09:06:12 | ハイキング

 最近は少し暑さも和らいだようで、束の間だろうとはいえやっと熱帯夜から解放

されたのが嬉しい。今回はまだ暑さがピークだった一週間前頃の話で、少しでも

火照った体を冷ませればと他摩川の上流域沿いの御岳付近を歩いた。

 気温は自宅周辺とさほど変わらないのだが、見た目と音で少しでも涼しい

気分を味わえたらと思い、昼前に出かけ沢井駅近くの寒山寺駐車場に車をとめた。

 

 奥多摩フィッシングセンターの下流の釣り場付近まで来た。 ここはゴムボート乗り場の

出発点ともなっている。 多摩川ラフティングツアーの詳細はここで。

 

 遊歩道を歩いているとムクゲの花が迎えてくれた。

 

 

 沿岸に咲くのはノカンゾウや小さなツユクサの花。

 

 

 歓声を上げながら通り過ぎるゴムボートをしかめっ面をしたアユ釣りの

人たちが見送る。それにしてもゴムボート上の人たちのテンションが異様なほど

高いのは料金の高さも反映しているに違いない。

 

 この付近は水量も豊かで、またダムからの放流水もあり空気もひんやりとしている。

 

 ツワブキの茎についた綿埃のようなものをまとった虫を発見。図鑑で調べてみら

恐らくはアオバハゴロモの幼虫。成虫はよく見かけるこんな感じの

 

 マクロで撮ってみたのだが、難しい。見えているのはお尻のほうだろうか。

 

 橋の上から下流を見たところ。

 

 離れていても 見えなくても匂いでわかるクサギの花、今が盛りだ。

 

 時折見かける百合の花はオニユリ、花壇から逃げ出したものだろうか。

 

 この辺りではタマアジサイが多いのだが、やっと蕾が綻び始めたところ。

 

 

 まだ色づいてはいないノブドウの実

 

 コバギボウシの花

 

 アキノタムラソウも咲いている

 

 ヤブカラシの花にとりついているのは、キリギリスのような体型の虫。

かなり特徴があるので帰ってから調べたのだが、今のところ不明。

 (後でわかったのだが、どうやらアシグロツユムシの幼虫らしい)

 

 御岳橋付近まで下ってきた。 

 

 

 橋脚を伝い落ちる雫が何とも涼しげだった。

 

 閑散とした玉堂美術館の入り口

 

  この時期に草むらの中で咲くハグロソウは、キツネノマゴ科の花。

 

 白花もある

 

 お盆を前に早くも花を咲かせていたススキ。

 

 

 沢井まで歩いてきた。小澤酒造のままごと屋でかき氷でも食べて帰ろうと

したのだが、余りにも人が多かったので断念。

 ほとんどが陽の当たらない遊歩道で、川から吹く風も涼しくて

汗もかかず快適に歩くことができた。 この辺で。

 

 

 

 


池の平湿原を歩く

2018-07-24 17:00:36 | ハイキング

  前回からの続きなのだが、一週間近くも間をおいてしまった。

それにしてもなんという暑さだろう、昨日は隣県の熊谷で41.1度という

日本新記録(こんな言い方でいいのだろうか)を記録し、東京でさえも

青梅では40.8度という体温を5度近くも超える高温を記録した。

 それでも昼の間暑いのはまだ我慢できる、やりきれないのは夜になっても

気温が下がらず、朝5時に28度を超えるような日々が続くことだ。

 まぁ愚痴を言ってもしょうがない、時がたてば嫌でも夏は過ぎ去り

涼しい秋が来てやがては寒い冬になるのだ、それまでは何とかこの酷暑を

一日一日としのいで生き延びるしかない。

 

 湯ノ丸高原からは5㎞程、車ですぐのところに池の平湿原がある。

 

 駐車場からはなだらかな坂道の木道を下っていく

 

 下りきった左側に休憩所がある

 

 この辺の標高は2000m、涼やかな風が吹きわたり気持ちがよい。

 

 木道からたくさんの花たちに出会える。

 ヤマオダマキ、ウスユキソウ、ハクサンフウロ、シナノオトギリ(左上から右下に向かって)

 

 シュロソウ、ヤナギラン、

 

 カラマツソウ、アヤメ、シャジクソウ、タカネナデシコ

 

 忠治の隠し岩広場という場所があった。眼下に池が見える

 

 クガイソウはまだ色づき始め

 

 枯れ枝の先端で頻りに鳴いているのはコガラのようだ

 

 高原を代表するような大きな花、マルバタケブキが咲いている

 

 見晴岳方面に登ると、少し植相が変わってきた。

 ウドの花、シシウド、コツマトリソウ、そしてノハナショウブの花

 

 ハクサンチドリとテガタチドリ

 

 グンナイフウロ、リンネソウ、ゴゼンタチバナ、クルマユリと種類が多い

 

 一瞬の間にガスが立ち込めて、すり鉢の底にある湿原を

あっという間に白い闇が覆いつくしていく

 

 ちょっとした小高い丘、ここが見晴岳

 

 この裏手の崖ではコマクサの群生が見られる。

 

 時期がやや遅かったのか枯れかけた花が多いは残念。

 

 まだ元気な様子の良い花を選んで

 

 

  下る途中に 再びガスに包まれた

 

 湿原に降りていく

 

 湿原の中にはところどころ池沼が見られる

 

 にぎやかだった 小学生の一団

 

  ところどころアヤメに交じってノハナショウブも咲いている

 

 図鑑で見てもよくわからなったが、ベニヒカゲと似ている?

(帰ってから検索してみたところイカリモンガのほうが近いようだ。)

 

  クサカゲロウ

 

 

  ガスで視界はきかない

 

 

 今度は前が見えないぐらいにガスが立ち込めてきた。

 

  暫くガスの中に身を浸す

 

  下界の暑さを思い、至福の時を過ごす。

 この辺で。


箱根仙石原から湖尻へ

2018-07-03 04:54:56 | ハイキング

 

  今朝がた起きたら日本がベルギーに2―0で勝っていた。処が僅か20数分の

間にたちまち3点取られて結局は2-3で負けてしまった。まぁ実力としては

こんなものだろう、いや寧ろかなり健闘した方だと思う。ワールドカップは「武器を

持たない戦争」と言われるらしい。もともと愛国心に乏しい私でも身を乗り出して

応援するほどなので、確かにそうなのだろう。ただこれで刺激された愛国心が

変に増大し暴走しないように気を付ける必要があると思う。

私的には今回のワールドカップ、日本の出ないゲームほど純粋に楽しむことが出来た。

 湿生花園を後にして、湖尻までのハイキングコースを歩くことにした。

 薄汚れた標識、湿生花園の混みようが嘘に思われるほど人気はない。

尚このコースは箱根ビジターセンターのHP内の箱根仙石原コースにある。

 

 芦ノ湖から発した早川に沿って歩く。見えてきた橋を渡り対岸へ。

 

 コースを右にそれていくと温湯(ぬくゆ)という湧水池がある。

 

 池の中では大きな緋鯉が悠々と泳いでいた。

 

 ほとんど行きかう人はない。暫くして大きな犬を連れたおばあさんとやっとすれ違った。

 

 花をたくさんつけて重たげなオオナルコユリ

 

 標識はしっかりとしていて迷うことはない。ポイントごとに地図もあって現在位置の確認もできる。

 この辺からはゴルフ場の間をずーっと通っていくことになる。

 

 3分の1ぐらい歩いてきたところでキジに出会った。藪から身を低くして出てきた。

 

 時折止まっては辺りをうかがう。

 

 よし大丈夫と思ったのか

 

 ここで当方に気づいたようだ。

 

 じっと窺っている

 

 こちらは一切の身動きを止め、無害を強調した。それが通じたのか安心して

渡りだした。

 

 

 普通人気を感じるとすぐに藪に逃げ込むはずなので、不思議に思っていたら

右手の藪の中に雌鳥がいた。こちらはゴルフ場のフェンスの中だ。

 

 愛くるしい顔をして雄鳥を待っていた。これは必死で渡るはずだと納得した。

 犬、キジと来たので、あと猿が出てきたら桃太郎のお供が勢ぞろいするのだが……。

 

 ゴルフをしたことのない私だが、カートが無人で運転されているのには驚いた。

 自動運転恐るべし!

 

 途中綿くずを纏ったような変な幼虫を見つけた。

 家に帰ってからネットで調べたところ、ミツクリハバチの幼虫とわかった。

 

 

 耕牧舎についてはここで。

 

 途中見かけた渡り蝶のアサギマダラ。なかなか止まってくれずやっとぶれた写真をだが

撮ることが出来た。

 

 日当たりのよい場所に生えていたヤマオダマキ

 

 箱根カントリークラブというゴルフ場

 

 芦ノ湖が近くなってくると早川は干上がってしまった。

 

  湖尻の水門が見えてきたところで2時間ほどのハイキングはお終い。

 

 ここからは車を置いたビジターセンターまで歩いて15分ほどだった。

 どうもPCの調子が悪く何度か中断してしまった。

  とりあえず今日はこの辺で。