道東滞在4日目、朝5時過ぎに釧路のホテルを出て、国道44号線で
根室方面に向かう。春国岱(しゅんくにたい)へ着いたのは7時半ごろ。
今まで遠くでしか見られなかった野生のタンチョウヅルが
すぐ目の前(といってもまだ100m位の距離)にいる。
驚かさないように回りながら近くに寄っていく。
まだまだ遠い。ゆっくりと近づく。
飛ばないようにと、念じながら静かに近づいていく。
やっといい距離まで来た。傍にいるのはヒドリガモ、
比べるとタンチョウの大きさがわかる。
向きを変えてさらにそっと近づく。頭の朱色が確認できた。「丹頂」の言葉の意味は
「頂」頭のてっぺんが「丹」赤いということ。ただ赤いのは羽毛の色ではなく
皮膚の色だということを知っていただろうか。まぁ人間でいうとハゲということ……。
そんなことを思っていたら睨まれた。(というより、近づきすぎて警戒されたのだが)
さてじっくり写真をと思っていたら、さっと飛ばれてしまった。
飛んでいる姿を見て、風切り羽の先も黒く縁どられているのを知った。
気を取り直して風蓮湖の別当賀川河口付近へ移動。
嬉しいことにここでも野生のタンチョウヅルをに出会えた。
しかもよく見ると番ではないか。回り込んで近くまで寄ってみる。
お願いだから逃げないでねと心に念じながら、何とか今までで一番接近できた。
以下は図鑑で知ったこと。
タンチョウは雌雄の区別が全くつかない。ただ繁殖期に雄が一声(コーッ)鳴くのに対し
雌は二声(カッカッ)と鳴くので知れる。
平均体長1,4m、翼長2,4mもあり、日本でも最大級の鳥だ。うちの近くで見ることができる
ダイサギやアオサギでも90cmほどだから、タンチョウがいかに大きいかがわかる。
タンチョウの夫婦は生涯連れ添い、片方が死んでもその死骸が見えている間は
傍から離れないという。
子育ては雌雄交替で行い、雄も卵を温めるという。何とも模範的なジェンダーフリーな夫婦なのだ。
少し離れて餌をとっていても、暫らくするとすぐに近くに寄っていく仲の良さ、うーん羨ましい。
それにしても見ているだけで、お互いに相手を気遣っている様子が偲ばれる。
人間の夫婦もこうありたいものだが……。
わが身に思いが至ったところで、
この辺で。