9月の終わり、高尾山を歩いてきた。今年はこれで3回目。毎週一回
行くという人もいるらしいのでこれでも控えめな方だと思う。年間の登山者が
300万人を超えるというから、一日当たり一万人の勘定となる。標高も600mに
満たない山がこれほどのハイカーを集める魅力とはいったいなんだろうか。
思いつくままあげてみると①手軽である ②生物相が豊かである ③信仰の山である
④富士山がの展望が良い ⑤四季を問わない ⑥体力に応じたコースが選べる……等々。
何と言っても私が魅かれるのは②、春のタカオスミレから梅雨時のセッコク、イナモリソウ、
そして冬のシモバシラなどここで初めてお目にかかった花たちは随分と多い。
私にとっては高尾山は登山というよりも大きな植物園、自然園のような存在なのだ。
シモバシラ
今日は久しぶりに気分を変えてリフトに乗った。リフトはケーブルと違って
待たなくでもいいのだがその分二倍以上の時間がかかり、料金は同じ。結局は到着時間も
たいして変わらない。いつものように途中からは人の少ない3号路に入り、30分ほどで分岐点。
ツルニンジン通称バアソブを見つけた。こいつは探していると見つからないが、何気なく気を抜いていると
ひょいと目の前に現れる不思議な奴だ。
3号路は花は少なかったが、キノコは多かった。ただし残念ながら名前はほとんど分からない。。
これはツチグリに似ているが……。
枯葉の先の黒い実はホウチャクソウの実のようだ。
ヒョウモンチョウの仲間がアザミの花に止まっていた。季節が進み、虫たちもじっとしている時間が長くなったようで
写真を撮るには良いのだが、何故か寂しい。
カシワバハグマはキク科コウヤボウキの仲間
秋に咲く花は春に比べて地味な花が多いように感じられる。
ノダケやアキカラマツもそうだ。
みつを求めてやってきているのはあの危険なスズメバチの仲間のようだ。
枯れかかった薄の葉から顔をのぞかせているのはマメ科のナンテンハギだ。
人の背丈ほどもあるシラヤマギクにはヨメナに対してムコナの別名もある。
何と言ってもこの時期。奥多摩の低山で多く見られるのはカメバヒキオコシの大群落。
それとともに多いのはツリフネソウの群落。麓から頂上まで見られる。
少し標高が高くなるとオオバショウマが現れてくるようだ。
高尾山の頂上には登らず(ここ数年は高尾山に登っても頂上に行ったことがない)、
迂回路である5号路を通って城山へ向かった。
城山の頂上直下には以前は見かけなかったヒガンバナの群生が見られた。
ヤマボウシもたくさん実をつけていた。
それに隠れるように数は少ないがヤマホトトギスやキバナアキギリが咲いている。
ナルコユリの実
ヤマハギも咲き始めていた。
城山の頂上で昼食。帰りは巻き道を通って一号路へと下山した。
下山路で目立ったのがシモバシラの花。
しそ科のこの花は最近では9~10月にかけて咲く花よりも、12月から1月にかけてみられる
シモバシラ(冬になると枯れた茎にシモバシラのような氷の結晶ができる現象)の方が
ハイカーに人気となっているようだ。それはそれで綺麗なのだが、肝心の花の方も
なかなか凛として充分観賞に耐えるものだと思う。
今日はこの辺で。