野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

奥武蔵の峠に咲くシロヤシオ

2018-05-10 20:50:26 | ハイキング

 5月の上旬は野遊びに一番いい季節だ。人知れぬ野山に分け入って

新緑に包まれているだけで、私はそれだけで至福を味わうことが出来る。

 

 GWのはざま、奥武蔵の新緑を味わってきた。

  尾根道に咲いていたハウチワカエデの花

 

 飯能の奥にある名栗ダムから山道に入り林道を有馬峠まで登ってきた。 

新緑の薫る林道には薫り高い木の花が咲き始めている。

フジの花

 

 甘い香りのニセアカシアの花も今が盛りだ

 

 

 ヤブデマリの花

 

 ウツギの花も咲き出した。

 

 これはホオノキの花

 

 ガマズミの花だろうか

 

 五月に咲く木の花は殆どが白い花なのだが、ヤマツツジの花は別。

 

 林道で出会えるのは木の花だけではない。

ミツバツチグリ

 

 タチツボスミレ

 

 ニリンソウの花も1000mを越えたここではまだ見られる

 

 ヤマハコベ

 

 クワガタソウもある程度は山を登らないと出会えない花だ。

 

 沢筋にはヒメレンゲが金色の絨毯を敷いていてとてもきれいだ。

 

クワガタソウとヒメレンゲ

 

 有馬峠まで登ってきた。結構人が多い。。以前は人に出会うことは殆どなかった所だが、

最近はバイクヤ自転車乗りの人がやけに多い。どこかの雑誌で紹介されでもしたのだろうか。

 

 遠くには登ってきた名栗ダムの湖が見える。

 

 それにしても素晴らしく新緑がきれいだ。これだけで登ってきた甲斐があったというものだ。

 

 ここまで来ると標高は1200m近くになり、季節は一挙に一か月ほど遡り早春となる。

ミネカエデの花

 

 黄色と黒のキンモンガ

 

スミレもまだ見られる。これはマルバスミレだろうか

 

 フモトスミレも咲いていた。

 

 有馬峠から山道を日向沢の峰まで登る。道沿いにはたくさんのアセビの花が見られた。

 

 

 下の名栗ダムの付近ではとうに散ってしまったミツバツツジもここでは今が旬だ。

 

 

 そして何よりも見たかったシロヤシオ。今では奥多摩や奥武蔵でも珍しく、残念ながら

見られる山は少なくなってしまった。

 

 

 

 上品な佇まいを持つシロヤシオ、別名はゴヨウツツジともいう。

 

 ゴヨウは五枚の葉のこと。

 

 峠から小一時間ほど登っていくと尾根道に出る。

 

 一定の幅に刈り取られた防火林帯にはムシカリの花が咲いている。

 

 ハウチワカエデの深紅の花

 

 

 尾根道は広々としていて歩きやすく、ひんやりとした風が吹き抜けていくのが気持ち良い。

これが味わいたくて この味が忘れられなくて何度も何度も山に登ってしまうのだ。

 

 マイヅルソウの花穂が見える。もうすぐ可憐な小さな白い花を咲かすのだろう。

 

 

 日向沢の峰まで来た。

 

  嬉しいことに遠くに富士の峰が望むことができた。

  暫く富士を眺めながら、持参してきたおにぎりを新緑の香りとともに食べた。

 この年になると、あと何回こんな景色を見ることが出来るのだろうかとつい考えてしまう…。

 時が流れてしまうのが溜まらなく惜しかった。

 

 この辺で。

 

 

 

 

 


葛西臨海公園

2018-05-06 07:04:16 | 散歩

 平日、久しぶりに葛西臨海公園を訪ねた。

渚橋を渡った先は西なぎさ。都心にあって海を見たいときはここが良い

 

以前来た時はこのオブジェの先端に猛禽類がいたのだが……

 

 天気はあいにくの薄曇り。尤も歩くには日差しがないので有難い。

建物の屋根の左端に東京タワーが小さく見えた。

 

 波止場のドック、今も使われているのだろうか

 

 海辺にたくさんいた冬鳥のカモたちが帰ってしまい、残っているのはカラスとサギ類がほとんど

 

 右奥に見えるのは東京ゲートブッリッジ

 

 その上をひっきりなしに飛行機が飛び去っていく

 

 僅かに残っていたスズガモとカンムリカイツブリと留鳥のオオバン

 

 水際で餌を探しているキアシシギを見つけた。傍にはイソシギも見える。

 

 東の対岸にはディズニーランド

 

 今日の目的の一つは葛西臨海水族園。ゴールデンウィーク直前の平日だったので

少しは空いているかと思ってきたのだが甘かった。次から次へと小学生から高校生までの

団体が押し寄せていた。

 

巨大なガラスドームが入り口だ

 

 水槽越しで魚の撮影にもチャレンジしたのだが、難しい

 

 下には清掃中のダイバー

 

マイワシの群れ

 

たくさんのちびっ子や若者たちが動き回るので、じっくり撮ることができない

 

 何とかましな一枚

 

 早く泳ぎ回る魚はぶれてしまって撮るのが難しい

 真ん中辺でゆったりと泳いでいるのはシードラゴンの仲間

 

 カラフルなアネモネというサンゴの仲間。これはもっと綺麗に撮りたかったのだが…。

 

 

 

 

えらの綺麗なホウボウ

 

  中に魚を捕まえていたハナガサクラゲ

 

 お終いはフェアリーペンギン。18種いるペンギンの中で最も小さいのだそうだ。

 

 どうやったら水槽の中の魚を綺麗に撮ることができるのか、明るさと色合いの加減が

全く難しくわからない。

 

 取り急ぎ、この辺で。

 


武蔵野の片隅に咲くキスゲ

2018-05-03 07:57:04 | 散歩

 花の写真を撮っていると、よく「何の花ですか」と聞かれる。

そんな時、私は相手を見て知っている花ならば教えるのだが、相手によ

っては「さぁ何の花でしょうね」と惚けることもままある。花に限らず

動植物の名前を知ることはその生き物を知るための入口となる。

名前を知らずして(勿論、自己流の名前でも良いのだが)その世界を

知り深めることはできない。別に宗教だけではない、はじめに言葉ありきなのだ。

 

 でも人によっては花の名を知ることで満足してその世界を訪れることなく

出て行ってしまう。そういう人(私から言わせると大半そうなのだが…)には。

名を知ることがその世界からの出口となってしまう。レッテルを張ることで

その中にある豊穣な世界をシャットアウトしてしまうのだ。

 

 さて、多磨霊園に隣接する武蔵野の一角に浅間山公園がある。4月下旬ごろから

この公園ではニッコウキスゲ(正式名はゼンテイカ)が咲き始める。

今年訪ねたのは4月下旬、キスゲに先駆けてキンランが見ごろを迎えていた。

 

 

 この時期に限らず、武蔵野の面影を豊かに残すこの公園では一年中自然に

包まれた静かな時間を過ごすことが出来る。

 

 林床に咲き誇っているのはキンラン、ムサシノキスゲの花は見当たらない。

 

 木漏れ日を浴びて輝くキンラン

 

 株によって一花だけの若いものや、たくさんの花株をつけたゴージャスなものもある。

 

 

 並んで咲いたり、家族のように寄り添って咲いたり見ていて飽きない。

 

 

 キンランより少し遅く咲くギンランも咲いていた。

 正式にはササバギンランという名だ。

 

 こちらのより小さい花がギンラン

 

 しばらく歩いていたらやっと開花しているムサシノキスゲに出会えた。

 

 開花しているのは全体の数パーセント程度。

 

 いつもは5月中旬ごろに見ごろを迎えるので春の早い今年とはいえ

訪ねる時期がすこし早かったようだ。

 

 この時期は木の花も多く咲きだす。クサギ、ニセアカシアと白い花が

多いが、目についたのはサワフタギとコゴメウツギ

 

 

 足もとにはまだ緑色のホウチャクソウ

 

 ヤマユリやイチヤクソウ、トンボソウも見かけたが花はもう少し後になってから。

キスゲが見頃を迎える時には花を見ることが出来るかもしれない。

 

 ゆっくり公園を一周しても一時間ほど。ベンチに腰を下ろしてニセアカシアと

フジの花の混じった甘い香りに暫く酔った。

 お終いはキスゲの花を探していて見つけたウラシマソウ

 この辺で。