早いもので今年も残り2ヶ月となりました。新型コロナ感染は、第 5 波も急峻に終焉を迎え、最近は、ごく少しの感染がくすぶっているものの比較的平穏な日々が続いている。さて、この冬は、第 6 波がくるのか? インフルエンザ感染が流行するのか? 感染症の専門家と言われる医師からは、ともに流行するような意見であるが、果たして本当にそうなのかと首を傾げたくなる。第 1 波~第 5 波全て、ピークが過ぎると急峻に感染数が減少してきた。マスクや手洗いの効果、人流を減らした、ワクチンの効果などと専門家と言われている医師は言っているが、毎回、このような急峻な減少は人間側の努力で生じるはずがなく、ウィルス側の問題であると考える。私は感染症の専門家ではないので詳しいことはわからないが、ウィルスが感染を増やし続けると、ある期間( 2 ヶ月間ほど)が来るとマイナーチェンジ(小さな遺伝子変化)を起こし、感染力を自ら弱めてしまうようなメカニズムがあるのではと考えている。そしてまた一定の期間をもって、感染力を強め、次の波を起こそうとして来るのであろう。しかし、これからは、若い世代の人たちもワクチン接種を済ませ、国民の 7 割以上がワクチン接種を行ったことにより、そう簡単にはこれまでのような感染拡大は起こらないと思われる。従って、感染者が入院もできないような今回のような大きな波は来ないであろうし、例え 第 6 波が来たとしても、非常に小さなピークではないかと考える。本来であれば、国民の 7 割もワクチン接種をしたわけであるので、集団免疫は獲得でき、収束方向に向かうはずなのだが、ワクチンの有効期間が平均 8 ヶ月程度であると、先日の厚生省の発表からすると、完全収束は先送りになると考えられる。当院で250名ほどの接種者の中和抗体を測定したが、約 1 割ほどの方の抗体価が非常に低く、特に高齢者、男性、喫煙者で目立っていた。8 月上旬で高齢者の 2 度目のワクチン接種が終了したことからすると、12 月~ 1 月ごろにワクチン接種を受けたとはいえ、このような抗体価の低い高齢者の感染者がそろそろ目立ちだすのではと危惧される。これが第 6 波(小さな波)になるのではないだろうか。また、インフルエンザの流行に関しても、専門家は昨年流行しなかったので今年は注意が必要で積極的にワクチン接種をするように勧めている。その影響で、クリニックは予約の問題でパニックである。インフルエンザはコロナ感染と違い、無症状(潜伏期間)の患者から感染することもなく、デルタ株のような数メーター四方の空気感染が起こることもない。いわゆる濃厚接触の概念( 2 M 以内の距離で 15 分以上のマスク無し会話、直接咳やくしゃみを浴びせられ、吸入してしまうこと)さえ注意すれば連日、マスク・手洗いしているこの状況下で流行するとは思われない。少し心配なのが、若い世代がコロナワクチンを接種したという油断から、マスク無しでの生活環境でインフルエンザに罹患し、感染を家族間で拡散してしまわないかということである。私は、そして私の家族は今年もインフルエンザワクチンを接種する予定はない。当院は、発熱専門外来は行っていないが、この冬は 2 度のワクチン接種を行った方に限り、まず電話で対応後、診察、処方をする方針にしている。
最後に、10 月末での新型コロナ感染症患者の累計は 172 万 2 千人ほどである。無症状で申告できていない数もあるであろうが、感染が始まって2年になろうとしているが、日本の人口が 1 億 2,500 万人であることから計算すると累計感染者は、1.38 %である。この数字は医学的には非常に高い数字ではあるが、一般感覚からすると 98.6 % の国民は未だコロナに感染していないわけである。この数字、皆さんはどうとらえますか? コロナに罹る人は珍しい? 某芸能人が感染してなかなか入院させてもらえず、死を彷徨ったなどと体験談を語っており、国民は皆苦しんでいるのにこの医療崩壊は国の責任だなんて大声を発していたが、国民は皆?? ごくごくごく一部の国民と言い換えるべきですね。自己管理のできない愚かな人間が騒ぐことではない!皆、必死で予防対策に取り組んでいるのに。