光江に10万を渡し・・・。JR大森駅近くのアーケードの中にある大衆酒場『鳥一番』の止り木に。平和島開催でないため空席が目立つがそれでも結構賑わいを見せている。
「いらっしゃい・・」店長の声と「いらっしゃ~いませ」チャイニーズの女性達の声が入り混じり、光江はおかしくてしょうがないらしい。
「みんな、まともな手続き踏んでここで働いているのかなぁ~。たとえば当然パスポート、外国人登録証明書、就労ビザなどだよ」と光江に。
「だって当たり前じゃないの・・日本で働いているんだから」
「ギャンブルのように当たり前じゃないのが、外国人就労問題なんだよ」目を見開き「怖いわね~」
「そんなの怖がっていたらこの極東のジパングの国に来て、チャイニーズ、フィリピーナが祖国に送金できないよ」と脅かす健太郎。
ここわ飲み物が当然酒の肴も豊富だ。定番のアルコールは当たり前。ハブ酒・にごり酒・ます酒・ホッピー・地酒など。酒のあてもさすが大衆酒場だ豊富。
メニューを見ながら「これも食べるの・・??」と指をさす。指した先は ゛コブクロの刺し身゛「なにこれは・・」「子宮の卵管だよ・・」と健太郎。
「ご両人!! 飲み物は・・」「ビールと小瓶の黒、それとレバ刺しよろしく」と健太郎。
お嬢様育ちの光江にとっては人間が食べる物ではないと思っていたが、健太郎に付いていくうち、引き回されるうちに少しづつだが口にしてきている。それでも健太郎と一緒でないと絶対口にしない。
「今日は ゛コブクロの刺し身 ゛お願いだから頼まないでね。」
「了解!! ラジャ!!」「早く゛旬馬 ゛に行きましょうよ」
「大将!! 信じられます・・??」と ゛コブクロの刺し身 ゛の話を光江がしている。
そこに棟梁が横槍をいれ「光江さん!!男は子宮が大好きなんだよ」女将が「棟梁はすぐそっちの路線に話が行くのね」相変わらずの『鮨旬馬』である。
「健太郎さん・・先週は」と大将。「先週はスケベェ心でウィジャーボード③⑥馬連一点5万。3連複をかろうじて5千円引っ掛け゛ガミ゛です。」
棟梁が「もう少し速めに出ていれば健太郎さんの言うとおり③⑥だったよな」
明日の⑨アストンマーチャン・武騎乗ははただの一介のスピード馬じゃないと思うが、⑧ハロースピード・岩田に乗り変わった何処までせまれるか?? これにつきる。
「馬連⑧⑨一点かな・・③ルミナスハーバー・⑦マイネルーチェ・⑯イクスキューズも怖いよな」と健太郎が。決めた3連単⑨③⑧・⑨⑧③・⑨⑯⑧・⑨⑧⑯・⑧③⑨・⑧⑨③・⑧⑯⑨・⑧⑨⑯/8点5千円。マークシートに塗りつぶし5万を女将に。
「光江も1万買うでしょ」
「ううん・・」⑤のピンクカメオに色気があるらしい。騎手の蛯名が健太郎と同じ誕生日、いつも蛯名が有力馬に乗るときは気にかけている。馬連⑤⑧・⑤⑨・⑤⑯に2千円。⑤⑧⑨・3連複に2千円。⑤単勝に2千円。
ピンクカメオにちなみ大将が「はい!! お待ち」淡い桜色のボタン海老と子を持ったあま海老が白木のカウターに舞い降りた。みんなで「3枠かぁ~」爆笑である.