家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

坪単価だけで価値はわからない

2006年01月30日 | 家について思ったことなど
ネット上の住宅関連のコミュニティで坪単価が話題になることがあるが、実物を見ないで議論してもあんまり意味のないことと思う。
そもそも容量単位の値段で一つの物体の価値を考えていいのは、肉や米などの食品や、ガソリンなど、容量を基準に売っているものだけである。
それにしたって、品質に均一性があるガソリンはともかく、例えば肉の場合、国産の高級肉から売れ残りの叩き売り肉までグレードがあるわけで、値段だけで割高・割安は決められないはずなのだ。目の前に2種類の肉があって、一つは100g200円、もう一つは100g300円だとしたら、迷わずに200円のモノを買うだろうか。まずはその肉のグレードを確認するのではないか。
家だって、いろいろなスペックに対する要求水準がまずあって、それらを満たすグレードの家の適正価格を探るのが肝心だ。

そう、結局問題なのはグレードの見分け方なのだ。
注意したいのは、キッチンやバス・トイレ、床・壁材などは素人でも判断しやすいが、耐震性や断熱性、気密性や防音性能などは判断しにくいということ。表面的に見えるものだけを比較して「安い」と判断すると、耐震偽造マンションを購入するようなことになりかねないのである。たちの悪いメーカー・施工者だと、グレードの高いバス・トイレを安く設置する一方でチープな構造を割高な値段で施工することで元を取るなんてことはやってしまう。
価格と品質への安心感を高めようとすればするほど、施主がかなり勉強するか、施工者の実績や実力、組織・人物を見極める必要がある。

設計事務所と組むと、単に設計だけでなく、こうした面で参謀として働いてくれるというメリットがある。もちろん、まともな設計事務所であるか見極めることがまた重要であるのだが。