「日帝時代の方がよかった」といった90歳の老人が殴り殺されたという記事を読んだとき、どこでも狂人じみたやつはいるもんだと軽く思った。それは韓国の反日感情に対する認識が甘かったのだ。韓国生まれで韓国育ち、韓国在住の韓国人による[韓国堕落の2000年史]、[恥韓論]を読むと、悪い面を強調しすぎている点を考慮しても、納得できる点が多い。そこに行くと日本生まれで日本育ちの辺真一の[大統領を殺す国 韓国]は韓国人の反日感情に対する見方が甘いという気がする。いや、彼には日本に育ったが故の反日感情というものも垣間見える。辺は従軍慰安婦問題を解決するために日韓条約の見直しという妥協案を提示しているが、果たしてそれですむだろうか。竹島の韓国領有権を認めろと言い出すだろう。たとえそれを認めたところで反日が終わるわけではない。図に乗ってさらなる要求を突きつけられるのが落ちだろう。
独立後の韓国人は生まれたときから反日を植え付けられてきているのである。政権が日夜繰り返してきた「日本は悪の国だ」という暗示による催眠術にかかっているのである。 2000年のハン(恨)という素地の上に、70年近くかけられた彼らの催眠状態は深い。深い催眠状態は一回かかったらなかなか抜け出せないのものである。暗示は麻薬のように魂の深層を侵して人を支配する。哀れなのは2000年の呪いをかけられた韓国国民である。しかしグローバル化の波に洗われて彼らの反日もやがて消えていくことだろう。それまで、我々日本人は彼らの苦難を思いやり、忍従するべきだろう。
いっぽう、我々日本人は、韓国苦難の2000年間、四方を海に守られた島国の故に万系一統の祖霊神話の上に温順な民族として暮らしてきた。しかし蒸気船の登場によって欧米、ロシアからの侵略の脅威にさらされることとなって、その平和は破られた。日清日露戦争、日韓併合は国防のためであったが、日清日露戦争の勝利で増長した軍部(日本国民も)は侵略戦争に向かって敗戦の憂き目を見た。日本は文明開化によって欧露の侵略に対抗しようとしたが、天皇神話狂信の一派によって亡国の憂き目に遭ったのである。そしてアメリカの保護のもとに(つまり属国状態で)天皇制とともに生きることになった。戦争責任者の(戦犯)一族とともに、天皇の兵隊たちの霊をまつる靖国神社も一宗教施設として生き残った。朝鮮戦争、すなわち韓国の悲劇によって高度成長を遂げた。しかしここに来て、尖閣、竹島問題を契機として、バブル後の沈滞した社会の不平不満に乗じて、長らく雌伏してきた彼らが頭を持ち上げ始めた。彼らは大日本帝国の再建に向かって動き出している。小泉登場以来の政治情勢の裏には彼らの力が働いていると言っていいだろう。現在、積極的平和主義、集団的自衛権などと称して、アメリカ随従の姿勢を示しているのは軍国の再建のための方便に過ぎないだろう。
徴兵制へ向かうのではないかと危惧する向きもあるが、さすがに憲法改正が必要になるし、3K嫌いの現代日本の若者たちが承知するはずはない。 安部の狙いはロボット軍隊だろう。ロボット戦争なら死に直面することはない。ゲーム感覚で戦争ができるのだ。喜んで参加する若者は少なくないだろう。しかし戦闘用のロボットを大量に制作するには巨額の資金がいる。そこで死の商人(武器商人)になろうとしている。
安部のいう積極的平和主義とは軍事力による平和である。軍事力、すなわち暴力は必ずその身に災厄をもたらすだろう。 しかし目先のことにしか興味のないのが大衆というものである。心ある人の声は彼らには届かないだろう。
韓国の反日感情について考えてきたが、実はそれどころではない悲劇が人類に迫っているのではないかという気がしてならない。 バブルに踊る大衆も無意識的のそれを感じているようでもある。とはいえ、それも人類の成長のためには必要なことかもしれない。