大友府議の市長選から20年、感慨深いものがあります。

指宿マラソン参加の時、2010年１月

　ちょうど20年前、1992年の市長選資料があります。所属していた社会党の大友府議が翌年４月の市長選に意欲を見せ始めていましたが、当時の党市会議員団は全員反対。その総意を受けて私が断念するよう説得に行ったのが、新年を間近に控えた1991年12月の、おそらく28日の午後だったと記憶しています。その時は時間を費やしての説得が功を奏したと思ったのですが・・・。

　それから１週間後の１月５日、大友府議から市議団に集まってほしいとの連絡が入り、大友事務所に４人（もう１人は欠席）の議員団が集合。断念の話と思って足を運んだのですが、反対の立候補するとの決意。重苦しい雰囲気が漂う中で、市議全員で説得に努めたものの、意思は変わらず。
　私は立候補に反対だが、それでも社会党の看板であった大友さんが出るなら、みっともない結果にはさせたくないと支持する立場を表明、市長選をめぐる議員団の分裂につながりました。

　社会党員として、本来対立しているはずの自公民（民は民社党）と組んで、直前まで社会党府議、党総支部委員長だった大友さんと対決することなどあってはならないとの筋や、また個人的には議員と秘書、総支部では委員長と書記長、また学生時代からの付き合いなど義理と人情もありました。

　翌日から実質の大友市長選がスタート。約２０年前の大槻市長リコール運動に比べ、スケールは小さいものの社会党、労組、民主団体を巻き込んだ一大事件となり、私は選対事務局長として党内外の折衝や選挙指揮に明け暮れ、「山下は大友と同じ棺桶に入る」と言われた市長選でした。自社公民・連合・解放同盟の相手候補が市議補欠選挙を準備するなら、こちらもと、候補者を擁立、強力な選対本部の陣形を整え、一方で立候補表明、政策の発表、アンケート処理・・・、ありとあらゆる事案を処理した日々は、生涯でもっとも輝いた日々でもありました。また表に出せない話もあり、この選挙だけで一冊の本が出せそうだと思ったものです。

　選挙は敗北したものの大友票は31000を超え、わずかに3千余票及ばない惜敗で、大友氏の政治生命は保たれ、府議への復帰とつながっていきました。

　ただ思想的には左派の私と右派の大友さんでは大きな開きがあり、府知事選、安威川ダムと党内で対立する場面が数多く存在しました。それもあって右派の市議が大友さんから離れ、左派の山下がつく構図にとまどう関係者が少なくなかったのも事実です。

　大友さんが市長選から１年も立たない間に日本新党に入ったことから、政治的な接点はなくなり、以降、大友さんは新進党、民主党と政党を変えていきます。それでも個人的な関係が続いているのは、この市長選があったからでしょうか。

　あれから２０年、大友さんが市長選を闘った年齢に自分がなっていることに感慨深いものを感じる年の暮れです。

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