「後ろ外してますので、アウトレットになります。」
「2年落ちで、3000キロですが、80万でいいですよ」
平成10年の夏潮が薫る浜寺諏訪ノ森の
カローラ南海で、その後10年を共にする
愛車、「トヨタ・ホワイトスノーサンダ-・チェイサー」と
出会った迷うことなく奴を購入・我が家に招きいれた。
夜の街・大阪城、四国に浜名湖・京都などいろいろ走り回った。
後半は、もっぱら私の足となり、営業回りに力を貸してくれた。
2年ほど前の雪降る正月運転を誤りごみ置き場にクラッシュ
晩年は、内装の天井の布が剥がれてきていた
10年目にして、奴はガタがきていた。まめなオイル交換が
私がしてあげるせめてものケアだった
名前の如く、追跡者のはしりだった奴は、本日、午後5時
自らその走行活動に幕を降ろした
最後まで、欠陥箇所を私に告げなっかた奴。
発電機のトラブル「せめて駐車場までは、戻してやらなければ!」
私は祈る気持ちでハンドルを握っていた。交差点で停止する度に
自慢のデジパネが、消えかかる。「サインだ!」まさに、風前の灯火。
「もう少しやから、がんばれ。」駐車場に着き頭を振りバックで駐車。
そのときは来た。一瞬まばゆくデジパネが光輝き
ゆっくりとデジパネは、消えてハンドルが固くなり停止した。
私はエヴァンゲリオンの碇シンジのように
「動け、動け、動け、わぁ~う・ご・けぇー!」と叫びはしなかったが、
相棒の最後に感じる物があった。
「ありがとう。そして、来週の案内どないしょ・・・。」