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五十嵐 ー
東京編集局メディア編成本部デジタル報道部
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野球の国際大会「プレミア12」で優勝した台湾に対する好意的な反応がSNS上などで集まっている。
五輪、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、プレミア12と国際主要大会で初の栄冠に台湾は浮かれることなく「バカ騒ぎ」を封印。
全勝で決勝に進みながら、頂点に立ちそこなった地元・日本へ配慮した姿勢に対する称賛に加え、かつてWBCで日本を破った喜びゆえにスポーツマンシップから逸脱した「騒動」を起こした〝ある国〟との違いを指摘する声も上がっている。
台湾は24日に行われたプレミア12決勝で日本を4―0で下した。
連覇を目指す日本打線を4安打に抑えた完勝だった。
優勝決定後、歓喜の輪がほぐれると台湾ナインは会場である東京ドームを埋めた日本人の観客らに向け一礼。
そして、台湾の本当の「スポーツマンシップ」はここから発揮された。
通常、野球に限らず、スポーツの国際大会では優勝チームがシャンパンを掛け合う「シャンパンファイト」が慣例となっている。台湾の「自由時報」によると、台湾ナインはこの「勝者の権利」を辞退。
曽豪駒監督は「ここは日本のプロ野球の会場だ。この喜びは台湾に持ち帰ってから祝いたい」と理由を話したという。
日台双方の選手が健闘をたたえ合い球場を去った。
こうした台湾の姿勢に対し、日本のSNSでは「礼儀正しい」「好印象」「最高の相手」など称賛する声が上がった一方、「あの国とは違う」という指摘も多くみられた。
SNSで、今回の台湾の姿勢と「違い」を指摘されているのが、過去のWBCにおける韓国の行為だ。
2006年WBC第1回大会の日本―韓国戦後、勝利した韓国はマウンドに同国の国旗「太極旗」を立てる前代未聞の行動に出た。
当時、日本の主力だったイチローさんが「もっとも屈辱的な日」と口にした「暴挙」だった。同様の行為は09年の第2回大会でも繰り返された。
韓国のこうした行為は日本に対してだけ行われるわけではないようだ。
台湾メディアによると、昨年10月のアジア大会決勝後にも韓国ナインは負けた台湾の眼前でマウンドに太極旗を立てようとした。
この時はうまく旗が刺さらず、会場スタッフの制止で「未遂」に終わったという。
敗者にも敬意を払う王者・台湾ナインは26日午後、台北市内でパレードを行い、市民に優勝を報告する。(五十嵐一)