- 尿検査、血液検査、画像診断などで腎障害が明らかである(特に、0.15g/gcr以上のたんぱく尿が出ている)
- 糸球体ろ過量(GFR)が60mL/分/1.73m²未満である
〇重症度分類
慢性腎臓病(CKD)という考え方では、腎臓を病気別に見るのではなく、腎臓の機能を以下のような5段階のステージ(病期)に分けてとらえ、そのステージに応じた診療計画を立てていきます。
〇指標となるGFR(糸球体ろ過量)
慢性腎臓病の診断基準、およびステージ分類で重要な指標となるのが、GFR(糸球体ろ過量)です。
GFRは糸球体の老廃物を尿へ排泄する能力を示しており、値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。
GFRを調べるには、血液検査による血清クレアチニン値を用いた計算式によって求める数値である推算糸球体ろ過量(eGFR)を用いる方法と24時間蓄尿によって調べるクレアチニン・クリアランスによる方法があります。
クレアチニン・クリアランスは、腎臓が1分間に血液からどれだけの量のクレアチニン(体内の老廃物の一つ)を排除しているかを調べる方法で、eGFRよりも精度が高い検査といえます。
〇検査方法
腎臓の機能を調べる検査には、尿検査、血液検査、病理検査、画像診断があります。
ここでは、早期発見のために検査を受けやすい尿検査と血液検査について詳しく紹介します。
〇尿検査
尿中のたんぱくや血液、糖、沈殿物などを調べて病気を診断する検査です。
方法は、
①随時尿(いつでも好きな時に尿を採る)、
➁早朝尿(起床後、最初に出る尿を採る)、
➂24時間蓄尿(24時間、尿をためて採る)、
④分杯尿(排尿の前半と後半に分けて尿を採る)の4つがあります。
尿検査でわかる、腎臓病に関わりの深い主な項目は、以下の通りです。
- たんぱく尿健康な人でも尿中にたんぱくが出ており、風邪やスポーツ後に一時的に多くなることもあります。しかし、たんぱく尿が多いほど将来、腎臓の働きが低下し腎不全に陥りやすいと考えられています。
- 微量アルブミン尿微量アルブミンは、早期の糖尿病性腎症の診断に有効な指標です。
- 潜血反応赤血球が混じっている尿を血尿といいます。たんぱく尿と並んで、CKDの早期発見に有効です。初めて血尿を指摘された時には、尿路異常の検査をします。
- 尿糖血糖値が高くなると尿中に糖が出ます。血糖値が高い状態が続くと、CKDや心血管疾患のリスクが高まります。
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