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2020年01月30日 07時30分 公開、[村尾麻悠子,EE Times Japan]
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パワー半導体も、注目したい動向が多い分野だ。とりわけ、300mmウエハー生産への移行や中国の動向に注目したい。
300mmウエハーでの量産は、Infineon Technologiesが既にドイツ・ドレスデン工場で開始している他、新しい工場もオーストリア・フィラッハに建設中だ。それに比べると日本勢の動きは鈍い。富士電機は2019年11月に行われた2019年度第2四半期決算説明会の質疑応答で、車載向けパワー半導体の300mmウエハーでの生産について尋ねられた際、「半導体の大口径化は自動車、産業ともに必須と考えており、R&Dの準備は進めている」としつつ、「ウエハーの大口径化により、性能のばらつきが大きいことが課題。また、大口径化による重量増に伴う課題なども出てきている。技術的には2~3年かかるだろう」と回答している(富士電機 決算発表資料)
中国のパワー半導体メーカーはここ数年、特にSiCでめきめきと実力をつけている。中国がパワー半導体分野にも巨額の投資をしていることもあり、地元メーカーの台頭が目立つ。
この他、デンソーとトヨタ自動車が2020年4月に設立する車載半導体の新会社「MIRISE Technologies(ミライズ テクノロジーズ、以下MIRISE)」の動きは注視したい。デンソーとトヨタは、MIRISEの2024年中期方針について、「クルマ軸と部品軸の両輪で、電動車両や自動運転車両の技術革新の鍵となる次世代の車載半導体を、より早期に開発していく」と発表。具体的に取り組む技術開発領域は、パワーエレクトロニクス、センシング、SoC(System on Chip)である。
材料では、SiCとGaN以外に酸化ガリウムを用いたパワーデバイスの量産が始まる。京都大学発のベンチャーFLOSFIAが、GaO(材料名α-Ga2O3:コランダム構造酸化ガリウム)パワーデバイスとして「世界初」(同社)となる、ショットキーバリアダイオード(SBD)を2020年中に量産する予定だ。
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