このところ、急な事情で県外まで出かけなければならない日が続き、自分の体調不安も重なって、少々気が重かったのですが、少し区切りがついたので、普段の生活を取り戻しました。
幸い、いいタイミングで、地元公民館が主催する「地質を観察する」ウォーキング・イベントがあったので、参加することに。コースと行先は「当日のお楽しみ」だったのですが、目的地の一つ目は「巾着田(きんちゃくだ)」でした。
マンジュシャゲ(ヒガンバナ)の群生地として知られる巾着田ですが、実際には、春の菜の花から秋のコスモスまで、季節を通じて花を楽しめる名所ですから、私もこれまで何回となく訪れています。しかし、花のない12月に出かけた記憶はありません。
新鮮な印象でした。「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)公園」は、マンジュシャゲの緑の葉が豊かに生い茂り、散策路は落ち葉で埋まっています。人工音のない静まり返った世界です。時折、ハイカーのグループや散歩中の人に出会って挨拶をかわしましたが、さすがに外周の高麗川の川原は、荒涼として人影がありません。
そんな川原に下りて、切り立った崖の地層や足下の小石の種類について、専門家から説明を聞くと、なるほどと学ぶことばかり。
この辺りの高麗川の小石は、秩父の山地から流れてきた2億年前の産物とのこと。思い思いに、石灰岩や緑石岩、赤味を帯びたチャートなどを手にとっては、2億年前の地球の歴史に思いをはせました。
地質の学習もさることながら、地球の悠久の歴史の中では、人類も自分の存在も小さいものだと感じて、逆に重い心が解放される思いでした。
(コースの後半については、次回に綴らせていただく予定です。)
(写真上)© マンジュシャゲの葉に覆われた地面。奥にはまだ紅葉の名残が。12月17日撮影(以下同じ)
(写真上)© 落ち葉に埋まった散策路。
(写真上)© 専門家の解説を聞く。左の崖は切り立って崩壊の危険があるため「立入禁止」のロープが。
(写真上)© 地層の標本。砂岩(地表から2メートルほどの白い帯)の層の上に整合して重なる「飯能礫層(はんのう れきそう)」(樹木が生えている地層)
(写真上)© 人影のない川原。人とテントで埋まる夏の賑わいがウソのよう。
(写真上)© 静寂の中にたたずむ道標。
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