共鳴胴スピーカー(波動スピーカーもどき)が、ことのほか良い音だったことに気をよくして、計画通りバスレフ型のスピーカーも作ることにした。
何故共鳴胴スピーカーが先になったかというと、こちらの方が部品点数が少なく、作るのが超カンタンだったから。
部品としては、ボイド管20㎝径 40㎝長 1個、 20㎝径丸板 2個、ターミナル2対、ユニット 2個、ケーブル。 ダクトは穴1個に障子紙の芯。
一方、バスレフ式にする場合、筐体が2個に分かれる、上下にそれぞれ丸板が必要となる。
部品としては、ボイド管20㎝径 20㎝長 2個、20㎝径丸板 4個、ターミナル 2対、ユニット2個、ケーブル、ダクト2個。
20㎝長のボイド管は、すでに、ボイド管4兄弟としてカット済みである。 (波動スピーカーもどき3 を参照)
今回は、ボイド管に取り付ける2枚のバッフル板と、底に付けるダクト穴付の底2枚を、残っていたホワイトパインの集成材から切り出す。
半径10㎝の円を集成材の上に描き、ボール盤を使って中心点に4㎜径の垂直の穴を空けた。
下の写真のように、ジグソーガイドをジグソーにセット、ガイドの一番前の4㎜径の穴にM4のボルトをセット、これを板の中心穴に挿入する。
板をバイスで作業台に固定し、作業台を切らないように注意しながらカットしていく。 円を描いてあるのでそれに沿ってジグソーの刃が動いていくのを確認しながらゆっくり切っていく。 中心穴を開ける際に、木目のかげんで穴が中心からほんの少しずれてしまうことが多い。 そういう場合は、その分だけ切れ目が描いた円からずれる。 中心穴径とそこにセットするボルトの径に差がある場合も、同様に切れ目が円からずれるので要注意だ。 通常、板目に沿って切るところは縦切りとなるので、切れ憎いが、板目に直角になる部分は横切りなのでザクザク切れる。 縦切り部分は、落ち着いてゆっくり切る気持ちで、全体的に均等なスピードで切るのが肝要かと。 変に力を入れてジグソーを押すと刃が曲がって切り口も曲がりやすい。
今回は、以上の点を注意したので、割とうまく丸板を4枚切り出すことができた。
バッフル穴は小さすぎてジグソーのガイドではカットできないので、コンパスで描いた円(直径94㎜)に沿って手動でジグソーでカットした。 そのために8㎜径の穴をボール盤で開始口として開けておいた。 少し進んでは戻りを繰り返して円周をなぞっていくと割ときれいにカットできる。 自在錐でやればもっと綺麗にできるが、あいにくワシの自在錐は6㎝径までだった。
ダクトには塩ビ管VU40と、お掃除口を取り付けるための継ぎ手を使い、伸縮可能なダクトとした。 VU40管の内径は40㎜ではなく、44㎜、ソケットの外径は54.25㎜。 穴はボール盤で3つ爪の自在錐を回して開けた。
そしてあっという間に、バスレフ式スピーカーが2つ出来た。 ユニットは、共鳴胴スピーカーで使っていたものを外してこちらに流用した。 Fostex FF105WK、10㎝径 フルレンジ バスレフ専用ユニット。
試聴してみて、具合が良ければ、さらに、みなさんが良いと言ってるFE103EN(バックロードホーン用)を買い足して、こちらを共鳴胴SPにセットして比較してみるつもりだ。
さて試聴してみよう。 ワクワクだね・・・
まず、縦置きして下にビデオテープ1枚づつで下駄をはかせて聞いてみる。 う~ん、・・・もひとつ・・・
次はビデオテープを3枚にしてみた。 うん、こちらの方が響くね。 下の空き具合の調整がいるみたい。
波動もどきの聞こえ方と大差ないみたいな気もするが・・・無指向性の所為かな・・・
低音部の聞こえ方が共鳴胴より大きく響く・・・ ダクトが働いているのか・・・
共鳴胴では気にならなかった、高音部の一部で耳にピーンとくる突き刺すような共振部分を感じる。 特にSPから離れたところで聞くと・・・ FF105WKの癖なのか、それとも縦置きの場合、真下からの反響がコーンから出る音と変な具合に共振しているのか・・・
ダクトに耳を近づけて聞いてみると、低音にまじって高音のワンワンヤンヤンといった音がかすかに聞こえる。
土管音。 これが何とか波(定在波)?ってもんなの? エンクロージャーの中に吸音材を入れたほうがいいのかな? どこかのサイトに、メーカー品には、吸音材として、でんぐり紙が入っていた、という情報があったな。 実際に、新聞と一緒に来るチラシででんぐり紙(いい加減なもの)を作って中に入れてみたが、却って高音がチラシの油紙に反響してキーキーピーピーといった感じの音を作り出しているみたい。 でんぐり紙もハニカムの大きさや紙質に注意して作らんと逆効果にならんとも限らん、と思った。
次に、横置きにして2つのスピーカーの中央に座って聞くことにしよう。
このバスレフ、共鳴胴と同じボイド管を使っているので胴に触れてみた。 明らかに胴が振動している。 共鳴胴のそれどころではない。 ビンビン振動している。 これってスピーカーとしては良くないの? 今のところ、何が悪いかワシには分かってないのだけれど。 音はとっても良いよ。
お~、これがステレオかあ~っていう聞こえ方がした。 これが音像なの? まだ音像についてはよくわからないが、両耳が確かに、この一点では聞こえ方が違うという一点を捉えた。 まるで3D放送が専用メガネをかけてみると立体画像として見える、てな感じ・・・ ピントが合うというか・・・
師匠は、歌手の唇が中央に現れる・・・なんて訳の分かんないことを言ってたけれど、ボーカルの曲を聞けば、ホントに唇が現れるかもしれない、と思った。 (ローラ風に)
師匠が言ってたように、ほんとに歌手の口がワシに向かって歌っているようにいるように聞こたんだな。
甘い声の女性の歌手の唇が見えるよう・・・
ステレオ再生っていい! 特にボーカルの曲はいい!
う~ん、バスレフでステレオもいいなあ~。
ステレオで聞くには、スピーカーの朝顔に向かい合って聞く。 音がもろにこっちにくる。 音波を浴びている。胴の振動と同じような振動が、ワシの体の周囲で起こっている。 共鳴している。 そして思った。
オーディオにはまるってのは、この体の共鳴感を感じることなのではないの? 音波で周囲の物が共鳴・共振するのなら、体内の赤血球やら肉やら脂肪やら爪やら髪やら髭やら体毛やら・・・脳やら(少なくとも鼓膜は共鳴しているな)も共鳴・共振を起こしているに違いない。 それがたまらんのとちゃうか?
一旦これを聞いてしまったら、惚れてしまうやろ~!
これがオーディオ中毒の原因なのかも・・・ (別に麻薬じゃないから、いいんだけれど・・・)
ダクトの調整ってのをしたいんだが、SPを完成させてしまうと、底も接着することになるので、後ではできなくなる。 これってスピーカーの宿命? いったん完成形になると、内部の調整ができない。 内部配線がはずれたらスピーカーの筐体を壊して直すの? 解決するべきナンセンス!
そこでワシは接着剤で接着するのではなく、タッピングビスでねじ止めにすることにした。 それから、ダクトの内部を滑りやすく削って、筐体の外からでもダクトを伸縮調整できるようにした。 この位置ってとこで、ガムテープで留めることにした。 これで万全!
さて、置き方の工夫もしなくては・・・ 場所を取るんだよな、スピーカーは・・・
横置きでステレオってのが一番簡単なので、まずそれだな。
暇ができたら縦置きで反射球かまして全方位に指向性を与えてステレオで聞く、ってことも検討してみよう。
とにかく、狭い我家、邪魔にならんように空間を利用しよう。 さもないと、ヤマノカミが邪魔だから捨てるってことにならんとも限らんからな・・・朝は起き出したらまず、バイオリンの「愛の挨拶」とオーボエの「あすか」を再生してヤマノカミのご機嫌をとって・・・