スピーカーユニットを取り付ける板のことをバッフル板というらしい。 前にジグソーを使ってくりぬいた94㎜径のパンケーキのような丸い板が残っていた。 その表面をカセットガスバーナーで焼いてみたところ、面白い模様が浮き出てきた。
この板、ホワイトパイン(白松?)の集成材なので、木目は一応同じ方向に走ってはいるが、年輪の方向は一枚一枚逆になるように接着されている。 柾目に近い年輪もあれば、まさに板目という年輪もある。 それらが交互に折り重なって、切り口の模様が波打っていて面白いのだ。
バーナーで表面を焼くと、年輪は白っぽく残り、肉の部分が黒く焼ける。 焼きすぎると、肉の部分は簡単に炭になる。 かくして縞々模様の黒っぽい板ができた。
くりぬいたパンケーキはコースターに、失敗して小さめになったバッフル板は鍋敷きにすることにした。
この写真は室内で撮ったものだが、焼いたの屋外です。 間違っても室内で焼いたりしてはいけません。
焼いただけだと表面は木炭と化しているので、触ったものを汚す。 じゃによって何らかの塗装が必要だ。
柔かい木質を硬くするもの・・・そうだ、あれがあった・・・ ルアー作る時のあれ! 以前餌木を作った時の残りがまだあったな・・・
ここで脱線。 以前使った塗料だとか溶剤や接着剤などは何年も室内に保存すると・・・危険を伴うよ。 たとえば、10年近く置いたままになっている溶剤など。 こんなことも起こるんだな・・・
ベランダにFRP塗装したときの硬化剤・・・プラスチック系の容器が自然劣化して割れて硬化剤(MEKPO:メチルエチルケトンパーオキサイド) が漏れ出した。 室内は有毒な臭気に満ちた。 廃棄の仕方が分からず、市や廃棄物処理業者に当ったがラチを得ず。 結局FRP販売業者に問い合わせ、水に混ぜて無毒化し、日向において蒸発させてください、とのことで、そのように処理したのだった。 買った時から廃棄の仕方を知っておくべきだったね
よく使うテレピン油なんかも、缶入りのものは要注意だ。 長年置いたままにしておくと、缶の内部で錆が発生し、腐食して穴が空いたりする。 幸い漏れ出したことはないが、透明な筈のテレピン油が赤く変色していたので気が付いた。
(脱線終わり・・・以前にもこれ書いたかな?)
ルアーや餌木を作るときに使ったのは、セルロースセメント。 溶剤は石油第一類の揮発油。
このセルロースセメントは、バルサ材、桐板、などの柔らかい木質に浸透して表面を硬くするのに使う。
ルアー製作では、何層もドブ付を行ってその上からラッカー系の塗装をする。 そして色落ちしないようにまたセルロースセメントでコーティングする。
焼けた木質部を黒いまま固定するにはこれが良いと思って、屋外で刷毛塗りしてみた。 それがこれ、
うむ、おもしろい。 炭の固定化は思った通りにできた。 塗装前にこすってしまった部分は、炭がなくなって表面が古びた杉板のように波を打った感じになった。 うん、ワシの趣味に合う・・・古びた感じ・・・
結局、二度塗りとした。 あまり表面がつるつるだと古びた感じがなくなってしまう。
完成すると、こんな感じになる。
バッフル板の塗装が完了したので、共鳴胴エンクロージャーの最終工作に入ろう。
スピーカー端子を取り付ける。 この端子、硬く締めすぎると回転してしまって左に回すと裏側のナットがゆるんでしまう。 そこでプラスチックのインサートと端子の金属を二液性エポキシ(コニシボンド30分硬化)で接着してから取り付けたら回転しなくなった。 安い端子だったので裸線を差し込んで接続する穴がなかった。 バナナプラグの穴はあるのに・・・。 だから2㎜径のエンドミルで自分で穴を空けたら高価な端子と同じになった。 得した気分・・・
次に、いつまでもティッシュボールによる吸音に頼ってはいられないと考え、 吸音材を自作した。 これだ!
材料はティッシュによく似た紙・・・キッチンタオル、それも、リードの。 リードのキッチンタオルは厚みがあり、柔らかい。 空気を含んでいて、セルロースの長い繊維が実感できる。
キッチンペーパーを3枚重ねにして、幅5㎝くらいの短冊にカットする。 各短冊の端に両面テープを貼る。
さらにこれを3枚重ねて鋏を入れてピラピラにする。 輪にすれば七夕の飾りになる。
これを筒の内側、スピーカーユニットの磁石の横あたりの位置に張り付けた。
これでティッシュボールやティーパックはいらんだろう。 ムシューダは入れときたいな・・・
音出ししてみたが、確かに吸音材が利いていて、ティッシュボールを入れた時と同程度の吸音効果を発揮している。 波動もどきもバスレフも、こもり音が解消されている。
波動もどきの穴を大きくする場合、土管反響音が多くなるので、これらを消すために更に多くの吸音材を必要とする。 穴が小さめ(37㎜)、あるいは、ダクトが長い(11㎝)と、穴からでる土管反響音が減少するので、吸音材は少なくする、あるいは吸音材は要らないかもしれない。 ワシの実験結果による。
最後にバスレフスピーカーはダクトを底板と二液性エポキシにて接着し、空気漏れをなくした。 そして伸縮自在ダクトを8㎝になるようにガムテープで固定した。
あとは仕上げを待つのみだ。