本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

喜劇『団地親分』。

2008-07-02 05:28:39 | 
 というわけで、他の2本はどうでも良かったんだけど、この『団地親分』だけは見ておきたかったので飛田東映に行った。脚本が花登筐(はなとこばこと読む)だし、なんと言っても関西喜劇人協会・東京喜劇人協会総出演で、往年の懐かしい喜劇役者たちがみんな出ているのだ。伴淳三郎(ばんじゅん)、アチャコ、エノケン(榎本健一)、芦屋雁之助、芦屋小雁、大村崑(こんちゃん)、環三千世、佐山俊、由利徹、南利明、三木のり平、森繁久彌(もりしげ)、マチャアキのお父さんの堺俊二 (サカイシュンジ)も、それになんと寅さん役に嵌る前の渥美清も出ているし、もう、『凄い!』の一言の超豪華メンバーである。
 1962年の作品だから東京オリンピックの二年前という時代である。ただフィルムが古いからセピア調というよりは赤色基調だった。今は修正出来る筈なんだけど金がかかるのか直してなかったんだね。この映画を検索したら関東方面でも数多くかけられていた。

 この年の映画としては他に: ↓
# キューポラのある街[日活](4月8日封切)
<埼玉県川口市を舞台に、酒乱の父親を持った娘が明るく健気に生きる姿は、戦後日本の混沌とした世相をとらえて大当りした。吉永小百合は17歳でブルーリボン主演女優賞を獲得>
[監督]浦山桐郎、[出演]吉永小百合、浜田光夫、東野英次郎、小沢昭一
# 日本無責任時代  
# 切腹
<カンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞>
[監督]小林正樹、[出演]仲代達矢
# 秋津温泉[松竹]
[出演]岡田茉莉子、長門裕之
# 忍びの者
[監督]山本薩夫
# 椿三十郎
[出演]三船敏郎、仲代達矢
# 座頭市物語
<シリーズ第1作>
[出演]勝新太郎
# 肉体の市場[大蔵映画](3月封切)
<ピンク映画の第1号とされる>

・・があるが(『ザ・20世紀』より)いずれも名作揃いである。

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《解題》
 goo映画の作品解説にはこうある。↓

 北大阪一帯を縄張りに持つやくざの親分大川重五郎(ばんじゅん)には、東京の大学に籍を置いている愛娘エリ子がいる。そのユリ子が突然帰阪し、重五郎にやくざをやめてくれという。驚いた重五郎は、娘の身辺に何かが起ったと気づき、単身上京。東京の大親分(エノケン)江戸原一家に草鞋をぬぎ、娘の学友を尋ね歩いた。そこでエリ子が相原敏男という青年と恋愛中だったが、敏男の父(モリシゲ)が検事であるため結婚できないと悲観したためと判った。大阪に帰った重五郎は、乾分たちと緑を切りエリ子と共に“虹ケ丘団地”に越し、文化人として生活することになった。

「秀才はんと鈍才どん」の花登筐のオリジナル・シナリオを、『風来先生』の市村泰一が監督した喜劇篇。撮影は『ひとり寝』の倉持友一。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)

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 要するに昔気質の十三のヤクザの大親分(ばんじゅん)が娘の結婚のため組を解散し当時の新興団地(←『虹ヶ丘団地』と言って人口4万人という設定である)へ子分たち共々移り住んで『堅気』即ち『文化人』になることを目指すという話だが、これが花登筐流に加工され練り上げられると、自称文化人たちの一種いかがわしい(?)ハイソサエティの事情とか、彼らがデパートの誘致を画策して元の住人(アチャコ)一家から土地の権利書を奪い取ろうとして逆に名うてのペテン師(渥美清)に出資金を騙し取られそうになったりと、結構込み入った楽しいストーリー展開になるわけである。w


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