1.日本は今でさえ「世界一の高齢少子化社会」が言われ、今後この「逆ピラミッド」構造はいよいよ増進し、果ては「若者一人で一人の老人を支える」事態が到来することは必至であるとされている。
第二次団塊の世代が死滅するまでこの状況は解消されることはないと見るのが常識というものだが、ここでも一列横並びのメディアはこれを直視し解析しようとなどはしないで、ひたすら「お馬鹿さん番組」ばかり放映し続けている。
まるで「あとは野となれ山となれ♪」の大合唱である。
若い世代は子供を生み育てることに少なからぬ不安を感じ、結婚することさえ消極的になっている。
2.若い労働力が国内に希薄であるなら、外国から来て貰うしかないのだが、小宮山糞婆アの厚生労働省などは極めて排他的・人種差別的排外主義を推進している。
日本民族などは元々が南方系と大陸系の雑種であるから「民族の純潔」などは最初から有り得ない話であるが、スーパー・コンビニのレジや工場のラインなどに外国人・日系人を使うことはあっても、病院のインターンなど少しでも「知的」な職業には極めて不当な障壁を「国家試験」として設けて、ガイジンを排除しているのである。
我々普通の日本人でさえ読めないような漢字を正確に読解出来ないと国家試験は通らない。英語が堪能であっても駄目だ。幾ら医療に詳しく日本語ペラペラで、日本で働くことを熱望していても駄目なのである。
3.今は崩壊したソ連は「失敗した管理社会」である。隣組の相互監視、密告制度などが外から丸見えでは成功とは言えないのである。「管理」が外にも内にも見えない、わかりずらいのが成功した「管理社会」である。欧米や日本など、自称先進諸国は一応管理が成功した社会と言っていいだろう。(但し「一応」である。)みんな一応「自由」を信用しているからである。
4.「政治の幅よりも生活の幅の方が広い」と言ったのは吉本隆明である。
これを言い換えるならば、「刑罰(処罰)の幅より犯罪の幅の方が広い」と言えるのかも知れない。
但し犯罪は作られるものである。
仮に私が或る日街のどこかで強盗とか殺人とかを目撃し大騒ぎしたところで、それだけでは犯罪でも何でもない。官憲(ポリス)にまでその事実が伝達され、司直(警察ー検察)の手によって立件され、更には法廷で裁判所が「有罪」判決を下して初めて、私の目撃した事件は社会的に犯罪と認定されるのである。
大阪地検特捜部の前田(元)検事は「事件を作った」がそれは虚偽の証拠を捏造した上での犯罪だったため、彼は今服役中である。大阪地検特捜部というのも制度の一つである。
5.制度の問題。
「敵は制度、味方はすべての人間」(埴谷 雄高)というが、現実の我々は逆に、全ての他人を敵とし、諸制度のみを味方として自分有利に運用~適用させて生きながらえているかの如くである。
蟻や蜂が巨大な楼閣を築く。彼らの楼閣も我々人類の巨大都市もシステム(制度)である。報道もシステムの一つである。
制度に上位~下位の別はあるのだろうか。ここでは一応諸制度を統御する上部機関としての「国家」という制度を仮定しておく。
制度は法(規律)によって定められ、生身の人間によって運用される。法を定めるのもその時々の人間の恣意に拠るのである。
諸制度を生み出す力、編成する力は人間のどこに由来するのだろうか。本性にか、自然力にか。
世間には凡そ高邁な思想、考え抜かれた考察などとは無縁の、たまたま偶然の『ものの弾み』で出来てしまった『制度』というものが少なからずある。
日本の、例えば警察(ポリス)制度などは明治維新の際江戸期の諸制度と欧米諸国から直輸入のポリス制度がランダムに継接ぎされたものであるから簡単に分別~分析されることは困難である。
上部機関によって統御可能な制度と、自動発動されるだけの制度。
6.ASPAC(+3)、APEC、そして今回のTPPもまた経済的諸制度の一部に過ぎない。
そこには次々と経済的諸制度の箍(タガ)をアジア諸国に被せて世界の盟主たり続けようと必死に腐心するアメリカがある。
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【TPPの真実】
TPPの黒幕 経産省女性官僚がやったコト
【政治・経済】
2011年11月21日 『日刊ゲンダイ』掲載
国を売るのか!
<慎重派が呼んで吊るし上げ>
マイクを握り、身ぶり手ぶりで説明する女性官僚。彼女こそ、いま、TPPの黒幕と呼ばれる宗像直子・経済産業省通商機構部長(グローバル経済室室長)である。
なぜ、彼女が黒幕と呼ばれるのか。
日米で言った言わないでモメている野田首相発言、「日本は全ての物品サービスを(TPPの)貿易自由化交渉のテーブルに乗せる」というセリフ。これは経済産業省が事前に用意したペーパーに書かれていて、これを作成したのが宗像なのである。
問題のペーパーはAPECのためにハワイに先乗りした枝野経産相にカーク米通商代表との会談用として渡された。たまたま枝野に密着していたテレビが映したことで、存在がバレた。その後、枝野はカーク通商代表との会談に臨み、あとからハワイ入りした野田首相はオバマ大統領と会談、交渉参加に向けた協議に入ることを表明した。枝野も野田もペーパーに書かれているような発言をしていないと言うが、米国は、野田がこのペーパーに沿ったセリフを表明したと発表。で、宗像は与野党のTPP慎重派から吊るし上げを食らっているのである。
「18日に開かれた民主党の慎重派の勉強会にも呼ばれて、経緯を聞かれていました。宗像氏は首相の会見前に用意した発言要旨だったとし、首相の会見のあと、その趣旨を反映させたものに差し替えなかったため、ペーパーが残ってしまったと言い訳しました。でも、外形的にはTPP参加の旗振り役である経済産業省が極めて前のめりの参加表明文書を作り、それが米国に伝わって、日本の見解として発表されてしまったとしか見えない。それに対して、日本は訂正すらも求めていないのだから、おかしな話です。本当に差し替える気があったのか。経産省が交渉で、そう言わせようとしたのではないか。枝野氏はその通りの発言をしているのではないか。疑惑は尽きないし、“違う”と言うなら、枝野大臣とカーク通商代表との議事録を公表するか、『米側の発表は誤り』と日本から声明を出すべきです。宗像氏本人か、上司か、大臣か。誰かが責任を取らなければ、慎重派も収まらないと思います」(ジャーナリスト・横田一氏)
今回はたまたまTVが映像を撮っていたからよかったものの、それがなければ、交渉の裏で役人が勝手に何をやっているかわかったもんじゃない。そう思うと、ホント、日本の官僚は恐ろしい。
宗像氏は東大法卒、ハーバードでMBAを取得した後、1984年通産省に入省した。通商経済政策局経済協力課、総務課課長補佐などを経て、ブルッキングス研究所やジョージワシントン大で研究をした。新自由主義に染まった役人の身勝手な暴走は許されない。
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ふざけるな!玄葉外相 日帰り訪中に飛行機チャーター代1200万円
【政治・経済】
2011年11月25日 『日刊ゲンダイ』掲載
国民には「増税」大臣は「ムダ遣い」
国民の税金をなんだと思っているのか。玄葉光一郎外相(47)が、バカ高いチャーター機を使って訪中したことに批判が噴出している。
23日日帰りで中国を訪問した玄葉大臣。大新聞テレビは「外相訪中 異例の厚遇」などとヨイショしていたが税金の無駄遣いもいいところだ。飛行機代に1200万円も使っていた。霞が関関係者がこう言う。
「頻繁に外国を訪問する外相が、隣国の中国に行くのにわざわざ飛行機をチャーターするなんて聞いたことがない。定期便を使うのが当然です。チャーター機を使うのは、定期便の飛ばない辺境の国へ行く時か、邦人救出など緊急の時というのが常識ですよ。定期便なら羽田―北京往復は、正規料金でも26万円。1200万円もかけるなんて異常ですよ。贅沢すぎる。民主党は『財政が破綻する』と国民に増税を強いているのに、大臣が無駄遣いしているのだからメチャクチャです」
さすがに外務官僚もチャーター機を使うことに難色を示したらしいが、玄葉大臣のたっての希望だったという。そもそも、この時期に訪中する必要があったのかどうか。つい最近、野田首相がAPECで胡錦濤主席と会ったばかりだし、12月の訪中も決まっている。
「政経塾出身の玄葉大臣は、エリート意識が強いナルシシスト。外相になったらチャーター機くらい当たり前と思っているのでしょう。やっかいなのは、政経塾の同期で、同じ当選6回の前原誠司(49)に強いライバル意識を持っていることです。前原政調会長が外交に口を挟むと反発して暴走しかねない。チャーター機を使って訪中したのも、存在感を誇示したかったのでしょう」(民主党事情通)
なぜ、チャーター機を使ったのか外務省に問い合わせたが、締め切りまでに回答がなかった。
しかし、民主党にはこんな大臣しかいないのか。国民に負担増を求めておいて無駄遣いなんて許されない。
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【肥田美佐子のNYリポート】反ウォール街デモ・ロビー案発覚―賞与シーズンを前に「怒れるポピュリズム」爆発を恐れて
ウォール・ストリート・ジャーナル 11月25日(金)15時34分配信
犯罪歴や個人破産歴を調べ、運動の信用失堕をねらえ
「『敵対陣営調査』について――。『ウォール街を占拠せよ(OWS)』デモの後援者の身元をつかみ、その動機が、政敵(民主党)同様の冷笑的なものであることを示せれば、OWSの信用は大いに傷つく。運動の指導者たちの犯罪・租税情報、訴訟・個人破産歴などの調査を提案する。しめて85万ドル(約6550万円)なり」
先日、ワシントンDCの有力ロビー会社、クラーク・ライトル・ゲダルディグ・アンド・クランフォード(CLGC)が、クライアントの米国銀行協会(ABA)に、上記の内容を含む反OWSロビー計画案を送ったことが判明した。
「提案――『ウォール街を占拠せよ』への対応」と題された文書は、11月24日付だが、19日、米メディアのスクープで、ABAがすでに文書を受け取ったことが明らかになった。15日未明には、ニューヨーク市警(NYPD)が、デモの拠点であるズコッティ公園からテントを撤去するなど、運動への締め付け強化が目立つ。
15日午前2時過ぎ、筆者も現場に駆けつけたが、周辺道路は閉鎖され、地下鉄も運休。記者や議員も含めた200人が逮捕され、青い蛍光色で「NYPD」と車体に大書きされた大型バスが、何台も目の前を走り抜けた。運動開始2カ月目の17日には、大規模デモが行われ、デモ隊と警官の間で流血事件も発生している。
上記文書について、ABAの広報担当者は、一方的に送りつけられたものであり、採用するつもりはないと米メディアに語った。だが、当局の対応強化に加え、米金融界寄りとされる有名ロビー会社がこうした提案をしたことで、長期化し、拡大するデモ活動に危機感を募らせる権力層が増えていることが分かる。
文書によれば、民主党の主要ストラテジストは、OWS支援が大統領選のメリットとなる可能性を検討し始めているという。つまり、ウォール街にとって、デモは単なる「短期間の政治的不快感」にとどまらず、金融機関に長期的な政治・財政上の影響を及ぼしかねないというのだ。
ボーナス報道が「怒れるポピュリズム」に火をつける
CLGCが反OWS対策を急ぐ背景には、24日の感謝祭を境にホリデーシーズンに突入し、メディアが銀行幹部の高額ボーナスを報道し始めることで、OWSと茶会党に共通する「怒れるポピュリズム」が爆発しかねないという事情がある。
そうした懸念には根拠がある。幹部報酬の調査会社、米エクイラーによれば、昨年、S&P500指数の大企業の最高経営責任者(CEO)のボーナスは、前年比で43.3%アップしており、中央値は215万ドル(約1億6600万円)に達した。10年にボーナスを受け取ったCEOは、09年の73.6%から85.1%へと増えている。
かたや庶民の所得は1年前と変わらず、伸び悩む収入に追い打ちをかけるかのように、感謝祭のメインディッシュであるターキー(七面鳥)は、昨年より13%値上がりした。米世論調査会社ギャラップによれば、食費に事欠く世帯の割合は、ここにきて、また増え始めており、米国版おせち料理を家族で囲む余裕すらない家庭も多い。
11月に発表された国勢調査によれば、昨年、連邦政府のフードスタンプ(低所得者層向けの食料配給カード)を受給していた家庭は約1360万世帯に達し、前年比で16.2%増えている。全米45州で受給者が増加しており、ニューヨーク州では、10年の時点で、約10万件を記録。前年比約12%増となった。連邦政府の緊縮財政の影響で受給資格を得られない人も多く、地元の慈善団体は、年末にかけて、対応に四苦八苦だ。
こうした背景には、米国の貧困度が、公式に発表されている数字よりも、はるかに深刻だという現実がある。今月、米国勢調査局は、時代遅れと批判されてきた貧困測定方法を改め、より実態に即した可処分所得の算出法の採用に踏み切った。それに基づけば、全米で1億人が、貧困か「貧困予備軍」になる計算だ。
9月に発表された10年の公式貧困率は15.1%であり、連邦政府が定める貧困ライン(4人家族で所得が2万2314ドル)以下の生活を送っていた人は約4620万人。1959年の統計開始以来、最多だが、新基準に照らせば、米国民3人に1人が、貧困か、貧困に近いことになる。
米国では、25日のブラックフライデーとともに、小売業界が年間最大の「黒字」に転ずる年末商戦の火ぶたが切って落とされる。先日、全米小売業協会は、今年の年末商戦の売上高増加率が、10年(前年比5.2%増)に比べ、わずか2.8%の増加にとどまる見込みだと発表したが、庶民の台所事情を考えれば、うなずける。
11月16日に発表されたスタンフォード大学による報告書「世帯間収入格差の拡大(1970~2007年)」によると、70年に全米世帯の65%を占めていた中流層は、07年には44%にまで落ち込んだ。以前は各15%だった富裕層と貧困層が、それぞれ2倍に膨れ上がったわけである。翻ってトップ1%は、1979~2007年にかけて、約280%の収入大幅増を享受している。
それでも「1%」は変わらない
こうした数々の「現実」を突きつけられれば、さしもの「1%」層も社会不安への危機感を募らせ、チェンジを図るかと思いきや、その気配は、かけらも見えない。「1%対99%」論の生みの親であるジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授が「1%」層と呼ぶワシントンの政治家たちは、特にそうだ。
21日、超党派の米議会特別委員会は、財政赤字削減策協議の期限である23日を前に、交渉決裂を宣言した。富裕層増税を拒む共和党と公的医療費の削減などに反対する民主党が真っ向から対立しているためだ。決裂により、給与減税と失業保険の延長が、12年以降、更新されない事態になれば、「財政による景気押し下げ効果は3500億ドル(国内総生産<GDP>の2.3%に相当)に上り、来年、米経済は、景気の二番底に陥る」と、ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、米メディアに警告している。
また、国際政治リスク分析で有名な米政治経済学者のイアン・ブレマー氏(ニューヨークのコンサルティング会社、ユーラシア・グループ代表)は、米誌『フォーリン・ポリシー』(10月10日付電子版)のインタビューで、OWSについて、以下のような趣旨の発言をしている。
「米国は、失業で飢えるエジプトとは違う。依然として政治への無関心は大きい。(9月の失業率)9.1%という数字は非常に高率であり、国内には、激しい怒りが渦巻いている。とはいえ、それも、米政府の許容範囲内のように思える。真にこの問題に対処しようという緊急性はみえない」
つまり、この程度のデモでは、「1%」の富裕層がプレッシャーに駆られ、スタンスの変更を迫られることなどない、というわけだ。なにをかいわんや、である。
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肥田美佐子 (ひだ・みさこ) フリージャーナリスト
東京生まれ。『ニューズウィーク日本版』の編集などを経て、1997年渡米。ニューヨークの米系広告代理店やケーブルテレビネットワーク・制作会社などにエディター、シニアエディターとして勤務後、フリーに。2007年、国際労働機関国際研修所(ITC-ILO)の報道機関向け研修・コンペ(イタリア・トリノ)に参加。日本の過労死問題の英文報道記事で同機関第1回メディア賞を受賞。2008年6月、ジュネーブでの授賞式、およびILO年次総会に招聘される。2009年10月、ペンシルベニア大学ウォートン校(経営大学院)のビジネスジャーナリスト向け研修を修了。『週刊エコノミスト』 『週刊東洋経済』 『プレジデント』 『AERA』 『サンデー毎日』 『ニューズウィーク日本版』 『週刊ダイヤモンド』などに寄稿。日本語の著書(ルポ)や英文記事の執筆、経済関連書籍の翻訳も手がけるかたわら、日米での講演も行う。共訳書に『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』『窒息するオフィス――仕事に強迫されるアメリカ人』など。マンハッタン在住。 http://www.misakohida.com
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第二次団塊の世代が死滅するまでこの状況は解消されることはないと見るのが常識というものだが、ここでも一列横並びのメディアはこれを直視し解析しようとなどはしないで、ひたすら「お馬鹿さん番組」ばかり放映し続けている。
まるで「あとは野となれ山となれ♪」の大合唱である。
若い世代は子供を生み育てることに少なからぬ不安を感じ、結婚することさえ消極的になっている。
2.若い労働力が国内に希薄であるなら、外国から来て貰うしかないのだが、小宮山糞婆アの厚生労働省などは極めて排他的・人種差別的排外主義を推進している。
日本民族などは元々が南方系と大陸系の雑種であるから「民族の純潔」などは最初から有り得ない話であるが、スーパー・コンビニのレジや工場のラインなどに外国人・日系人を使うことはあっても、病院のインターンなど少しでも「知的」な職業には極めて不当な障壁を「国家試験」として設けて、ガイジンを排除しているのである。
我々普通の日本人でさえ読めないような漢字を正確に読解出来ないと国家試験は通らない。英語が堪能であっても駄目だ。幾ら医療に詳しく日本語ペラペラで、日本で働くことを熱望していても駄目なのである。
3.今は崩壊したソ連は「失敗した管理社会」である。隣組の相互監視、密告制度などが外から丸見えでは成功とは言えないのである。「管理」が外にも内にも見えない、わかりずらいのが成功した「管理社会」である。欧米や日本など、自称先進諸国は一応管理が成功した社会と言っていいだろう。(但し「一応」である。)みんな一応「自由」を信用しているからである。
4.「政治の幅よりも生活の幅の方が広い」と言ったのは吉本隆明である。
これを言い換えるならば、「刑罰(処罰)の幅より犯罪の幅の方が広い」と言えるのかも知れない。
但し犯罪は作られるものである。
仮に私が或る日街のどこかで強盗とか殺人とかを目撃し大騒ぎしたところで、それだけでは犯罪でも何でもない。官憲(ポリス)にまでその事実が伝達され、司直(警察ー検察)の手によって立件され、更には法廷で裁判所が「有罪」判決を下して初めて、私の目撃した事件は社会的に犯罪と認定されるのである。
大阪地検特捜部の前田(元)検事は「事件を作った」がそれは虚偽の証拠を捏造した上での犯罪だったため、彼は今服役中である。大阪地検特捜部というのも制度の一つである。
5.制度の問題。
「敵は制度、味方はすべての人間」(埴谷 雄高)というが、現実の我々は逆に、全ての他人を敵とし、諸制度のみを味方として自分有利に運用~適用させて生きながらえているかの如くである。
蟻や蜂が巨大な楼閣を築く。彼らの楼閣も我々人類の巨大都市もシステム(制度)である。報道もシステムの一つである。
制度に上位~下位の別はあるのだろうか。ここでは一応諸制度を統御する上部機関としての「国家」という制度を仮定しておく。
制度は法(規律)によって定められ、生身の人間によって運用される。法を定めるのもその時々の人間の恣意に拠るのである。
諸制度を生み出す力、編成する力は人間のどこに由来するのだろうか。本性にか、自然力にか。
世間には凡そ高邁な思想、考え抜かれた考察などとは無縁の、たまたま偶然の『ものの弾み』で出来てしまった『制度』というものが少なからずある。
日本の、例えば警察(ポリス)制度などは明治維新の際江戸期の諸制度と欧米諸国から直輸入のポリス制度がランダムに継接ぎされたものであるから簡単に分別~分析されることは困難である。
上部機関によって統御可能な制度と、自動発動されるだけの制度。
6.ASPAC(+3)、APEC、そして今回のTPPもまた経済的諸制度の一部に過ぎない。
そこには次々と経済的諸制度の箍(タガ)をアジア諸国に被せて世界の盟主たり続けようと必死に腐心するアメリカがある。
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【TPPの真実】
TPPの黒幕 経産省女性官僚がやったコト
【政治・経済】
2011年11月21日 『日刊ゲンダイ』掲載
国を売るのか!
<慎重派が呼んで吊るし上げ>
マイクを握り、身ぶり手ぶりで説明する女性官僚。彼女こそ、いま、TPPの黒幕と呼ばれる宗像直子・経済産業省通商機構部長(グローバル経済室室長)である。
なぜ、彼女が黒幕と呼ばれるのか。
日米で言った言わないでモメている野田首相発言、「日本は全ての物品サービスを(TPPの)貿易自由化交渉のテーブルに乗せる」というセリフ。これは経済産業省が事前に用意したペーパーに書かれていて、これを作成したのが宗像なのである。
問題のペーパーはAPECのためにハワイに先乗りした枝野経産相にカーク米通商代表との会談用として渡された。たまたま枝野に密着していたテレビが映したことで、存在がバレた。その後、枝野はカーク通商代表との会談に臨み、あとからハワイ入りした野田首相はオバマ大統領と会談、交渉参加に向けた協議に入ることを表明した。枝野も野田もペーパーに書かれているような発言をしていないと言うが、米国は、野田がこのペーパーに沿ったセリフを表明したと発表。で、宗像は与野党のTPP慎重派から吊るし上げを食らっているのである。
「18日に開かれた民主党の慎重派の勉強会にも呼ばれて、経緯を聞かれていました。宗像氏は首相の会見前に用意した発言要旨だったとし、首相の会見のあと、その趣旨を反映させたものに差し替えなかったため、ペーパーが残ってしまったと言い訳しました。でも、外形的にはTPP参加の旗振り役である経済産業省が極めて前のめりの参加表明文書を作り、それが米国に伝わって、日本の見解として発表されてしまったとしか見えない。それに対して、日本は訂正すらも求めていないのだから、おかしな話です。本当に差し替える気があったのか。経産省が交渉で、そう言わせようとしたのではないか。枝野氏はその通りの発言をしているのではないか。疑惑は尽きないし、“違う”と言うなら、枝野大臣とカーク通商代表との議事録を公表するか、『米側の発表は誤り』と日本から声明を出すべきです。宗像氏本人か、上司か、大臣か。誰かが責任を取らなければ、慎重派も収まらないと思います」(ジャーナリスト・横田一氏)
今回はたまたまTVが映像を撮っていたからよかったものの、それがなければ、交渉の裏で役人が勝手に何をやっているかわかったもんじゃない。そう思うと、ホント、日本の官僚は恐ろしい。
宗像氏は東大法卒、ハーバードでMBAを取得した後、1984年通産省に入省した。通商経済政策局経済協力課、総務課課長補佐などを経て、ブルッキングス研究所やジョージワシントン大で研究をした。新自由主義に染まった役人の身勝手な暴走は許されない。
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ふざけるな!玄葉外相 日帰り訪中に飛行機チャーター代1200万円
【政治・経済】
2011年11月25日 『日刊ゲンダイ』掲載
国民には「増税」大臣は「ムダ遣い」
国民の税金をなんだと思っているのか。玄葉光一郎外相(47)が、バカ高いチャーター機を使って訪中したことに批判が噴出している。
23日日帰りで中国を訪問した玄葉大臣。大新聞テレビは「外相訪中 異例の厚遇」などとヨイショしていたが税金の無駄遣いもいいところだ。飛行機代に1200万円も使っていた。霞が関関係者がこう言う。
「頻繁に外国を訪問する外相が、隣国の中国に行くのにわざわざ飛行機をチャーターするなんて聞いたことがない。定期便を使うのが当然です。チャーター機を使うのは、定期便の飛ばない辺境の国へ行く時か、邦人救出など緊急の時というのが常識ですよ。定期便なら羽田―北京往復は、正規料金でも26万円。1200万円もかけるなんて異常ですよ。贅沢すぎる。民主党は『財政が破綻する』と国民に増税を強いているのに、大臣が無駄遣いしているのだからメチャクチャです」
さすがに外務官僚もチャーター機を使うことに難色を示したらしいが、玄葉大臣のたっての希望だったという。そもそも、この時期に訪中する必要があったのかどうか。つい最近、野田首相がAPECで胡錦濤主席と会ったばかりだし、12月の訪中も決まっている。
「政経塾出身の玄葉大臣は、エリート意識が強いナルシシスト。外相になったらチャーター機くらい当たり前と思っているのでしょう。やっかいなのは、政経塾の同期で、同じ当選6回の前原誠司(49)に強いライバル意識を持っていることです。前原政調会長が外交に口を挟むと反発して暴走しかねない。チャーター機を使って訪中したのも、存在感を誇示したかったのでしょう」(民主党事情通)
なぜ、チャーター機を使ったのか外務省に問い合わせたが、締め切りまでに回答がなかった。
しかし、民主党にはこんな大臣しかいないのか。国民に負担増を求めておいて無駄遣いなんて許されない。
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【肥田美佐子のNYリポート】反ウォール街デモ・ロビー案発覚―賞与シーズンを前に「怒れるポピュリズム」爆発を恐れて
ウォール・ストリート・ジャーナル 11月25日(金)15時34分配信
犯罪歴や個人破産歴を調べ、運動の信用失堕をねらえ
「『敵対陣営調査』について――。『ウォール街を占拠せよ(OWS)』デモの後援者の身元をつかみ、その動機が、政敵(民主党)同様の冷笑的なものであることを示せれば、OWSの信用は大いに傷つく。運動の指導者たちの犯罪・租税情報、訴訟・個人破産歴などの調査を提案する。しめて85万ドル(約6550万円)なり」
先日、ワシントンDCの有力ロビー会社、クラーク・ライトル・ゲダルディグ・アンド・クランフォード(CLGC)が、クライアントの米国銀行協会(ABA)に、上記の内容を含む反OWSロビー計画案を送ったことが判明した。
「提案――『ウォール街を占拠せよ』への対応」と題された文書は、11月24日付だが、19日、米メディアのスクープで、ABAがすでに文書を受け取ったことが明らかになった。15日未明には、ニューヨーク市警(NYPD)が、デモの拠点であるズコッティ公園からテントを撤去するなど、運動への締め付け強化が目立つ。
15日午前2時過ぎ、筆者も現場に駆けつけたが、周辺道路は閉鎖され、地下鉄も運休。記者や議員も含めた200人が逮捕され、青い蛍光色で「NYPD」と車体に大書きされた大型バスが、何台も目の前を走り抜けた。運動開始2カ月目の17日には、大規模デモが行われ、デモ隊と警官の間で流血事件も発生している。
上記文書について、ABAの広報担当者は、一方的に送りつけられたものであり、採用するつもりはないと米メディアに語った。だが、当局の対応強化に加え、米金融界寄りとされる有名ロビー会社がこうした提案をしたことで、長期化し、拡大するデモ活動に危機感を募らせる権力層が増えていることが分かる。
文書によれば、民主党の主要ストラテジストは、OWS支援が大統領選のメリットとなる可能性を検討し始めているという。つまり、ウォール街にとって、デモは単なる「短期間の政治的不快感」にとどまらず、金融機関に長期的な政治・財政上の影響を及ぼしかねないというのだ。
ボーナス報道が「怒れるポピュリズム」に火をつける
CLGCが反OWS対策を急ぐ背景には、24日の感謝祭を境にホリデーシーズンに突入し、メディアが銀行幹部の高額ボーナスを報道し始めることで、OWSと茶会党に共通する「怒れるポピュリズム」が爆発しかねないという事情がある。
そうした懸念には根拠がある。幹部報酬の調査会社、米エクイラーによれば、昨年、S&P500指数の大企業の最高経営責任者(CEO)のボーナスは、前年比で43.3%アップしており、中央値は215万ドル(約1億6600万円)に達した。10年にボーナスを受け取ったCEOは、09年の73.6%から85.1%へと増えている。
かたや庶民の所得は1年前と変わらず、伸び悩む収入に追い打ちをかけるかのように、感謝祭のメインディッシュであるターキー(七面鳥)は、昨年より13%値上がりした。米世論調査会社ギャラップによれば、食費に事欠く世帯の割合は、ここにきて、また増え始めており、米国版おせち料理を家族で囲む余裕すらない家庭も多い。
11月に発表された国勢調査によれば、昨年、連邦政府のフードスタンプ(低所得者層向けの食料配給カード)を受給していた家庭は約1360万世帯に達し、前年比で16.2%増えている。全米45州で受給者が増加しており、ニューヨーク州では、10年の時点で、約10万件を記録。前年比約12%増となった。連邦政府の緊縮財政の影響で受給資格を得られない人も多く、地元の慈善団体は、年末にかけて、対応に四苦八苦だ。
こうした背景には、米国の貧困度が、公式に発表されている数字よりも、はるかに深刻だという現実がある。今月、米国勢調査局は、時代遅れと批判されてきた貧困測定方法を改め、より実態に即した可処分所得の算出法の採用に踏み切った。それに基づけば、全米で1億人が、貧困か「貧困予備軍」になる計算だ。
9月に発表された10年の公式貧困率は15.1%であり、連邦政府が定める貧困ライン(4人家族で所得が2万2314ドル)以下の生活を送っていた人は約4620万人。1959年の統計開始以来、最多だが、新基準に照らせば、米国民3人に1人が、貧困か、貧困に近いことになる。
米国では、25日のブラックフライデーとともに、小売業界が年間最大の「黒字」に転ずる年末商戦の火ぶたが切って落とされる。先日、全米小売業協会は、今年の年末商戦の売上高増加率が、10年(前年比5.2%増)に比べ、わずか2.8%の増加にとどまる見込みだと発表したが、庶民の台所事情を考えれば、うなずける。
11月16日に発表されたスタンフォード大学による報告書「世帯間収入格差の拡大(1970~2007年)」によると、70年に全米世帯の65%を占めていた中流層は、07年には44%にまで落ち込んだ。以前は各15%だった富裕層と貧困層が、それぞれ2倍に膨れ上がったわけである。翻ってトップ1%は、1979~2007年にかけて、約280%の収入大幅増を享受している。
それでも「1%」は変わらない
こうした数々の「現実」を突きつけられれば、さしもの「1%」層も社会不安への危機感を募らせ、チェンジを図るかと思いきや、その気配は、かけらも見えない。「1%対99%」論の生みの親であるジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授が「1%」層と呼ぶワシントンの政治家たちは、特にそうだ。
21日、超党派の米議会特別委員会は、財政赤字削減策協議の期限である23日を前に、交渉決裂を宣言した。富裕層増税を拒む共和党と公的医療費の削減などに反対する民主党が真っ向から対立しているためだ。決裂により、給与減税と失業保険の延長が、12年以降、更新されない事態になれば、「財政による景気押し下げ効果は3500億ドル(国内総生産<GDP>の2.3%に相当)に上り、来年、米経済は、景気の二番底に陥る」と、ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、米メディアに警告している。
また、国際政治リスク分析で有名な米政治経済学者のイアン・ブレマー氏(ニューヨークのコンサルティング会社、ユーラシア・グループ代表)は、米誌『フォーリン・ポリシー』(10月10日付電子版)のインタビューで、OWSについて、以下のような趣旨の発言をしている。
「米国は、失業で飢えるエジプトとは違う。依然として政治への無関心は大きい。(9月の失業率)9.1%という数字は非常に高率であり、国内には、激しい怒りが渦巻いている。とはいえ、それも、米政府の許容範囲内のように思える。真にこの問題に対処しようという緊急性はみえない」
つまり、この程度のデモでは、「1%」の富裕層がプレッシャーに駆られ、スタンスの変更を迫られることなどない、というわけだ。なにをかいわんや、である。
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肥田美佐子 (ひだ・みさこ) フリージャーナリスト
東京生まれ。『ニューズウィーク日本版』の編集などを経て、1997年渡米。ニューヨークの米系広告代理店やケーブルテレビネットワーク・制作会社などにエディター、シニアエディターとして勤務後、フリーに。2007年、国際労働機関国際研修所(ITC-ILO)の報道機関向け研修・コンペ(イタリア・トリノ)に参加。日本の過労死問題の英文報道記事で同機関第1回メディア賞を受賞。2008年6月、ジュネーブでの授賞式、およびILO年次総会に招聘される。2009年10月、ペンシルベニア大学ウォートン校(経営大学院)のビジネスジャーナリスト向け研修を修了。『週刊エコノミスト』 『週刊東洋経済』 『プレジデント』 『AERA』 『サンデー毎日』 『ニューズウィーク日本版』 『週刊ダイヤモンド』などに寄稿。日本語の著書(ルポ)や英文記事の執筆、経済関連書籍の翻訳も手がけるかたわら、日米での講演も行う。共訳書に『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』『窒息するオフィス――仕事に強迫されるアメリカ人』など。マンハッタン在住。 http://www.misakohida.com
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