伊予鉄グループとJR西日本は、2024年3月から松山市内を走る路面電車(地元では「市内電車」と呼ばれています)および松山空港と市街地を結ぶリムジンバスにICOCAなど全国交通系ICカードを導入すると発表しました。
https://www.iyotetsu.co.jp/topics/press/2023/1027_grbc.pdf
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231027_00_press_iyotetsu.pdf
伊予鉄グループは松山市内で「市内電車」「空港リムジンバス」のほか「郊外電車」(松山市中心部と郊外を結ぶ電車路線)や一般路線バスを運行しており、独自の交通系ICカード「ICい〜カード」を導入していますが、
https://www.iyotetsu.co.jp/rosen/
https://www.iyotetsu.co.jp/e-card/
「ICい〜カード」はICOCAやSuicaなどとはICカード自体の規格が異なり、システムを全面的に置き換えない限り全国相互利用対象交通系ICカードを利用可能にすることはできず、遠来の客には不便な状態が続いていました。さすがに四国最大の都市でこの状態が続くのは問題と会社側は考えたようで、遠来の客が利用しそうな市内電車と空港リムジンバスのみ、「ICい〜カード」用とは別にICOCA用のICカード処理機を設置することにより対応することになりました。同社の社長は「システム投資や毎年のランニングコストなど負担は大きいが、利便性向上のために導入を決めた」とコメントしているそうです。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1542667.html
ちなみに、同様のケースは既に存在します。
2021/9/11付ブログ記事「富山の路面電車でICOCAやSuicaなどが使用可能に・・・鉄道線やバスではお預け」で書いたように、2021/10/10から富山市内の路面電車が全国相互利用対象交通系ICカード対応になっていますが、これは路面電車の車両に従来からの独自ICカード「えこまいか」「パスカ」とは別にICOCA用のICカード処理機を取り付けて対応したもので、
https://www.chitetsu.co.jp/?p=58195
路面電車と同じ富山地方鉄道が運営する郊外電車や路線バスでは引き続き「えこまいか」「パスカ」のみの対応です。