その4の続きです。
1997年現在の昭文社の奈良県都市地図には、大和高田バイパスの断絶区間全体の計画ルートが掲載されています。ちなみに、2004年に開通した南阪奈道路は側道の一部を除き計画ルートとしては描写されていません。
計画図に沿って、何とか予定区間をトレースしようと小道を歩き回りました。すると、いくつか建物を壊した跡が見つかりました。
1か所だけ、具体的に国道建設用地を示す看板が設置されている場所がありました。看板はやや年季が入っており、かなり早い段階で買収にこぎつけた用地かも。
写真にところどころフェンスが映り込んでいますが、買収済み用地を示しているものと思われます。
こちらはフェンスはありませんが、地面にピンクリボン付きの簡易な杭が突き刺されており、斜めに伸びる黒いシートとともに用地買収の境界を示しているようです。
フェンスに囲われた買収済み用地は、ため池(峯阪池)に突き当たります。バイパスの計画ルートはここから池を跨ぎ、當麻スポーツセンターの東側に至ります。
當麻スポーツセンターの北東側には、農薬などを扱う「阿古薬品株式会社」があります。以前存在した公式サイトは消滅しましたが、フェイスブックページが生きています(2016年3月以来更新はありませんが)
現地付近のストリートビュー (2018年12月現在の画像ですが、2022年11月現在も変わりません)
現在の経営者は3代目で、別会社(本社所在地は同社と同じ)を設立してカンボジアに進出するなど積極的に事業を行っています。
https://next-innovation.go.jp/renovator/presspost/interview20180223/
ただ、この会社の敷地の大部分はバイパス予定地と重なっており、やがて立ち退きを余儀なくされることになります。そして、この会社の2代目は、Wikipediaによれば現職の葛城市長(阿古和彦氏・・・2016年から市長を務める)です。
ここから北、葛城市役所當麻支所西側から當麻寺交差点の間は、若干の空き地は点在するものの、明らかに用地買収済みと思われる土地は探し当てられませんでした。
(おわり)