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瀬戸内のアートの島・犬島への航路が今後減便の可能性

中国運輸局は、2023/10/17付で犬島航路(岡山市東区にある離島の犬島<GoogleMapはこちら>と、本土側の朝日漁港<別名宝伝港>を結ぶ航路)に関する指定区間サービス基準改正を公示し、2023/11/1から施行されました。

https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000303889.pdf

これまでは「毎日5往復運航」だったのが、「1週間のうち5日間(年末年始を除く)に3往復運航」に変更されています。1便あたりの定員数は26名で変わりません。

この指定区間サービス基準とは、主に船以外に交通手段がない離島について、島民が日常生活・社会生活を営むために最低限必要な船の輸送力(1日の運航便数、1便あたりの定員、フェリーの場合はこれに加え1便あたり積載可能な車両数)を定めたものであり、これを下回る運航計画を立てることはできません。

http://www.lawschool.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/02/gyouseihou23_a.pdf

犬島航路の場合は、このブログ記事を書いている時点の運航事業者のX(旧twitter)によれば「1日8往復、うち最終の1往復は日曜日運休・15時台の1往復は犬島精錬所美術館開館日のみ運航」となっており、

https://twitter.com/inujima_hoden

改正前の指定区間サービス基準を満たしています。ただ、今後は「1週間のうち2日は全便欠航でも構わず、残る5日も3往復のみ運航でも構わない」わけですね。

中国運輸局は事前にパブリックコメントを募集しましたが、意見はなかったそうです。

https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000234334.pdf

さて、犬島にはベネッセグループによるアートプロジェクト(犬島精錬所美術館家プロジェクトなど)があり、現代アート愛好家が多数訪れ、特に3年ごとの(次は2025年)瀬戸内国際芸術祭の会期中は賑わいます。ただ、住民は年々減少し40人程度にまで減っており、美術館の休館日は(無料で鑑賞可能な作品もあるにはありますが)乗船客は相当少ないものと思われます。運航事業者は個人事業主であり(「あけぼの丸」は就航している船の名前)、運航に携わる要員面でも相当厳しいものと推測されます。

そして、上記で参照した公式サイトにあるように、犬島の各アートプロジェクトの休館日は

 3月1日~11月30日の間=火曜日-木曜日(祝日は開館)

 12月1日~2月末日の間=全日

となっています。つまり、12月~2月の間は数少ない住民のために「平日のみ1日3往復」となる可能性がありますが、果たして・・・

せっかくなので、瀬戸芸開幕直後の2022/4/18に「あけぼの丸」に乗船したときの様子を紹介しておきます。

犬島港側の様子。

宝伝港側の様子。船は2隻あります(1隻は予備)。島民には優先証が発行されており、アート鑑賞客が殺到しても優先的に乗船可能です。

なお、犬島へのアクセス手段としては他に同じくベネッセのアートプロジェクトの対象である直島・豊島とを結ぶ高速船航路もありますが、犬島精錬所美術館の休館日には犬島には寄港しません。

https://www.shikokukisen.com/instant/#route04

ちなみに、宝伝港付近を走る路線バスは、2022/4/6付ブログ記事「両備バスが、ハンセン病療養所・アートの島へのアクセス路線から撤退」で書いたように前回2022年の瀬戸内国際芸術祭の開幕直前の2022/3/31限り廃止となっており、2023年時点では犬島精錬所美術館の開館日限定で東区西大寺から臨時バスが1往復運行されるのみです・・・2022年まで存在した岡山駅からの直行臨時バスは消滅

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