2023/10/20付ブログ記事「新潟山形南部連絡道路の鷹ノ巣道路区間、事業化25年後も部分開通のメドさえなし」の続報です。
2024/12/11に開催された「令和6年度第2回北陸地方整備局事業評価監視委員会」で、鷹ノ巣道路区間が3年ぶりに評価対象となりました。
https://www.hrr.mlit.go.jp/johokokai/hyouka/hyouka01/r06/r06_2/shiryo/03.pdf
早期完成を目指す部分開通区間のメインとなる1号トンネルですが、坑口付近において2022年夏に現地を襲った豪雨(JR米坂線にも大きな被害をもたらしました)により大きな被害を受けていることが初めて公表されました。
・1号トンネルの抗口部法面において湧水及び法面変状が発生。
・多量の地下水が湧出し、既存の水抜きパイプが破損。周辺の法面からは、120~150ℓ/minの地下水が湧出したと想定。
・追加地質調査を実施した結果、崩落箇所周辺の地山で当初設計で想定していない崖錐堆積物層(dt層)が確認された。dt層は透水性が高く、大雨で地下水位が上がった際に間隙水圧が増大したことで不安定になり、崩壊に至ったと想定される。
・上記を踏まえ、崩落箇所周辺の不安定な法面(dt層)に対し、法枠工等の対策を実施した。
とあります。これにより、事業費が4億円増となっています。
また、本格的な工事に着手してそれほど経っていない1号トンネル本体についても問題が発生しています。掘削済みの区間において脆弱な凝灰岩が要因で沈下が発生しており、未掘削区間でも同様の凝灰岩主体の地質が想定されるとみて沈下対策工を追加する必要性が生じました。これにより事業費が30億円増となっています。
この2つの問題により、総事業費は14%増の284億円となり、事業期間も33年から38年に延びています・・・ 工事着手が2001年なので、完成は2039年!
ちなみに、この再評価については「乗りものニュース」でも2024/12/17付で取り上げられていますが、
https://trafficnews.jp/post/136740
上記2つの問題は完全に端折られています。復旧のめどが立たない米坂線をテーマにするのであれば、(上記ブログ記事で触れたように)2021年時点でJR東日本から米坂線との交差部の工法変更を要求され工事費が30億円増になったことに触れてほしかったのですけど、ここまでの力量を持ったライターはおられないのでしょう。