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九州のミッシングリンクはいつ解消?

九州地方整備局から発表された「防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラム」の内容は以下の通りです。

http://www.qsr.mlit.go.jp/site_files/file/n-kisyahappyou/r3/21042702.pdf

各所にある「ミッシングリンク」(幹線道路のネットワークの欠落部)の解消に向けての動きをピックアップして紹介します。

1.大分~阿蘇~熊本間

 中九州の県庁所在地を結ぶにもかかわらず、この区間にはそもそも高速道路の計画がなく、高規格幹線道路としての「中九州横断道路」が1994年に計画指定されたものの、大分県側および阿蘇の外輪山東側を越える区間では着実に整備が進んでいる(犬飼IC~竹田IC間が開通済、竹田IC~阿蘇市一の宮町間は事業中)のに対し、阿蘇~熊本間は長らく事業着手に至っていませんでした。そもそも、開通区間にもナンバリングはなされていません(本来はE57となるはず)。

 しかし、2016年の熊本地震で阿蘇の外輪山西側を越える区間が壊滅的な被害を受け、その復旧を名目に長らく事業休止中だった阿蘇大津道路のトンネル区間が「国道57号北側復旧道路」として急ピッチで工事が進められ、2020年10月に開通したのはこのブログの最初の記事にある通りです。そして、熊本市街地に近い大津熊本道路区間が2021年度からようやく地元設計協議に着手します。

 ただ、残る区間(阿蘇のカルデラ内、国道57号北側復旧道路と大津町中心部間)は、相変わらず事業着手には至っていません。

2.熊本~天草間

 天草地域と熊本市を結ぶ地域高規格道路「熊本天草幹線道路」は、天草島内では着実に整備が進み、天草と九州本土を結ぶ天城橋も2018年12月に開通しましたが、本土区間は未整備のままで、特に天城橋に取りつく三角地区では、宇土半島の北側を通る国道57号は三角西港付近で、そして宇土半島の南側を通る国道266号は三角東港付近で急カーブが介在します。

 それを回避する手段として宇土三角道路が計画され、2021年度にようやく新規事業化されました。ただ、それが全線開通したとしても、九州自動車道と接続したり熊本市街地まで高規格幹線道路だけで行けるようにはなりません。

3.八代~水俣~出水~薩摩川内間

 八代以南で山間を通る九州自動車道は長大トンネルがあるため危険物積載車両の通行ができず、熊本~鹿児島間で危険物を運ぶためには海岸沿いの水俣・出水を回るしかありません。

 海岸沿いの経路は専ら一般道の国道3号であり、高規格幹線道路「南九州西回り自動車道」の整備が進んでいるものの、2021年度初め時点では以下の2区間が事業中で、未だ開通見込みは公表されていません。

 ・熊本県芦北町~水俣市~鹿児島県出水市間(芦北出水道路として事業中)

 ・阿久根市~薩摩川内市北部間(阿久根川内道路として事業中)

 

 

 

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