四国地方整備局から発表された「防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラム」の内容は以下の通りです。
http://www.skr.mlit.go.jp/pres/new/i3335/210427-1.pdf
各所にある「ミッシングリンク」(幹線道路のネットワークの欠落部)の解消に向けての動きをピックアップして紹介します。
1.今治~松山間
しまなみ海道がつながったのは1999年5月1日(ちょうど22年前)ですが、この時点では一部島内に一般道区間が残り、これらの開通で全区間高規格幹線道路になったのは2006年4月29日です。
それから15年経ちますが、今治と松山自動車道を結ぶ区間<今治小松自動車道>のうち今治市内区間約10kmは、ルート決定の遅れや反対運動から未だ開通の見通しが立っていません。今回の公表資料でも「調査設計、用地買収、改良工、橋梁上下部工推進」とあるだけです。
他の今治~松山間の経路は、海沿いの国道196号、そして山越えの国道317号がありますが、いずれも幹線道路としては十分な整備状況には至っておらず、特に大型車にとっては不便な状況が当分続きます。
2.徳島~阿南~海部~安芸~高知間
徳島~阿南間については以前このブログで紹介した通り工事が具体化しており、海部の南・高知県東洋町野根と奈半利町を山越えで直結する(室戸市を回らずに済む)国道493号北川道路も着実に工事が進められていますが、他の着手済み区間ともども開通時期を明らかにするまでには至っていません。
そして、以下の区間はまだ調査中の段階です。
・徳島県美波町日和佐~牟岐町間
・高知県奈半利町~安芸市間
とくに後者は、現在の幹線道路たる国道55号が海沿いを走り、南海トラフ地震の津波にはひとたまりもないわけですが、人口まばらな故に後回しなんでしょう。
3.窪川~中村~宿毛~宇和島間
中村~宿毛間については開通済みですが、他の大半は工事中(開通時期は未公表)で、県境を挟む宿毛市~愛媛県愛南町間はまだ調査段階です。
4.松山~久万高原町~高知間(国道33号の並行ルート)
かつて国道33号には鉄道ネットワークを補完する国鉄~JRの急行バス「なんごく号」が1日10往復以上運行されていましたが、高知自動車道の山越え区間の開通により多少遠回りでもこちらを経由したほうが所要時間が短くなるため、2002年に廃止されました。
ただ国道33号の国土交通省直轄の幹線道路としての役割は変わらず、並行する高規格幹線道路「高知松山自動車道」の計画は立案されていますが、開通したのはもともとネックだった三坂峠(松山市と久万高原町の間にある厳しい山越え)区間など僅かで、工事中の区間も高知県いの町~越知町のみ、大半はまだ調査段階です。