瀬戸内国際芸術祭2022の開幕が間近となり、公式サイトの「船でのアクセス」に会期中限定の臨時航路が反映されました。
https://setouchi-artfest.jp/access/
ただ、経営不振をきっかけに2021年3月限り休止となった(2021/4/1付ブログ「高松~小豆島のフェリー航路が1つなくなりました」参照)高松~草壁航路の復活はないようです。
そして、臨時航路のうち、小豆島の坂手港で神戸からのジャンボフェリーと接続する 「高松~小豆島(坂手) ~小豆島(土庄東) ~直島(本村)~男木島」高速船の航路(直島ライン)は、開幕時点では「港改修中のため、寄港しない。改修工事期間中、坂手港~土庄東間の代替バスを運行」と但し書きがついています。
直島ラインの公式サイト(https://naoshima-line.com/)でも同様の記載がありますが、「いつまで坂手港の桟橋の工事が続くのか」は明記されていません。
ジャンボフェリーからの乗り継ぎは坂手~土庄東間の無料送迎バスを介してとなり、直島や男木島に到着する時間は所定と変わらないものの、1回余計に乗り継ぎが必要となります。また、坂手港付近にもいくつかの作品がありますが、高松からの直接アクセスがやや不便になります(ジャンボフェリーは通常通り港を利用可能)。
その背景ですが、小豆島町のサイトで公開されている小豆島町議会・令和3年第3回臨時会会議録に記載されていました。
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坂手港浮き桟橋の長寿命化に向けて設計を進めておりましたが、浮き桟橋の老朽化が想定よりも著しく、整備計画の方針転換を余儀なくされる中で、豊島の家浦港にある県管理の2号浮き桟橋が更新により不要となる情報を入手し、県との協議の結果、坂手港への流用が可能となりました。このため、流用する浮き桟橋の上屋補修をはじめ、アンカーブロックの据付け、渡橋の設置事業等を実施するに当たり、過疎対策事業債を1,650万円増額し、限度額を3,090万円に変更するものでございます。
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・家浦港の県営の浮き桟橋は新造船が就航するということで、今の既設の浮き桟橋が使えないと。大きくしなければならないということで、今年度県のほうが製作を行って、今年度末に据付けをするということで、今の既設の浮き桟橋は撤去しなければならないということでございます。今の家浦の浮き桟橋が何年に建造されたかということは、平成8年に建造されたものですので、十分使用に耐えられるものだと思っております。
・当初は3,600万円の予算で既設の鋼製の浮き桟橋、これの防舷材を新たに直すというふうに予算計上させてもらっておりました。委託で調査等を行いまして、鋼製の板の厚さ、鉄板の厚さ、これが非常に腐食が進んでおりまして、通常の設計値よりも半分以下というところもあったということで、補修もかけて延命さすという手はあるんですけれども、じゃあ何年もつんだという話になりますので、これを撤去して県の浮き桟橋の施設、これを譲受けして据付けするという判断に至りました。既に坂手港既設の浮き桟橋はもう撤去しております。高松へ持っていって処分する段取りで、もうのけております。固定桟橋、連絡橋、これも現場ではもう撤去しております。
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豊島も瀬戸内国際芸術祭の主要会場で、議事録にある新造船「みらい」は確かに2022年1月17日から宇野~豊島~小豆島土庄航路に就航しています。地元TVニュースの報道でも、「これまでの船より一回り大きくなりましたが」とあります。
https://news.ksb.co.jp/article/14523630
流用できる浮桟橋が比較的近場にあったというのは「不幸中の幸い」ではありますが、果たして夏会期(8月5日から)には間に合うでしょうか?