全国交通ニュースブログ

新車の国産小型ノンステップバスは当分手に入らなさそう・・・

日野自動車のエンジン試験データ不正問題の影響はどんどん広がり、国土交通省の型式指定の取り消しにより同社製エンジンの積んだ車両の国内出荷がほぼできないところまで来ています。再度の型式指定まではかなり時間がかかりそうな雲行きです。

このことは、全国でコミュニティバスを運行するバス会社や自治体にとっては非常に大きな問題なんですね・・・

コミュニティバス用として好まれる小型ノンステップバスを製造している日本メーカーは、10年以上前から日野自動車のみになっています。

「日野・ポンチョ」 https://www.jsae.or.jp/autotech/2-13.php

このバスは自社製のエンジンを積んでいるので当然出荷停止となっており、日野自動車公式サイトのポンチョのページ(https://www.hino.co.jp/poncho/)は「現在お取り扱いがございません。」のメッセージだけになっています。

したがって、国産車にこだわるのであれば、当面はノンステップではない一般的なマイクロバスか、ワゴン車タイプ15人乗りのトヨタハイエースコミューター(2022/9/5付ブログで新名神を疾走すると紹介した車両)か、もっと小さい9人乗りのジャンボタクシークラスしかありません。

 

なお、日野自動車は2021年6月に小型EVバス「日野ポンチョ Z EV」を2022年春に発売予定(実は中国BYD社製のバスを日野ブランドで販売)の旨のリリース文を出しており、

https://www.hino.co.jp/corp/news/2021/20210609-002940.html

これならば日野のエンジンを積んでいないので販売できるのではないか?とも思いましたが、実際には「品質の作り込みに期間を要している」ため発売は延期になっており、2022年5月の時点では「2022年度内」としていましたが、

https://www.netdenjd.com/articles/-/266798

一連の不祥事でどうなることでしょう・・・

ただ、BYDブランドの小型EVバスを直接日本で購入することは可能で、2023年運行開始予定のJR九州・日田彦山線BRT「ひこぼしライン」への導入が発表されています。

https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/07/28/220728_BRT_new_design.pdf

 

ちなみに、日野ブランドの観光バスもすべてアウトですが、路線バスタイプの大型バス(除ハイブリッド車)・中型バスは販売を継続しています。

https://www.hino.co.jp/products/

なぜかといえば、これら車種はいすゞ自動車製のエンジンを積んでいるからです。

国内のバスの市場規模が縮小する中、バス事業に関しては20年ほど前から日野といすゞが協業しており、合弁会社「ジェイ・バス」で両社ブランドのバスを一括して生産しています。観光バスと大型路線ハイブリッドバスはいすゞブランドでも日野自動車製のエンジンを積んでおり、いすゞ側もこれら車種は出荷停止を余儀なくされています。

https://www.isuzu.co.jp/newsroom/details/20220802_01.html

したがって、国産新車の大型・中型観光バス(高速バス用も含む)は、当面は三菱ふそうの一択になります。UDトラックス(旧日産ディーゼル)は2012年にバス事業から撤退しています。

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