日本の原発が揺れています。沸騰水型原発をかかえる東京電力、北陸電力、中部電力などなどで、制御棒抜け落ち事故を起こしていながら報告せず、そのうち2回は臨界事故に至っていた事実が発覚したからです。今日は、その制御棒抜け落ち臨界事故発覚の発端となった志賀原発のすぐ近くを震源とする大地震が起こりました。
マグニチュード7.1、震源深さ50kmという報道が流れていますが、志賀原発と震源の水平距離は21km程度、直線でつないでも60km程度しかない・・ということは報道されておりません。
1号機は制御棒抜け落ちで原子力安全保安員から運転停止命令が出されて運転しておらず、2号機もたまたま定期点検で止まっていました。これが幸いした・・というのが、今日の私たちの幸運だろうと思います。
志賀原発の周辺の測定では想定地震動をはるかに超える800ガルを記録したと伝えられています。
もし、志賀原発が運転中で、280℃70気圧の高温高圧の蒸気が猛スピードで流れている原発の配管に、この地震動が直撃していたら・・、今頃、日本は海外に逃げる人で大騒ぎになっていたかもしれません。
沸騰水型原発は地震動で炉内のボイド(蒸気の泡です)がつぶれると、核分裂反応が加速するという特徴を持っているからです。出力が高くなり停止信号が出て制御棒を入れようとして抜け落ちたら・・。
チェルノブイリ事故と同じ「核暴走事故」ということになります。
最悪の場合には原発の屋根が抜けて吹っ飛んでいました。放射能は上空高く舞い上がり、地球の北半球の世界中に放射能のチリを運びます。国内では半径250キロ以内は人が住めないほどの汚染状況となります。
今日は、私たちが、日本経済にとっても、平和で安全な暮らしにとっても、とんでもないリスクを抱えているんだということを、あらためて気づかされた日でした。
制御棒の抜け落ちを隠し、臨界事故ですら隠し通して、まったく社会的な責任もルールも守れない、そんな日本の電力会社に原子力発電をこれ以上運転させ続けることは、日本の経済にとっても日本の平和にとってもリスクが大きすぎると思います。
ひさびさに原発のことを書きました。
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