ここのところ、ホントに忙しいらしく、ブログを書けないどころか、自分のブログをのぞくことさえできなくなってきた。
気がつくと、なんと8月15日以来、書いていないではないか。
これではいけない!ホントに心をなくしてしまう・・と、久々にブログと向き合った。
テーマは、私の忙しさの原因、「電力自由化」と切っても切れない「託送料金」である。
電力小売完全自由化の動きの中で
「電力自由化」について、今年これほど講演会をすることになろうとは思っていなかった。
年初には、どちらかというと「再生可能エネルギーと環境問題」での話が多くなるのではと思っていたが、ふたを開けてみると、来年からの「電力小売完全自由化」を前に、「自由化ってどういうこと?」という、各地からのお声がかりが圧倒するようになってきた。
私自身、エナジーグリーン株式会社として「電力小売」を目指している関係上、いやが上でも、必死で電力自由化がらみの法令や制度の変更を追わざるを得なかったのだが、そういう具体的なレベルに落として、この自由化問題を話せる人間があまりいなかったということなのであろう。
法律はさておき、「電力小売」をめぐる運用上の制度変更は目まぐるしく、再生可能エネルギー電気の小売をしようとするものにとっては、ほとんど絶対絶命的に困難な状況まで追い詰められている。
そのあたりの解説は、私が今年立ち上げた「イージーパワー株式会社」のホームページに「電力システム改革」というタイトルで連載?をしている。
ふだん講演している話をようやく的にまとめたもので、まだ完結していないが、今週の水曜日くらいには、すべてを書き終わる。
こちらをご覧ください!
http://egpower.co.jp/powersystem/
その「電力自由化」において、小売会社が需要家に電気を届けようとすると、必要不可欠なのが送電線である。
送電線の所有者は「一般電気事業者」で、東京電力や関西電力のような既存の大手電力会社。
つまり、そこから送電線を借りて「販売」をしなければならず、その「借り賃」つまり使用料を「託送料金」という。
一般電気事業者は、これまで「発電」「送電」「小売」のすべてを行い、垂直一体型などと呼ばれていた。
会計上も「一体」なので、「発電」の費用を「送電」でまかなったりしても違法ではなかった。
だから原発の費用を、こっそり送電側からとっていたりした。
「電力自由化」には本来、こういう本来のコストをごまかすような会計処理をただす意味もある。
「発電・送電・小売」の分離は、そういう不適切会計を洗い出すはずなのだが、どうも日本では雲行きがあやしい。
不適切を「当たり前」にしようというような政策が進められている。
託送料金は、来年度分から「経産大臣の認可」を必要とするものとなるのだが、その審査がどうもズブズブなのだ。
ちょうど、いま、この認可を前提とした、「託送料金に対するパブリックコメント募集」の最中である。
締め切りは来週末の10月30日(金)。
ところが、10電力会社の申請書を読み込んでコメントせよというもので、一つの申請書のボリュームは400ページ以上。
しかも、料金決定の仕組みの説明もないため、部分的なパーツを並べられてもさっぱりわからない。
そこで、総合的な指摘をすべく、私の方で以下の意見をまとめてみた。
(東京電力ものは、すでに10月25日に提出済)
これを参考に、みなさんの方でも、ぜひパブコメを出していただきたい。
http://www.meti.go.jp/feedback/index.html
以下は私が出したパブコメである。
「東京電力株式会社の託送料金審査に対する意見」
1、東京電力から提出された申請書からは「託送料金決定の仕組み」が読み取れません。広く国民全体、消費者の意見を求めるのであれば、経産大臣、経産省および一般電気事業者は、まず「仕組みの説明」から行うべきであると思います。
2、これまでの審議会等の議論によれば、託送料金はどの電気事業者においても、低圧契約の消費者に高く、高圧契約の消費者に安く設定されています。各社の平均的な数字としては、低圧が9円前後、高圧が4円前後、特別高圧が2円前後となっていますが、この価格差の原因が何であるかも、本件申請書からは読み取れません。経産大臣、経産省および一般電気事業者は、消費者にもわかるように価格差の原因を説明するべきではないでしょうか。
3、そもそも、上記の説明のための「説明会」は開催されたのでしょうか?開催されていないのであれば、各電気事業者管内の都道府県において、最低1回以上は開催をされるべきであると思います。
4、以前の報道で、電力需要は低圧需要家が4割、高圧・特別高圧の需要家が6割であるにもかかわらず、電気事業者の利益の9割は低圧需要家から、1割が高圧・特別高圧の需要家からであるという指摘がありました。この原因も、託送料金の低圧と高圧・特別高圧の料金格差にあると思います。
5、経産大臣は今回の認可に当たって、この料金格差の是正について検討し、格差を是正する措置を取るよう経産省に対し指示を出すべきであったと思います。しかし少なくとも、現在与えられている情報では、経産大臣からなんらかの指示が出たという事実は確認できません。
6、是正措置もなく、そのための指示もされていないとしたら、経産大臣は、託送料金によって生じる電気料金格差は妥当であると肯定されていることになります。肯定されているならば、少なくともその理由について、国民に対してまったく説明しないのは、大変不誠実な態度であると思います。
7、これまでの託送料金に関する審議会等での議論で明らかになったこととして、託送料金コストの内訳の中に、使用済核燃料再処理費用と電源開発促進税が含まれていることがあります。使用済核燃料とは、いうまでもなく原子力発電から生み出されるものです。電源開発促進税もその大部分が、原発立地地域等への交付金など、発電所の立地対策として使われているものです。つまり発電側の費用が、送電側の託送費用の中に組み込まれていることになります。これは、発電側の公平な競争を妨げる、極めて不適切な状態であると思います。
8、この事実が審議会等の議論で明らかになっておりながら、これに対しても経産大臣からは、これを適切に是正すべきという指示が出されてはおりません。発電側の費用が、堂々と送電側のコストに組み込まれているにもかかわらず、それを放置し適切な措置もとらないということは、経産大臣及び経産省が電気事業者に対する管理監督という責任を果たしているとは言えないと思います。
9、また、本件(東京電力の)申請書からは、託送料金の中に発電側コストが組み込まれていることについて、説明もなければ記述すら見当たりません。少なくとも、経産大臣として、本件申請書内に、一般消費者がわかるように事実を書き込むことを求めることが当然ではないかと思います。
10、また、価格差の問題と同様に、この託送料金コスト内訳問題についても、経産大臣の責任において説明会を開催し、広く国民、および消費者の疑問に答えるべきであると思います。
以上、意見を提出します。
気がつくと、なんと8月15日以来、書いていないではないか。
これではいけない!ホントに心をなくしてしまう・・と、久々にブログと向き合った。
テーマは、私の忙しさの原因、「電力自由化」と切っても切れない「託送料金」である。
電力小売完全自由化の動きの中で
「電力自由化」について、今年これほど講演会をすることになろうとは思っていなかった。
年初には、どちらかというと「再生可能エネルギーと環境問題」での話が多くなるのではと思っていたが、ふたを開けてみると、来年からの「電力小売完全自由化」を前に、「自由化ってどういうこと?」という、各地からのお声がかりが圧倒するようになってきた。
私自身、エナジーグリーン株式会社として「電力小売」を目指している関係上、いやが上でも、必死で電力自由化がらみの法令や制度の変更を追わざるを得なかったのだが、そういう具体的なレベルに落として、この自由化問題を話せる人間があまりいなかったということなのであろう。
法律はさておき、「電力小売」をめぐる運用上の制度変更は目まぐるしく、再生可能エネルギー電気の小売をしようとするものにとっては、ほとんど絶対絶命的に困難な状況まで追い詰められている。
そのあたりの解説は、私が今年立ち上げた「イージーパワー株式会社」のホームページに「電力システム改革」というタイトルで連載?をしている。
ふだん講演している話をようやく的にまとめたもので、まだ完結していないが、今週の水曜日くらいには、すべてを書き終わる。
こちらをご覧ください!
http://egpower.co.jp/powersystem/
その「電力自由化」において、小売会社が需要家に電気を届けようとすると、必要不可欠なのが送電線である。
送電線の所有者は「一般電気事業者」で、東京電力や関西電力のような既存の大手電力会社。
つまり、そこから送電線を借りて「販売」をしなければならず、その「借り賃」つまり使用料を「託送料金」という。
一般電気事業者は、これまで「発電」「送電」「小売」のすべてを行い、垂直一体型などと呼ばれていた。
会計上も「一体」なので、「発電」の費用を「送電」でまかなったりしても違法ではなかった。
だから原発の費用を、こっそり送電側からとっていたりした。
「電力自由化」には本来、こういう本来のコストをごまかすような会計処理をただす意味もある。
「発電・送電・小売」の分離は、そういう不適切会計を洗い出すはずなのだが、どうも日本では雲行きがあやしい。
不適切を「当たり前」にしようというような政策が進められている。
託送料金は、来年度分から「経産大臣の認可」を必要とするものとなるのだが、その審査がどうもズブズブなのだ。
ちょうど、いま、この認可を前提とした、「託送料金に対するパブリックコメント募集」の最中である。
締め切りは来週末の10月30日(金)。
ところが、10電力会社の申請書を読み込んでコメントせよというもので、一つの申請書のボリュームは400ページ以上。
しかも、料金決定の仕組みの説明もないため、部分的なパーツを並べられてもさっぱりわからない。
そこで、総合的な指摘をすべく、私の方で以下の意見をまとめてみた。
(東京電力ものは、すでに10月25日に提出済)
これを参考に、みなさんの方でも、ぜひパブコメを出していただきたい。
http://www.meti.go.jp/feedback/index.html
以下は私が出したパブコメである。
「東京電力株式会社の託送料金審査に対する意見」
1、東京電力から提出された申請書からは「託送料金決定の仕組み」が読み取れません。広く国民全体、消費者の意見を求めるのであれば、経産大臣、経産省および一般電気事業者は、まず「仕組みの説明」から行うべきであると思います。
2、これまでの審議会等の議論によれば、託送料金はどの電気事業者においても、低圧契約の消費者に高く、高圧契約の消費者に安く設定されています。各社の平均的な数字としては、低圧が9円前後、高圧が4円前後、特別高圧が2円前後となっていますが、この価格差の原因が何であるかも、本件申請書からは読み取れません。経産大臣、経産省および一般電気事業者は、消費者にもわかるように価格差の原因を説明するべきではないでしょうか。
3、そもそも、上記の説明のための「説明会」は開催されたのでしょうか?開催されていないのであれば、各電気事業者管内の都道府県において、最低1回以上は開催をされるべきであると思います。
4、以前の報道で、電力需要は低圧需要家が4割、高圧・特別高圧の需要家が6割であるにもかかわらず、電気事業者の利益の9割は低圧需要家から、1割が高圧・特別高圧の需要家からであるという指摘がありました。この原因も、託送料金の低圧と高圧・特別高圧の料金格差にあると思います。
5、経産大臣は今回の認可に当たって、この料金格差の是正について検討し、格差を是正する措置を取るよう経産省に対し指示を出すべきであったと思います。しかし少なくとも、現在与えられている情報では、経産大臣からなんらかの指示が出たという事実は確認できません。
6、是正措置もなく、そのための指示もされていないとしたら、経産大臣は、託送料金によって生じる電気料金格差は妥当であると肯定されていることになります。肯定されているならば、少なくともその理由について、国民に対してまったく説明しないのは、大変不誠実な態度であると思います。
7、これまでの託送料金に関する審議会等での議論で明らかになったこととして、託送料金コストの内訳の中に、使用済核燃料再処理費用と電源開発促進税が含まれていることがあります。使用済核燃料とは、いうまでもなく原子力発電から生み出されるものです。電源開発促進税もその大部分が、原発立地地域等への交付金など、発電所の立地対策として使われているものです。つまり発電側の費用が、送電側の託送費用の中に組み込まれていることになります。これは、発電側の公平な競争を妨げる、極めて不適切な状態であると思います。
8、この事実が審議会等の議論で明らかになっておりながら、これに対しても経産大臣からは、これを適切に是正すべきという指示が出されてはおりません。発電側の費用が、堂々と送電側のコストに組み込まれているにもかかわらず、それを放置し適切な措置もとらないということは、経産大臣及び経産省が電気事業者に対する管理監督という責任を果たしているとは言えないと思います。
9、また、本件(東京電力の)申請書からは、託送料金の中に発電側コストが組み込まれていることについて、説明もなければ記述すら見当たりません。少なくとも、経産大臣として、本件申請書内に、一般消費者がわかるように事実を書き込むことを求めることが当然ではないかと思います。
10、また、価格差の問題と同様に、この託送料金コスト内訳問題についても、経産大臣の責任において説明会を開催し、広く国民、および消費者の疑問に答えるべきであると思います。
以上、意見を提出します。
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