4月に入って、自然エネルギーの新しい事業が動き出しました。長野県飯田市を拠点にした、太陽光発電と省エネ(ESCO)と木質バイオマスを3本柱とした事業は、この3年間でなんとかベースを築くことができたかなと思います。いよいよ次のステップです。
おかげさまで飯田市でのおひさま事業は、当初の目標をなんとか達成し、この事業に出資をしてくださった皆様にお返しをできることも確実となり、まずはほっと胸をなでおろしています。出資者の皆さん、ご協力いただいた皆さん、どうもありがとうございました。
飯田市では次のチャレンジとして、メガワットソーラー事業(飯田市を含む南信州地域で、3年間で1000kWの太陽光発電設備を設置する)がスタートしています。これも、初年度分はほぼ達成し、この事業への市民出資は、この秋ごろに募集開始となる見通しです。
さて、太陽光発電にしろ、省エネ事業にしろ、それ自体の利益はとても薄いものです。何人、何十人もの人間が、この事業によって生活し、事業を遂行し、新しい事業開発を実現していくには、事業規模をさらにひとまわりもふたまわりも大きくしなければならないと思っています。
そういう新しいステップにむけての第1弾として、地中熱を活用したヒートポンプ事業へのチャレンジがはじまりました。空気でお湯を沸かすのは、ご存知エコキュートです。しかし、大気中の空気は季節よって30℃以上の変化をしています。「熱源」としては、実は不安定。より安定しているのは地中熱です。年間を通して、ほぼ15℃と安定しています。
それを使って、暖房冷房、冷水や熱水の供給を行うのです。すでに実績を出しているシステムで、空気のヒートポンプ(エコキュートやエアコン)の場合には、COPが3くらいですが、地中熱利用の場合には5とか6になるのです。
COPとは投入したエネルギーで、作り出したエネルギーを割った数字です。1000kWの電気を投入して3000kWの熱エネルギーを得たらCOPが3というふうになります。電気ストーブなどはCOPが1もないでしょう。
ただし地中熱を活用するには、地中深く穴を掘らなければなりません。そのコストがそれなりにかかります。COPが高くなっても、コスト回収には年月がかかるかもしれません。ところが、そのコストをかけなくても年中一定温度の熱源があったのです。温泉排熱、年中一定で15℃よりも高い30℃以上の熱源が、大量に捨てられています。それを使わない手はない・・のです。
温泉熱ヒートポンプが実現するには、それなりに大量の排熱がなければなりません。高温で大量の源泉があり、温泉施設では当然かけ流しで、熱が大量に捨てられていることが必要です。これから、そんな地点を探して「温泉めぐり」です。うーむ、贅沢な仕事です。
北海道には、すでに地中熱ヒートポンプを活用している「びっくりドンキー」の工場があります。そして、私たちの事業の情報をキャッチした登別市の担当者が興味を持たれたということもあり、両方を実際に見るために、先週の後半に北海道に飛びました。
登別温泉は源泉の湯量3万トンで、対象施設としては申し分ありませんでした。「調査」のため、実際に温泉にも入ってきました。ちょうど源泉の地獄谷が見えるところに大浴場がある第一滝本館で、泉質は硫黄泉で少し白濁した私の好きなタイプのお湯でした。
というわけで、仕事と癒しと健康と、しばらくは3つ総取りの嬉しい仕事がときどき舞い込んで来そうです。
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