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DESにさらされた女性たちの間で 最も悲惨だったのは 癌にかかる確率の高さだった。

2020年04月12日 12時41分01秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

爆弾は十数年後に爆発する運命だった。

1970年 ボストンのビンセント記念病院のアーサー・ハーブスト教授は

わずか三年間にボストン周辺に住む7人の少女が

あいついで非常に珍しい膣癌にかかったこと知って驚愕した。

これは腺がん あるいは顕微鏡で見た細胞の様子から 明細胞腺がん呼ばれている。

この病院ではそれまで扱ったことのないほど珍しいがんだった。

 

それどころか 世界中の文献を調べても

たった三例しか載っていないほど ごく珍しいものだ。

患者である十代の少女たちは 異常出血のために病院へ送られてきた。

診断は彼女たちを打ちのめした。

助かるためには絶対手術が必要だった。

根治的子宮摘出手術で 子宮と膣をすべて取ってしまうので

子供が生めなくなり 膣の再建手術も必要だ。

 

何人かの少女は すでにがんが広がっていたため

放射線治療や化学療法 そしてより広範囲な手術が行われた。

腫瘍が原因の長い出血を医師が月経障害と取り違えたために

診断が遅れた症例も何件かあった。

癌が進行して手遅れになり 手術もできずに数か月後に死亡した少女もいた。

 

ハーブスト教授らは 珍しいがんの連続発生に当惑した。

教授の同僚のハワード・ウルフェダーは後に当時をこう回想している。

「必死になって原因を探したが 何も見つからなかった。

ところが 患者の一人の母親が 妊娠中に流産予防のために

DESを服用したことを思い出して・・・

念のために他の患者の母親たちにも訊いてみると

驚いたことに 何人かがDESを服用したとの事だった・・・」

まもなく7人の母親に 唯一共通する点がはっきりした。

妊娠中にDESを服用していたのだ。

 

1971年4月 アーサー・ハーブスト教授は

『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に

この恐るべき発見を報告した。

 

その後の数年間に DESが生まれてきた女の子たちに

大変影響を与えていたことが明らかになった。

子宮や膣や卵管がゆがんだり 奇形になっているために

妊娠できない例が多く見つかった。

奇形には子宮頚部や子宮体部の未成熟

各器官の変形 T字型子宮などがあった。

 

通常は子宮頚部の内部にある線組織が外部にある例もあった。

当然ながら 体内でDESにさらされた女性たちには

自然流産 子宮外妊娠 死産 早産など 生殖上の問題が多く見られた。

若い女性に 細胞の異常な変化で示される前がん状態である

子宮頚部や膣の異常が多発した。

 

だが DESにさらされた女性たちの間で 最も悲惨だったのは

癌にかかる確率の高さだった。

治療しても 再発率は20%にものぼった・・・

胎盤内ではなく 肺などに再発する症例もあった。

患者の多くは再発を繰り返して死亡した。

 

DESをはじめて合成したチャールズ・ドッズは

この事態を知って「ひどく狼狽した」とジェリンクはいう。

「悲しい話ですよ。そのころにはもう老人で

DESは彼にとっては最大の功績 若き日の栄光のすべてでしたから」

若い女性たちに 悲惨な結果を招いた事実が明らかになるにつれ

ドッズは熱心に情報を集めた。

間もなく彼はこの世を去った。

 

 https://www.pinterest.jp/pin/596515913133614805/


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