最初に書いておきますが、私は泣き虫の部類に入ります。幼稚園から帰ってきたとき最初に聞かれるのは「今日は幼稚園でなにした?」ではなく「今日は幼稚園で何回泣いた?」でしたから。
さて、今日は友達の勧めで(どちらかというとサクラかな?)演劇ワークショップなるものに行って来ました。ただ、演劇オンリーではなく、演劇ワークショップを通じてアジア人がオーストリアから受ける人種差別を取り扱った団体なのです。2~5時までワークショップ。その後7時からその日のゲストが料理をしながら国の紹介などをします。今日はタイ人でした。
指導するのはフィリピン人の30歳代女性。彼女自身はオーストリア人と生活し、子どももいます。もちろん終始そのオーストリア人男性や、他の会をささえるオーストリア人女性もいました。
まず最初の1~2時間は私もよくしっているゲーム的な遊び。イタリアの演劇ワークショップで仕入れてきたといっていました。これは問題なくこなしたというか、楽しく遊ばせてもらいました。しかしその後、そのタイ人の青年が、滞在ビザを取得するに当たって、外国人管轄局とでもいいましょうか、その部署の女性にとてもひどい扱いを受けたということが話になり、その状況をみなで交代で演じ、さらにどうしたらその状況を改善できるか?という内容になりました。
彼は、オーストリアに2年もいるのに、英語しか話さず、なのに一人でヴィザ申請に行き、そこの女性に「ドアを閉めろ」と何度もののしられ(近くのほかの外人が訳してくれてはじめてわかったらしい)、その上書類が整っていない云々で書類を撒き散らかされたというのです。
私は彼に尋ねました。「書類を強く置いたのが、そのまま机から落ちたのでは?」しかし彼は「いや違う。上に向いて撒いた。」と言います。見ていないのでなんとも言えません。その後中国ならどうなるか?日本なら?と皆で演じあって午後のワークショップは終わりました。
彼は全く悪くないでしょうか?アジア人ならもっと親切に相手をわかろうとするはずだと、主催者のフィリピン人女性は言います。でも私は2年もいるのに「ドアを閉めて」もわからないのは問題だと思いますし、オーストリアは(悲しいかな)そういう国なのです。サービスは賃金に関わる時だけ発生する国なのです。それ以外の親切は、もうすごいラッキーなんだと考えたほうがいい国なのです。そして、親切であることが、お互いに気持ちいい関係を生むということを、一般の労働者はまだ知らないのだと思うくらいです。(知っていてもどうやったらいいかわかってないし、必要性を実感していない)
その後、そのタイ人の(チターのような)楽器演奏に、インド人のパーカッションが入り、私の民謡と、主催の女性の合いの手でセッションすることになり、それを食事の前に演奏しようということになりました。(これはこれで楽しかったんです)
一度家に帰り、7時に再び会場へ行きました。7時にはワークショップ参加者ではなく、7時にあわせてアジアの食事と文化を知りたいという地元の人がきていました。合計20人くらいでした。すぐに食事の用意をするのか?と思ったら、そのタイ人の「タイ奥地に住む、高齢者の生活と実態について」というレポートが30分ほどありました。これもこれで意義あることだと思います。いつもすき焼きとお寿司と無口な笑顔でごまかしてしまう日本人よりも、ある国の小さな部分にスポットをあてて外国人に紹介するのはとてもおもしろいと思いました。もちろんそこにいろいろな意見もでましたので、それはとてもよかったと思います。
ところが、参加者の半分がオーストリア人なのに、フィリピン人の女性は、またさっきのビサの話をしだしたのです。そしてそれをもう一度演じたのです。
「あんたねぇ、オーストリアのビサが欲しいって言うけど、ドイツ語も話せないでビサ欲しいわけ?先にドイツ語の勉強でもしたらどうなの!ええっ?」「キィィ、もう我慢できないわ。こんなのにつきあってられないわよ。さっさと帰って頂戴!」そういって書類をほおり投げます。もちろんそれを問題定義するのもいいと思います。でも!あまりにもその定義の仕方がダイレクトで、聞いている私が「なんでそこまでオーストリアを敵に回さないといけないのだ?」と思ってしまうくらいきついのです。「私たちは髪の毛黒いのよ。これ以上どうやってオーストリアにあわせろって言うの?」って火を噴く。民族衣装を着ろと言われてるわけではないじゃん!遠藤周作の本を読め!フランスにいた時、笑顔一つで(留学)生活はうまくいったと書いてある本があるぞ!
ほとんどが英語での進行なので、神経は疲れ、お腹も空き、そしてやっと食事ができるかどうかという10時前(すでにすでに3時間待っている)、参加費も払った。あと少しなんとか我慢して、セッションをやって、静かにご飯食べて帰ろうと、じっとじっと我慢して待っていたその時、主催の女性に声をかけられてしまい、これが口火となり思わず口から「帰りたい。もう我慢できない。」と言ってしまいました。そしてそのまま泣いてしまい、自分も経験はあるけれど、こういう公の場ではこんなにダイレクトに定義しないことや、悪い部分を見る前にいい部分を見たいこと、あまりにダイレクトで言い方が胸に刺さること、それを定義している同じアジア人を見てとても傷ついていることをなんとか言って、どうしても我慢できないので帰ってきました。歩きながらもおいおい泣いて、電車の中も、鼻かむ振りして涙をぬぐってました。(グリーンカレーと、チキンカレーと、魚のソースなど数種類のタイ料理を後にして!)
彼女は「ディスカッションすることがどこがいけないの?私の旦那はオーストリア人だし、子どももいるよ。」といいます。もちろん私たちもオーストリア人の不快な態度はよく話題にします。でも日本人なので、こういうネガティブな話題は公にはしないんですね。家の中で終わっちゃう。だから今日はすごい気分が悪かった。
オーストリア人に、十二単の着物や、お寿司ばかり見せたいわけじゃないけど、だからと言って、一番どうしようもないところを突くのもどうかと思う。それより前に最前線のサービス業であるスターバックスのお姉さんや、銀行のお姉さんの態度を先に変えてもらわないといけない。それに日本だって外国人に対して丁寧だけど親切なわけじゃないし、丁寧でないことも多い。
ビザ申請のおばさんは、その仕事に疲れていて、わけのわからん外国語なまりのドイツ語しか毎日聞いていないので、毎日機嫌が悪く、ぶっきらぼうで、なおかつ今朝は化粧ののりが悪く、丁寧にしたいけど、自分がドイツ語しか話せないことから、英語でガーっと話されてパニクッたが本当の所じゃないのか?とさえ思う。
今、日本でもディスカッションできるように大学なんかでは練習するそうだけど、今日の私はまったくだめ。今日のが果たしてディスカッションなのか、そうでないのか、それさえもわかりません。ネガティブな意見を言っているときに、その人間の気持ちまで乗せてしまうのが日本人なんでしょうね。切り離して意見が言えない。数人のオーストリア人は、「それはウィーン人だからだよ。田舎の人間は絶対違うよ。僕はグラーツだから。」とへんなオーストリア擁護をしていました。彼らオーストリア人が、これでアジアに嫌なイメージ持たないで欲しいなぁと思うだけです。本当に今日は久しぶりにきつかったです。日本を悪く言われても、オーストリアを悪く言われても腹が立つし、悲しくなる私です。
さて、今日は友達の勧めで(どちらかというとサクラかな?)演劇ワークショップなるものに行って来ました。ただ、演劇オンリーではなく、演劇ワークショップを通じてアジア人がオーストリアから受ける人種差別を取り扱った団体なのです。2~5時までワークショップ。その後7時からその日のゲストが料理をしながら国の紹介などをします。今日はタイ人でした。
指導するのはフィリピン人の30歳代女性。彼女自身はオーストリア人と生活し、子どももいます。もちろん終始そのオーストリア人男性や、他の会をささえるオーストリア人女性もいました。
まず最初の1~2時間は私もよくしっているゲーム的な遊び。イタリアの演劇ワークショップで仕入れてきたといっていました。これは問題なくこなしたというか、楽しく遊ばせてもらいました。しかしその後、そのタイ人の青年が、滞在ビザを取得するに当たって、外国人管轄局とでもいいましょうか、その部署の女性にとてもひどい扱いを受けたということが話になり、その状況をみなで交代で演じ、さらにどうしたらその状況を改善できるか?という内容になりました。
彼は、オーストリアに2年もいるのに、英語しか話さず、なのに一人でヴィザ申請に行き、そこの女性に「ドアを閉めろ」と何度もののしられ(近くのほかの外人が訳してくれてはじめてわかったらしい)、その上書類が整っていない云々で書類を撒き散らかされたというのです。
私は彼に尋ねました。「書類を強く置いたのが、そのまま机から落ちたのでは?」しかし彼は「いや違う。上に向いて撒いた。」と言います。見ていないのでなんとも言えません。その後中国ならどうなるか?日本なら?と皆で演じあって午後のワークショップは終わりました。
彼は全く悪くないでしょうか?アジア人ならもっと親切に相手をわかろうとするはずだと、主催者のフィリピン人女性は言います。でも私は2年もいるのに「ドアを閉めて」もわからないのは問題だと思いますし、オーストリアは(悲しいかな)そういう国なのです。サービスは賃金に関わる時だけ発生する国なのです。それ以外の親切は、もうすごいラッキーなんだと考えたほうがいい国なのです。そして、親切であることが、お互いに気持ちいい関係を生むということを、一般の労働者はまだ知らないのだと思うくらいです。(知っていてもどうやったらいいかわかってないし、必要性を実感していない)
その後、そのタイ人の(チターのような)楽器演奏に、インド人のパーカッションが入り、私の民謡と、主催の女性の合いの手でセッションすることになり、それを食事の前に演奏しようということになりました。(これはこれで楽しかったんです)
一度家に帰り、7時に再び会場へ行きました。7時にはワークショップ参加者ではなく、7時にあわせてアジアの食事と文化を知りたいという地元の人がきていました。合計20人くらいでした。すぐに食事の用意をするのか?と思ったら、そのタイ人の「タイ奥地に住む、高齢者の生活と実態について」というレポートが30分ほどありました。これもこれで意義あることだと思います。いつもすき焼きとお寿司と無口な笑顔でごまかしてしまう日本人よりも、ある国の小さな部分にスポットをあてて外国人に紹介するのはとてもおもしろいと思いました。もちろんそこにいろいろな意見もでましたので、それはとてもよかったと思います。
ところが、参加者の半分がオーストリア人なのに、フィリピン人の女性は、またさっきのビサの話をしだしたのです。そしてそれをもう一度演じたのです。
「あんたねぇ、オーストリアのビサが欲しいって言うけど、ドイツ語も話せないでビサ欲しいわけ?先にドイツ語の勉強でもしたらどうなの!ええっ?」「キィィ、もう我慢できないわ。こんなのにつきあってられないわよ。さっさと帰って頂戴!」そういって書類をほおり投げます。もちろんそれを問題定義するのもいいと思います。でも!あまりにもその定義の仕方がダイレクトで、聞いている私が「なんでそこまでオーストリアを敵に回さないといけないのだ?」と思ってしまうくらいきついのです。「私たちは髪の毛黒いのよ。これ以上どうやってオーストリアにあわせろって言うの?」って火を噴く。民族衣装を着ろと言われてるわけではないじゃん!遠藤周作の本を読め!フランスにいた時、笑顔一つで(留学)生活はうまくいったと書いてある本があるぞ!
ほとんどが英語での進行なので、神経は疲れ、お腹も空き、そしてやっと食事ができるかどうかという10時前(すでにすでに3時間待っている)、参加費も払った。あと少しなんとか我慢して、セッションをやって、静かにご飯食べて帰ろうと、じっとじっと我慢して待っていたその時、主催の女性に声をかけられてしまい、これが口火となり思わず口から「帰りたい。もう我慢できない。」と言ってしまいました。そしてそのまま泣いてしまい、自分も経験はあるけれど、こういう公の場ではこんなにダイレクトに定義しないことや、悪い部分を見る前にいい部分を見たいこと、あまりにダイレクトで言い方が胸に刺さること、それを定義している同じアジア人を見てとても傷ついていることをなんとか言って、どうしても我慢できないので帰ってきました。歩きながらもおいおい泣いて、電車の中も、鼻かむ振りして涙をぬぐってました。(グリーンカレーと、チキンカレーと、魚のソースなど数種類のタイ料理を後にして!)
彼女は「ディスカッションすることがどこがいけないの?私の旦那はオーストリア人だし、子どももいるよ。」といいます。もちろん私たちもオーストリア人の不快な態度はよく話題にします。でも日本人なので、こういうネガティブな話題は公にはしないんですね。家の中で終わっちゃう。だから今日はすごい気分が悪かった。
オーストリア人に、十二単の着物や、お寿司ばかり見せたいわけじゃないけど、だからと言って、一番どうしようもないところを突くのもどうかと思う。それより前に最前線のサービス業であるスターバックスのお姉さんや、銀行のお姉さんの態度を先に変えてもらわないといけない。それに日本だって外国人に対して丁寧だけど親切なわけじゃないし、丁寧でないことも多い。
ビザ申請のおばさんは、その仕事に疲れていて、わけのわからん外国語なまりのドイツ語しか毎日聞いていないので、毎日機嫌が悪く、ぶっきらぼうで、なおかつ今朝は化粧ののりが悪く、丁寧にしたいけど、自分がドイツ語しか話せないことから、英語でガーっと話されてパニクッたが本当の所じゃないのか?とさえ思う。
今、日本でもディスカッションできるように大学なんかでは練習するそうだけど、今日の私はまったくだめ。今日のが果たしてディスカッションなのか、そうでないのか、それさえもわかりません。ネガティブな意見を言っているときに、その人間の気持ちまで乗せてしまうのが日本人なんでしょうね。切り離して意見が言えない。数人のオーストリア人は、「それはウィーン人だからだよ。田舎の人間は絶対違うよ。僕はグラーツだから。」とへんなオーストリア擁護をしていました。彼らオーストリア人が、これでアジアに嫌なイメージ持たないで欲しいなぁと思うだけです。本当に今日は久しぶりにきつかったです。日本を悪く言われても、オーストリアを悪く言われても腹が立つし、悲しくなる私です。