公式HPより
予告編を観た時には、イタリアのウィットの効いた映画だと思っていましたが…
1978年にイタリアで施行されたバザリア法という精神病院を順次減らしていくという法律の元に
病院から地域の協同組合に生活の場を移された精神に障害を持つ人々が
自分たちの生き甲斐を持ち、誇りを回復していくトリエステという都市の
ノンチェッロ協同組合での実話を元にした映画でした。
これを観ると、日本の精神を患っている人々の環境は一体どうなんだろう?と
薄ら寒いものを感じてしまいます。
普通に生活している人がほんの少しのボタンのかけ違いのようなことで
社会に適応できなくなり、精神障害というレッテルを貼られてしまう…
早いうちに気づいて適切な治療を受けて元の生活に戻ることができる人もいますが
暴力的な症状のある場合などは薬を過剰に投与され(この映画の中でもそういうことが
語られていましたが…)積極的な感情が抑制されてしまい
社会復帰の意欲まで失せてしまうことも…
一時的に社会と折り合えなくなっても、それぞれの能力や個性が失せてしまったわけではなく
丁寧に見守っていけば家族や友人たちと共に笑ったり、泣いたりの生活ができるということ。
それを決断し、実行し続けているイタリアという国って!
それももう、30年以上も前から…
テーマが重いので映画も…と思われるかもしれませんが
そこはイタリア!
やさしさとユーモアに溢れた人物の描き方、軽妙な話の運びで
たっぷり楽しく、そしてちょっぴりホロリとさせてくれる素敵な映画です。