あの日から9カ月――
とうとう床に敷いていたコルクマットをはがした
そしたらね
ボニーの毛がたくさん出てきた
9か月前に
形見にあなたの毛を少しだけ切った
あなたはとても短毛だったからほんのちょっとだけ
あまり切ったら目立つと思って
可哀想で切れなかったの
でもコルクマットをはがしたら
あなたの生きた証がそこかしこにあって
わたしは懐かしい匂いをかぐ
バカよね
そのままにしておいたら戻ってきてくれるような気がして
ただ先延ばしにしてた
どうしてあんなに慕ってくれたの?
あなたの意志で居たわけでもないのに
どうしてあんなに素直に従ってくれたの?
生き物としてあなたのほうが優れていたのに
きっと自分の病気を知っていたよね
気付けなくてごめんね
人間は泣き言ばかり言ってじたばたして
見苦しいね
その程度の生き物なんだね
それでも
信じて待っていれば
いつか生まれ変わって会いに来てくれるような気がする
信じて待っているから
何に生まれ変わってもあなたと気付くから
だからその日を待ってる
また会いましょう
いつまでもボニーの母より