していることは遺品整理という名前のゴミの片づけであった
何でもかんでも取っておく人だった
書斎はゴミ部屋に他ならなかった
彼にとって大切なものとはいったい何だったのか
翻って考えると わたしがいなくなった時には
後に残された者はまた「ゴミだらけ」だと思うのだろう
うんざりするほど本があるが
雑誌はともかく 本を捨てるのには正直抵抗があった
付箋がたくさん貼られた本
線を引いて書き込んである本
しかし日が経つにつれ どうしようもない現実を知る
処分していくしかないのだった
それでも買い集めたのだからそれなりに理由があるのだろうと
一冊ずつ見ている
「命売ります」三島由紀夫
1998年が第1刷で
これは2015年第21刷
すでに三島事件から50年以上経っている
しかし意外なほど古さはなく読み易い
ところどころ吹き出しながら読んだ
同じく書斎から発掘されたCDを聴きながら