認知症の夫が、朝起きてすぐ、「夢を見るか?」と私に尋ねます。
毎晩夢で人助けをしてるらしいのです。
「患者の面倒を見てると必ず妨害が入ってね、それと戦うので疲れるんだよ。」
彼は認知症で要介護になるまでは、ドクターでした。
「起きるとホッとするよ。」
ほとんど毎朝のご挨拶代わりで、まだまだ仕残した仕事があるようです。
いわゆる老老介護で、人に言えない苦労も多々あるけれど、高齢になっても尚且つ、プラスもマイナスも含めて新しい発見、経験をするというのは、得難く面白いことだと言い聞かせながら、日々を送っています。
戦争により多くの人々が亡くなり、人生50年と言われて過ごしていた青春時代に、80年を超えて生きるなどとは、想像できないことでしたが、その未知の時をいま生きています。
介護を終えて、どのくらい一人の時間があるのか分かりませんが、歳不相応の健康を維持するように努めながら、生きています。
56歳で出会ったシャンソンが、大いに私を助けてくれています。
それに週4日のデイケアで、夫がお世話になっている施設にも感謝です。
残りの週3日を利用して、2か所でのレッスンを行い、年2回の自分のソロライブ、ボランティア等を入れて過ごしています。家庭菜園もしながらね。
いい仲間にも、歌のお客様にも恵まれて、満更でもない人生だなぁと思いながら・・。