風の備忘録~ ~ ~

風は林に色や形や音を運んできます
忘れないうちに 忘れないように
短い言葉でメモ memo   
       

私の好きなイギリスの詩人 クリスティナ ロセッティとつながる人々

・画家・詩人ダンテ・ガブリエル・ ロセッティは兄 ・西條八十 ・三井ふたばこ(西條嫩子) ・宮澤賢治  ・金子みすず

『秋』が入っている詩 

2005-09-15 | 好きな詩・短歌

A。 野づらをわたる 秋風に
   思いしのばん  初恋の
   咲くこともなく 散りゆきし
   君のこころの  哀れさを


B。 君が瞳はつぶらにて
  君が心は知りがたし
   君をはなれて唯ひとり
   月夜の海に石を投ぐ (少年の日より)


C。 「めぐる季節」
   
   夏は朝にまたがってやって来る
   秋は白い貝殻を巡って
   冬は折り重なって霜柱の下に
   そうして春は若い眸の中に
   さながら希望にぬれて

D。 主よ
   秋が来ました。
     過ぎ去った夏は
      偉大でした。  (りルケ)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

A~Dまでは 古い赤いノートから
   作者・役者は記入なし
  


夏の野の

2005-08-12 | 好きな詩・短歌
夏の野の
しげみに
咲ける
姫百合の
知らえぬ
恋は
苦しきものを

ーー万葉集・大伴坂上郎女ーーー

上は1960年の赤い小さなノートに書いてあったままーーー

夏の野のしげみに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものを

くちなし

2005-07-24 | 好きな詩・短歌
くちなしは
三日月のほのかににおう
夕暮れに
そっと さきいで
しみじみと
遠くの人を思うかに
におう花です



・・・・・1959年の赤い手帳から・・・・・・

作者は不明です。 記入されていません。

この詩も、私がかってに言葉を変えたり行を変えている可能性があります。

「三日月のほのかににおう夕暮れ」という表現も ちょっとおかしいです。
「夕暮れ」か「夕闇」かもはっきりしません。

題名もここでは「くちなし」と書きましたが手帳には題名はありません。

くちなしの咲くころ 思い出される詩です。

佐藤惣之助の詩「花心」より春

2005-07-18 | 好きな詩・短歌
若い時には春は淋しいものだ
花がいっぱい咲いている山が
傍にあるのに

年をとると春はうれしいものだ
うしろにぼうぼうとした
枯草があっても


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ーーー1954年の赤い手帳からーーー
文字や配列は作者が書いた通りではない可能性があります。
私には自分が書きやすいように変えて書く癖があるので。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
佐藤惣之助は歌謡曲の作詞者でも有名だそうで、
          このことは全く知らなかったので驚きです。
阪神タイガーズの歌(六甲颪<おろし>)
赤木の子守唄
湖畔の宿
人生の並木道 など多数作っているそうです。
このことはLove Cream Puff(佐藤惣之助のところ)に詳しく書いてあります。

このHPのTOPは Love Cream Puff
使いこなせれば かなり広範囲の情報が手に入れられそうです。
まだ 私は開いてはいませんが。

注:赤っぽい文字をクリックすると 違うページが開きます。

華やかな散歩・

2005-07-17 | 好きな詩・短歌
わたしは草花で
一つの川をかいた

わたしは星と花火で
海と港をかいた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ーーー赤い手帳(1959・昭和34年)よりーーー詩の作者は書いてありません。 
「華やかな散歩」で検索したらでてくるでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

追記:①7月17日(日曜日)22:10
    ヤフーで検索した結果「華やかな散歩」の作者は佐藤惣之助で没は昭和17年。
    著作権はクリアしています。
    
   ②インターネットを利用していなかったら、手帳に書いたままで
    再び丁寧に見直すこともなく、誰が書いた詩かもわからないままだった詩。
    検索によって作者がわかりました。もう一つ「春」という詩が書き写してあります。
    それは次の記事で載せます。

「雨降りお月さん」野口雨情

2005-06-10 | 好きな詩・短歌
( 一 )

雨降りお月さん 
雲の蔭(かげ)
  
お嫁にゆくときゃ 
誰とゆく
  
ひとりで傘(からかさ)
さしてゆく
  
傘(からかさ)ないときゃ 
誰とゆく
  
シャラ シャラ シャン シャン
鈴(すず)つけた
 
お馬にゆられて
濡れてゆく

 ( 二 )

いそがにゃお馬よ
夜(よ)が明ける

手綱(たづな)の下から
ちょいと見たりゃ

お袖(そで)でお顔を
隠してる

お袖は濡れても
干(ほ)しゃ乾く

雨降りお月さん
雲の陰

お馬にゆられて
ぬれてゆく


(二)以下は雲の陰」の表題で、(一)とは別に「コドモにクニ」大正14年3月に発表。
「中山晋平作曲の折、一つの作品に併合。
ーーーーー岩波文庫ーーー日本童謡集・与田準一編--昭和34年4月30日 第5刷発行ーーより


野口雨情については
←クリック

①「雨降りお月さん」を見つけてクリック←MIDIが聞けます。
  これはなつかしい童謡・唱歌・わらべ歌・寮歌・民謡・歌謡(ごんべいさんのHP)の中にあります。


②「雨降りお月さん」←これもMIDIです。(HP)にほんのうたの中にあります。


BLOGランキング←クリック=ランキングUP

「あじさい」 

2005-06-10 | 好きな詩・短歌
 

 誰かが呼んだような気がしたので

 私は黙って雨に濡れていた

 昨夜とりのこされた

 雨の中の蒼い足跡

 
    ーーーーー湯目 田鶴子ーーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

関東、甲信地方は入梅したとか。
ここもいま、雨音がします。
雨の季節になるとこの詩を思い浮かべます。

雨は好きです。
雨の音も好きです。
あじさいも好きです。

これは
古い赤い表紙の手帳に書き移しておいた詩です。
絵がかけそうな、しかし抽象的な表現のこの詩が好きです。

湯目 田鶴子さんについては調べていますが消息はわかりません。
何からこの詩を写したのかもわかりません。


BLOGランキング←クリック=ランキングUP
 

6月6日の朝日歌壇から

2005-06-06 | 好きな詩・短歌
先日 朝日歌壇から好きなものを選んで感じたことを書いたあと、
「投稿」クリックの前に 操作を間違えて消えてしまいました。
今日はそういうことがないように気をつけて書いてみます。

6月6日の朝日歌壇から。

(*佐々木幸綱選)

  小さくて玄関モニターに映らねば風はた光子の友だちは
                (和泉市)長尾 幹也

   小さくて
    玄関モニターに映らねば
      風はた光
       子の友だちは
      


  マンション住まいなのでしょうか。玄関モニターを通しての友だち訪問。
  声は聞こえるけど姿は見えない子どもの友だち、小さいその姿が想像されます。
  風または光だったのか、いぶかる作者は5月の部屋の中です。

     


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(*馬場あき子選)

「五月雨や」とは言いがたき雨の降るカルフォルニアの五月の雨は
                 (アメリカ)志しどみよこ

 5月のカルフォルニアの雨とはどんな雨なのでしょう?
 激しいとても激しい雨に ふるさと日本のしとしと降る五月雨を思い出しているのでしょうか。
 集まっても早い水流には程遠いほどの雨なのでしょうか。


CALIFORNIA←クリック・・・ふだんは ほとんど雨が降らないけど、降りだすとかなり激しく降るようです。


BLOGランキング←クリック=ランキングUP


ひらがな・漢字・方言

2005-05-16 | 好きな詩・短歌
今朝の朝日歌壇で興味引かれたものが6首ありました。
その中で「高野公彦選」からまず3首。
ひらがなだけ・漢字だけ・方言の短歌。

: さくらさくさくらもきみもうつくしとささやくきみもさくらもうつくし
             (高岡市)鍋島 恵子
 読みにくいので行をかえてみます。
 桜のやさしさ柔らかさと言葉=気持が一緒になって良い短歌だと思います。
 
 : さくらさく
   さくらもきみもうつくしと
   ささやくきみも
   さくらもうつくし


: 五臓六腑五体満足六十五歳能力意欲充実無職
              (横浜市) 折津 侑
  
 元気な人なのですね^^。うらやましい。
  よくこれだけの漢字で今の自分の全てを表現してるなぁと感心します。



: おやパック入り赤飯が買うてあるせやったきょうは結婚記念日
              (大阪市) 池知ひさし

 
新婚当時は パック入りの買った赤飯じゃなかったのですね。
  奥さんの年齢が見える短歌です。
標準語で書いたらアジも素っ気もなくなりそうです。
これも読みにくいので行をかえてみます。
 
  
: おや
      パック入り赤飯が 買うてある
  せやった
    きょうは結婚記念日  

もう一度

2005-05-15 | 好きな詩・短歌

: もう一度あひて嘆かん
  面影よ
  風の便りといふものもなし(戸田義雄)

: かの時に言ひそびれたる
  大切の言葉は
  今も胸にのこれど    (石川啄木)

: あなたからきたるはがきの
  かきだしの「雨ですね」
  そうけふもさみだれ    (松平修

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

気になるものをメモをする癖があります。
紙切れに書いてあった短歌 いつ写したのかはっきりしていません。
 :「もう一度」・昭和49年1月9日
 :「あなたから」は昭和62年)1月3日 とメモしてあります。

「戸田義夫 短歌」で検索したけど 見つかりません。
「松平修(平)文短歌」でF2ブログのキャッシュを見ると
う た ろ ぐのこの歌が載ってあり 鑑賞文が書いてありました。

ほのかに誰かを好きになったときに目に付いた短歌だったのでしょうか。

 

 

追記:2015 0126 9:40・・・

gooブログのお試しの『アクセス分析」を見ていたら

検索キーワードに「松平修平」がありました。

ブログに何時 何のために私はそれを書いたのか検索したら

このページが出てきました。 

「松平修平」が書いてありました。

「あなたから」は昭和62年)1月3日 とメモしてあります。

「松平修平 短歌」でF2ブログのキャッシュを見ると
う た ろ ぐのこの歌が載ってあり鑑賞文が書いてありました。

 ^^^^^^^^^^^^

それで「松平修平」であらためて調べたら該当するものに出合いません。

よくみたら

 あなたからきたるはがきの
  かきだしの「雨ですね」
  そうけふもさみだれ    (松平修

下に「松平修平 短歌」と書いているけれど

  「松平修文」の「文」を「平」と間違えたようです。

 

「あらためて「松平修文」で検索しました。

2009-03-25・現代歌人ファイルその25・松平修文Add Staryomukiku

「トナカイ語研究日誌」(ブログ名)

 一部分 修正しておきます。(20150126)

 


わすれなぐさ 上田敏(訳)

2005-05-12 | 好きな詩・短歌
「わすれなぐさ」 
ウィルヘルム・アレント・上田 敏(訳)<海潮音>
       
ながれのきしのひともとは
みそらのいろのみづあさぎ
なみ、ことごとく、くちづけし
はた、ことごとく、わすれゆく。

              
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上田 敏 (1874-1917) 文学博士、京大教授。東京生まれ。象徴派の詩風を開いたとして有名。
日本詩歌集 世界名作全集・平凡社(昭和34年7月11日初版発行


私 の 花 図 鑑の中にある画像写真わすれなぐさ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私がノートに写していたのはカタカナで下の形でした。

ナガレノキシノ ヒトモトハ
ミソラノイロノ ミズアサギ
ナミコトゴトク クチヅケシ
ハタコトゴトク ワスレユク

   
blogランキング   

「初夏の風」(はつなつのかぜ) 

2005-05-09 | 好きな詩・短歌
版画が好きです。何年か前に、とても気に入って同じ本を2冊買いました。
どうして気に入ったかというと好きな版画家の作品があったのです。
その版画には詩が入っていました。

作者は川上澄生 その版画は「初夏の風」(はつなつのかぜ)

   
   かぜとなりたや
はつなつの かぜとなりたや        
 かのひとの まへにはだかり
 
かのひと の うしろよりふく
   はつなつの はつなつの
      かぜとなりたや


鹿鳴館時代のような服を着て左手にパラソルを持って。
色が付いた木版画でピンクのドレスはふわりと風に膨らんで吹き上げられて。
風がさわやかなきみどり色とで表現されていました。
草はサワサワゆれてます。
薄い青い色の帽子が飛ばされないように右手で抑えています。
かのひとの まへにはだかり 
かのひと の うしろよりふく
この2行の間に女性は斜めになって立っています。

5月の風に思い出される版画と詩です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:川上澄生 1895生―1972没(著作権は切れていません)  
:「初夏の風」は昭和元年31歳の作
:文藝春秋デラックス・版画名品集・日本の叙情 1976年(昭和51年)3月発行より


blogランキング

「秘密」 千家元麿

2005-05-07 | 好きな詩・短歌
小供は眠る時
裸になった嬉しさに
籠を飛び出した小鳥か
魔法の箱を飛び出した王子のやうに
家の中を非常な勢ひでかけ廻る
襖(ふすま)でも壁でも何にでも頭でも手でも尻でもぶつけて
冷たい空気にぢかに触れた嬉しさにかけ廻る

母が小さな寝巻をもってうしろから追ひかける
裸になると小供は妖精のやうに痩せてゐる
追ひつめられて壁の隅に息が絶えたやうにひっついてゐる
まるで小さく、うしろ向きで。
母は秘密は見せない様に
小供をつかまへるとすばやく着物でつつんでしまふ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こどもの日がおわって明日は母の日。
「日本詩歌集・平凡社・昭和34年7月11日発行
旧かなづかいのまま。


blogランキング

「初めて子供を」 千家元麿

2005-05-06 | 好きな詩・短歌
初めて子供を
草原で地の上に下ろして立たした時
子供は下許り向いて、
立ったり、しゃがんだりして
一歩も動かず
笑って笑って笑ひぬいた。
           (後略)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「我が愛する詩人の伝記・室生犀星・角川文庫」より

教科書にあったのは もしかしたら こちらの詩かもしれない。
これもこの後の詩が見つからないので 見つけ次第 UP予定です。

blogランキング
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<追記2005.5.10

「初めて子供を」千家元麿

 
初めて子供を

草原で地の上に下ろして立たした時

子供は下許(ばか)り向いて、

立つたり、しやがんだりして

一歩も動かず

笑つて笑つて笑ひぬいた、

恐さうに立つては嬉しくなり、そうつとしやがんで笑ひ

その可笑しかつた事

自分と子供は顔を見合はしては笑つた。

可笑しな奴と自分はあたりを見廻して笑ふと

子供はそつとしやがんで笑ひ

いつまでもいつまでも一つ所で

悠々と立つたりしやがんだり

小さな身をふるはして

喜んで居た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本ペンクラブ:電子文藝館 
千家 元麿 自分は見た 抄 より

石川啄木のことば「世の中に・・」

2005-05-05 | 好きな詩・短歌
石川啄木のことば

世の中に
尊きこと三つ在り

一に曰く 小児心     *(曰く=いわく)
二に曰く 小児心
三に曰く 小児心

嗚呼 人これ
生まれたるままにして
死ぬるは
これ偉き者也

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは 小学校1年生の時の担任の先生から
私が大きくなってからいただいた言葉です。
字も絵もお上手な先生で こけしの絵も描いてあります。
石川啄木の本、日記などを見ましたが
この言葉を見つけることは出来ませんでした

今日は「こどもの日」
子供に関係する事件が多い時代です。
こどもたちが健やかに育って欲しいとつくづく思います


blogランキング