古事記のウミサチヒコ。
弟ヤマサチヒコを虐げる悪者のように思っていましたが
きちんと読み返すと、まったくそんなことはない!
弟のヤマサチヒコが
「兄ちゃん、互いの道具を変えようよ」と要求し
「大事なものだから絶対ダメ」
と拒否します。
それを弟がしつこくしつこく頼むものだから
「一回だけだぞ?」としぶしぶ大事な釣り針を渡します。
その後、弟のヤマサチヒコから
「釣り針を失くしちゃった」と打ち明けられ、激怒。
「代わりの釣り針をたくさん用意したから」と謝られても許しません。
…ウミサチヒコの怒りは正当なものですよね。
例えば「あなたの愛猫を貸して」のあと
「ごめ~ん、目を離したすきに、行方不明になったの。
似たネコを用意したから、これで勘弁して」
と言われたら、大抵の人は許せないでしょう。
ヤマサチの行動は、思いやりのないものだと感じます。
…で「見つかるまで戻ってくるな」と言われたヤマサチヒコは
海の国に釣り針を探しに行き、そこでトヨタマビメと結婚し、
幸せに過ごしているうち、釣り針のことをすっかり忘れます。
バカだから。
そんな浦島太郎のような生活を続けていたある日
「そーだ、兄ちゃんに釣り針を返さなきゃ!」と思い出し、
海の神の協力を得て、それを取り戻すことができました。
妻の父(海神)も、婿に甘々で
「兄君に呪詛をかけておやりなさい」
とすっかり「被害者ヤマサチ支援の会・会長」です。
…だから、ウミサチヒコは悪くないんだってば。
しかし哀れなウミサチヒコは、呪詛のため
その後何をやってもうまくいかず、結局、ヤマサチヒコに攻撃を仕掛け
(でも海神がヤマサチを応援しているから)敗北します。
「この後、俺はお前のしもべになる」
と首を垂れる兄、ウミサチヒコ。
わがままな弟に大事な道具を貸し、それを紛失され、激怒したら
そのときの対応を逆恨みされ、人生をめちゃめちゃにされるとは…
なんと気の毒なウミサチヒコよ。不条理の極みです。
でもお気楽な愚者が、慎重な堅物より発展するストーリーは
現実生活でも珍しくありません。ある意味、リアルな話でもあります。
共感できる敵役は、けっこういます。
眠り姫の魔女もそのひとり。
自分だけのけ者にされたら、そりゃひがみたくもなりますもの。
敵役の目線で読むのも、また面白いものです。
舌切り雀のおばあさんにも共感できる♪
弟ヤマサチヒコを虐げる悪者のように思っていましたが
きちんと読み返すと、まったくそんなことはない!
弟のヤマサチヒコが
「兄ちゃん、互いの道具を変えようよ」と要求し
「大事なものだから絶対ダメ」
と拒否します。
それを弟がしつこくしつこく頼むものだから
「一回だけだぞ?」としぶしぶ大事な釣り針を渡します。
その後、弟のヤマサチヒコから
「釣り針を失くしちゃった」と打ち明けられ、激怒。
「代わりの釣り針をたくさん用意したから」と謝られても許しません。
…ウミサチヒコの怒りは正当なものですよね。
例えば「あなたの愛猫を貸して」のあと
「ごめ~ん、目を離したすきに、行方不明になったの。
似たネコを用意したから、これで勘弁して」
と言われたら、大抵の人は許せないでしょう。
ヤマサチの行動は、思いやりのないものだと感じます。
…で「見つかるまで戻ってくるな」と言われたヤマサチヒコは
海の国に釣り針を探しに行き、そこでトヨタマビメと結婚し、
幸せに過ごしているうち、釣り針のことをすっかり忘れます。
バカだから。
そんな浦島太郎のような生活を続けていたある日
「そーだ、兄ちゃんに釣り針を返さなきゃ!」と思い出し、
海の神の協力を得て、それを取り戻すことができました。
妻の父(海神)も、婿に甘々で
「兄君に呪詛をかけておやりなさい」
とすっかり「被害者ヤマサチ支援の会・会長」です。
…だから、ウミサチヒコは悪くないんだってば。
しかし哀れなウミサチヒコは、呪詛のため
その後何をやってもうまくいかず、結局、ヤマサチヒコに攻撃を仕掛け
(でも海神がヤマサチを応援しているから)敗北します。
「この後、俺はお前のしもべになる」
と首を垂れる兄、ウミサチヒコ。
わがままな弟に大事な道具を貸し、それを紛失され、激怒したら
そのときの対応を逆恨みされ、人生をめちゃめちゃにされるとは…
なんと気の毒なウミサチヒコよ。不条理の極みです。
でもお気楽な愚者が、慎重な堅物より発展するストーリーは
現実生活でも珍しくありません。ある意味、リアルな話でもあります。
共感できる敵役は、けっこういます。
眠り姫の魔女もそのひとり。
自分だけのけ者にされたら、そりゃひがみたくもなりますもの。
敵役の目線で読むのも、また面白いものです。
舌切り雀のおばあさんにも共感できる♪