よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

逃げるは恥だが役に立つ(最終巻)

2017年03月13日 | 読書
社会現象にもなったドラマですが、私は最初にコミックを読んでいたんです。

男女が親しくなっていく過程が一般と違っていて、そこに社会の目や自我、呪縛のようなものが織り込まれていて、とても新鮮でした。




みくりも百合ちゃんも、時間をかけて好きな男性に呪縛を解いてもらいます。
ここは、本当に少女漫画(お姫様ストーリー)の王道なんですが、切り口はもっと怜悧で社会派な要素を含んでいます。

童話のお姫様は悪い魔女等、他者に呪いをかけられていますが、このマンガのヒロインたちは、自分で自分に呪いをかけています。
ポジモンに静かに言い返す百合ちゃんは、相手の毒に反応しません。
そして、自分の中の目覚めに気づくのです。

そもそも呪詛は、自縄自縛なものかもしれません。

他者が何を言おうが、世間の目がどうであろうが、自分軸が揺らがない人たちは柳に風と受け流します。
でも、大抵は周囲の目やら期待やら常識やら批判などが気になり、心が折れたりするのです。

一歩踏み出す勇気や、人から貰える温かさで心がほどけていく感覚。
読み終わった後の幸福感、解き放たれたすがすがしい感覚。

正直、下手なカウンセリング本や自己啓発の本を読むよりも、学ぶことが多い本でした。


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