彼の死を、本当の意味では嘆かない。
こうなると思っていたし、彼が狂気との闘いに苦しんでいたことを知っていたから。
ゴッホとゴーギャン展に行ってきた。
この二人の画家が約2年間共同生活をし、その個性故に何度もぶつかり
最終的には訣別した、というのは有名な話である。
ゴッホが片耳の一部を切り、その後にピストルで自殺をする。
その知らせを受けたゴーギャンが残した一筆が冒頭のものである。
ヴィンセントと私は意見が合いません。絵に関しては特にそうだ(ゴーギャン)
ゴーギャンと私は、体中の熱という熱が消えゆくほどに感情を高ぶらせ、話しこんだものだ(ゴッホ)
ふたりの語りを読んでも、ゴーギャンの方が俯瞰している。
真の人生は30歳からようやく始まる。
最も活動的な時期なのだ。
人物を描きたい、もっと人物を!(ゴッホ)
意欲的に制作に取り組んだものの、彼の画家生命はおよそ10年で絶たれる。
しかし、かつての友にその情熱は伝播していることがわかる。
ゴッホとはまったく異なる筆致ながら、ゴーギャンもまた「ひまわり」を描いているからだ。
ゴッホの死から11年後。ゴーギャンはわざわざパリからひまわりの種を取り寄せ
この絵を完成させた。
ゴーギャン作<肘掛椅子のひまわり>
ゴッホのひまわりも、ゴーギャンのそれも、一番美しい時期を選択していない。
花びらが落ち、少し萎びているもの、種子だけのもの、首をうなだれているものなど
ある種の残骸にも似た様相を呈している。
椅子もゴッホが好んで描いたモチーフである。
この絵には、ゴーギャンからのレクイエム的なメッセージが込められているのだろうか。
それとも、リスペクト的なものだろうか。
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こうなると思っていたし、彼が狂気との闘いに苦しんでいたことを知っていたから。
ゴッホとゴーギャン展に行ってきた。
この二人の画家が約2年間共同生活をし、その個性故に何度もぶつかり
最終的には訣別した、というのは有名な話である。
ゴッホが片耳の一部を切り、その後にピストルで自殺をする。
その知らせを受けたゴーギャンが残した一筆が冒頭のものである。
ヴィンセントと私は意見が合いません。絵に関しては特にそうだ(ゴーギャン)
ゴーギャンと私は、体中の熱という熱が消えゆくほどに感情を高ぶらせ、話しこんだものだ(ゴッホ)
ふたりの語りを読んでも、ゴーギャンの方が俯瞰している。
真の人生は30歳からようやく始まる。
最も活動的な時期なのだ。
人物を描きたい、もっと人物を!(ゴッホ)
意欲的に制作に取り組んだものの、彼の画家生命はおよそ10年で絶たれる。
しかし、かつての友にその情熱は伝播していることがわかる。
ゴッホとはまったく異なる筆致ながら、ゴーギャンもまた「ひまわり」を描いているからだ。
ゴッホの死から11年後。ゴーギャンはわざわざパリからひまわりの種を取り寄せ
この絵を完成させた。
ゴーギャン作<肘掛椅子のひまわり>
ゴッホのひまわりも、ゴーギャンのそれも、一番美しい時期を選択していない。
花びらが落ち、少し萎びているもの、種子だけのもの、首をうなだれているものなど
ある種の残骸にも似た様相を呈している。
椅子もゴッホが好んで描いたモチーフである。
この絵には、ゴーギャンからのレクイエム的なメッセージが込められているのだろうか。
それとも、リスペクト的なものだろうか。
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