テレビ不信 (報道ステーションから)

2006-08-29 15:12:57 | はなみず君でコラム
大体のあらすじ:

ある遺族の話である。

数年前、ある男とある女が出会い結婚した。その後2児をもうける。そんな中、奥さんの父が急死する。母の一人暮らしを心配した夫は奥さんと子供を母親の元に帰し、別居を決意する。それから数ヶ月後、離れて暮らしていた奥さんから一方的に離婚を迫られる。奥さんは子供を母親に預け家を離れる。その後、出会い系サイトで知り合った男に殺され、山中に捨てられる。

元亭主は「離婚を承諾しなければ、こんなことにはならなかった…」と後悔している。そして、元亭主はある日、思い立ってしまう。「犯人の親に会いに行こう!」

そうして、テレビカメラと職場の上司を従え、犯人の父親との面会を果たす。


あらすじだけでも、突っ込みどころは満載だけど…本文。


僕はこの話の意味が分からなかった。「遺族の気持ちを知ってもらおうと思い…」等のもっともらしい話はあったが、それを犯人の親に伝えて何になるというのかが分からない。それで、彼の気が済むのか?済んだのか?

一番、気持ち悪かったのが同伴したディレクター…。「息子さんのした行為をどう思いますか?」「親として責任を感じませんか?」云々言っていました。それを、お前が訊いてどうする?

責任を感じてるかもしれないが、それは犯罪とは直接関係は無いことだ。父親が「申し訳なく思う」「恥ずかしく思う」「今から息子をぶっ殺しに行きたい」「自殺も考えた…」と言ってた。真実であろうがその感情は個人のもので、それがどうこうというわけではない。更に言えば、どっちでもいい。


『思うところ』がどうであれ…育ててしまったことを責められるというのは、ちょっとおかしい。いや、相当おかしい。
(*遺族が思うのは当然いいのだけど…)
そのことを『正義』として周りの人間が(視聴者が)共有するのは、もっとおかしい!!
(そして相当…気持ち悪い!!)



つまりは、報道することではない!


逆の立場を考えてみても「悔しくて、犯人の親でもいいから復讐したい!」と思うかもしれない。これは、正しいことだ。行き場の無い苦しさを、塀の外にいる犯人の親族に向ける。充分にありえる話ではあるが、これも元々起きた犯罪とは無関係だ。そう、行き場の無い苦しさで復讐すればいい。塀の外にいる親族に当たればいい。

犯罪者の親が責任を重く受け止め仮に自殺したとしよう。その死は一体誰に向けられたものなのか。犯罪を犯した息子を戒めるための死なのか?それとも「息子の刑だけでは足らないでしょうから…」と遺族に贈られるものなのか?

どちらにしろ「…何それ!?」になるんじゃないか?

裁判があって刑が確定していて、それでは足らなくて親に責任を求める。それを遺族が思うのは正しいことだが、そんな、訳の分からなくなっている個人的な感情を扇動し報道する番組があっていいのか?

頭の弱いディレクターの質問が未だに耳に残っている…。
「親として責任を感じませんか?」

その時、僕はテレビに向かって思わず喋ってしまったんだった…。
「少なくとも、お前のしったことではない!!」

余りに、馬鹿げている。多分馬鹿が作ったんだと思う。
報道ステーションはもう見ない。





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2 コメント

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悲しみに打ちひしがれて、馬鹿陽気なコマーシャル (いなごや)
2006-08-29 23:41:01
「このようなむごい惨劇は一体誰が予想したでしょう!私たちはこの悲しみを語る言葉を持ちません。いったい事件は我々に何を訴えようとしているのでしょう」とかなんとか真剣で沈痛で沈んだ声で報道した直後に、ノー天気なルックスのお姉さんがシャンプーの良さを一生懸命ににこやかに笑いながらPRしている。そのあと、笑いのつぼにエネルギーを注入して作ったと思われるインスタント食品のCM・・・・。またニュースに戻ってスタジオの見るからに軽薄なコメンテーターに「誰でも言えるだろうそんなコメント!」って突っ込みたくなるようなコメントを言わせているテレビ局・・・・。



そしてそんなテレビの報道を維持し、期待し、喜んでいる視聴者。

みんなで見なければとっくにそんな番組終わっているのにね。
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もう、何をやってるんだか分からなくなってるんでしょうね。 (hanamizu)
2006-09-14 21:33:16
悲劇ですね、自分が「何をやっているのか分からない…」って。そう言えば、岩手公園の新しい名称が決まったらしいですね。忘れたけど、あの人たちも自分が何をやっているのか分かってないですね…。恥ずかしい…。
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