八丈島の方言で遊ぼう 

方言だけだよ わかりんのうこともおじゃるのうが!?あんでもかってみればよけどうじゃ

昔話 八丈高校研究会の資料

2020-08-28 21:25:52 | 昔ばなしだよ
人捨穴           
 昔、五十歳になると、まんの、伊郷名にあろ、
人捨穴に人を捨てに、いかちいや。
中には、親孝行どー人があって、
五十歳どーに、四十九歳どーて、うそ-つかっチイヤ。
だらーち、かももの、なっけどぃて、
そがんもできずにしょうがなく、すてーいかちいや。
そのころは「ヤクナ、トコラ、カズラフジの根、
あしたばの根しゃーが、普通かもものどーくらい」
ひどけ生活だらっチイヤ。なかには、なぶれて、
かもものー、やりーいかーひとも、あらっちいがさ。
昔「ミヤダマ」といって、芋を塩で煮て、スニヤゴにウラジロを敷いて、
そんなきゃ入れて、十二月十三日と一月十三日とに人捨穴へ、
さげて行って、かませとう話どーが。穴の中でよく貝がらよ、
見かけるチイが、それは、その穴が、三根の底土が浜まで続いてあらチイヤに、
あんまり、かちいろで、とりーいって、かまちいがの。
そりー今考えると涙がでてくろじゃ。だりゃーち、
われも五年前に入れられて、今頃は穴のなかどーもの。
ところがその頃、財産を取り上げたり、やたらに人の命を取ったりそ、
悪けさむらいがあらちいや。
ある日いつものがん、人を殺したりしてあろうち、
あるお婆さんよ殺そーしゃーてしたチイヤ。
そらぎーの人が、泣いてたのんでも許しんない。
どーがそのおばあさんは、かんねんしとーがん、
手よあわせて、目よつぶり、その人の前に座らチイヤ。
その姿を見て、いくら彼でも一寸まよって
「縄を五十ピロなって、焼いても灰になりんなければ、許してやる」
と出来そうもなっけことを、いわっちいや。
そらぎーの人は、できそうもなっけこと、どーやん、皆泣いて泣いてしたチイヤ。
ところがそのおばあさんは、黙ってなわをない、椿の油をかけてやかっちいや。
すると、どがんしたことだろう。焼いても灰にならずにのこらっちいや。
皆本当に、びっくりしたっちいや。これを見て
「としよりは、よけ事おびいてある。まんからは、としよりよすてるのーやめろがん」
と言って百五十年位前、捨てろみー、やめたっちいや。

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