【山本有三作戯曲「生命の冠」】
久しぶりに山本有三作 戯曲「生命の冠」を丁寧に読んでみました。
この戯曲は、私や夫の役者時代の恩師が生前愛し続けていた戯曲で、今から約37年程前に夫は二度、私は一度恩師の亡き夏川大二郎(佐々木大吾)演出で出演させて頂いたことがあり、今も心のずっとずっと深くに大切にしまってある戯曲なのです。(私は白痴の娘「お鶴」役 夫は欽次郎役)
兄弟で営む蟹缶詰の製作工場が舞台、例年に無い寒気と流氷と不漁が続き工場は経営の危機に瀕するのだが、その打開策をめぐり奮闘する兄弟、兄と弟の考え方の違いからくるふたりの葛藤、真実な生き方とは?誠実な生き方とは?家族とは?が描かれています。
誠実を選択すると家は破産、それを免れようとすると良心への呵責に悩むのです。
〝汝死に至るまで忠実なれ、さらば我汝に生命の冠をあたえん〟
大詰めのセリフに
「……結果の如何に関わらず、人はしなければならないことをしなければいけないということです、そうではありませんか?」
があります。
家族全員がこの思いを共有することで、巻き起こる様々なことを落ち着いた気持ちで受け止めることができるのかもしれませんね。
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