バブルの歴史―チューリップ恐慌からインターネット投機へ

サブプライムローン破綻を背景に、2007年にアメリカの住宅バブルが崩壊し、
世界金融危機へと発展。
2008年9月29日アメリカ下院が金融安定化法案を一旦否決したのを機に、
ニューヨーク証券取引市場のダウ平均株価は史上最大の777ドル暴落を記録した。金融危機はヨーロッパを中心に各国に連鎖的に広がり、
さらに10月6日から10日までは暗黒の一週間といわれる株価の暴落が発生した。
日本にもじわじわといろいろな影響が波及してきている。

今何が起きているかを知るには、最近のニュースを追うだけでなく、
過去に繰り返されてきたバブルと金融危機の歴史を把握しておく必要がある。
そんな知的好奇心を満たしてくれるのに格好の一冊。
人間の貪欲はいつの時代も変わることはなく歴史は繰り返す！

著名な銀行家で連邦準備制度の設立に貢献したポール・M・ウォーバーグが、
1929年3月に「コマーシャル＆フィナンシャル・クロニクル」誌で読者に発した警告は現在にもピタリと当てはまる。

「歴史は繰り返し悲劇をもたらす傾向があり、投機の行き過ぎがかならず、相場下落の行き過ぎと苦痛をもたらすことを教えている。
そして、投機のお祭り騒ぎが広がりすぎれば、やがて訪れる暴落は、投機家に打撃を与えるに止まらず、経済全体の恐慌をもたらすこになろう。」

どうですか？？？

あと、読んでいて目からウロコな発見がありまして、
バラク・オバマと米大統領選挙を戦ったジョン・マケインの名前がありました。
リンカーンS&L(貯蓄貸付組合)の損失隠しと直接投資規制の違反を当局が発見したとき、
経営者チャールズ・キーティングが後にキーティング5人組と呼ばれるようになる上院議員に依頼して州銀行委員会に脅しをかけた。
その5人組のうちの一人がマケインなんですね。
選挙戦でこのときのネタでオバマ陣営はマケインを攻撃してましたね。
あと、このS&Lに加担した人物としてグリーンスパンの名前も出てきてショックを受けました。

とにかく、面白すぎてあと2回ほど繰り返して読みたい本であります。

なお、同時進行でチャールズ・P・キンドルバーガーの『熱狂、恐慌、崩壊-金融恐慌の歴史』を読んでいたのですが、
こちらはいかにも大学の先生が訳しました的翻訳でわしには非常に読みずらく途中で挫折してしまいました。。
またの機会に読めれば。。。いいかな。。です。


バブルの歴史―チューリップ恐慌からインターネット投機へ
Devil Take The Hindmost:
A History of Financial Specuration
by Edward Chancellor

著：エドワード・チャンセラー
翻訳：山岡洋一
出版社: 日経BP社 (2000/04)
ISBN-10: 4822241815
ISBN-13: 978-4822241810
発売日： 2000/04