『哀愁の町に霧が降るのだ』系列に分類される作品。『小説時代』に2007年~2009年の間連載されたもの。登場人物はすべて実名、出来事は実際に起きたこと。椎名誠の遊び仲間や、映画・テレビ・雑誌の連載など多方面で彼をサポートしてきた縁の下の力持ちたちが、どのような紆余曲折をへて『新宿遊牧民』というひとつのテーマというか、ある目的のために偶然といえば偶然、あるいは半ばかなり強引・強制的に集結していくか?が描かれている。ある意味このシリーズの総集編的な話でもあるので、あらかじめ過去の作品を読んでおいたほうが、より楽しめるだろう。池林房こだわりの生ビールは一度でいいから飲んでみたいものだ。