2010年の暮れに訪れた安房の神社巡りが続きます。
今回は、面白い伝説が残る二つの鉈(刀)切(なたぎり)神社の紹介です。
館山駅前より6.5キロ 冨浦インターから房総フラワーラインで20分ほどの場所に鎮座しています。
【船越鉈切神社】
石製靖国鳥居
みるからに古墳の様相です。
二の鳥居 こちらも靖国鳥居
ここにも「やぐら」がありました。現在は祠を祀っています。
鉈砥ぎ石 昔々その昔 浜田洞穴に大蛇が棲み村人が苦しめられた。それを知った神様が怒り大蛇を退治するのに鉈を砥ぎ試し切りした処 真っ二つに割れたとの伝説がある石です。
力石
拝殿
この神社の興味深いところは背後が海食洞穴 になっていて、そこに本殿を祀っているところでしょうか。
洞穴内の本殿
祭祀:豊玉姫命
この洞穴内で、昭和31年(1956)発掘調査が行われ、縄文時代後期(約4,000年前)を中心とした土器や動物や魚の骨、貝類、鹿の角や動物の骨で作られた釣針などが多数出土したそうです。
鉈切洞穴案内
続いて道路を挟んで真向かいにある海南刀切神社へ向かいます。
【マップ】
【海南刀切神社】
船越鉈切神社とは、かつて上の宮、下の宮としてひとつの神社として信仰されていたそうです。今は、道路で分断されそれぞれの地区が異なるため現在の様な姿になったそうです。
毎年恒例だった「暮れの神社納め参りツアー」この年は8名の参加がありました。
拝殿
向拝には、龍の彫刻 後藤庄三郎忠明一門によるもの(明治16年頃の作品)
ヤマタノオロチ伝説の彫り物
伝説に纏わる彩色絵
祭祀:刀切大神
本殿は覆い屋で見る事は叶いません。ただ海洋浸食で二つに割れた巨岩が本殿すぐ裏手にある事から社殿などまだ無かった時代は、巨石自体を祀っていたものと思われます。
由緒:海南刀切神社の創建年代等は不詳ながら、船越鉈切神社と併せて一社とし、当社を下の宮、船越鉈切神社を上の宮として「西岬のなたぎり神社」と称されてきたといいます。伝承によれば、「神が船に乗ってこられたこと、この浜に上陸されてから、手斧をもって、巨岩を切り開いて路を通じた」ことから船越と刀切の二社が祀られたとも、或は「海中から出現した神が当地に住んでいた大蛇を、なたで退治したので、なた切の称号を奉り、船越大明神というのは、年々竜宮からここに船が来るからである」ともいいます。 (引用元:こちら)
境内には巨石が祀られています。
こちらは稲荷社でしょうか。
こちらの神社を紹介しているサイトの多くは、手狭な境内だけを紹介しているところが殆どなのですが、実はこちらの背後には海洋浸食で造形された見事な巨岩が横たわっています。
本殿の裏から回り込むとが出来ます。
二つに割れた巨石
岩屋となっています。
浸食によって異様な形状になっています。
岩と岩の隙間から太陽が見える事から、やはりかつてはここで祭祀が執り行われていたことは十分予想できます。
ここの神社には、面白い伝説が残されています。以下抜粋して紹介致します。
- 神様が浜から上陸するときに手斧で切り開いて道をとおしたという。
- 紫ノ池に住む大蛇がわるさをするので、池の水を抜くために神様が鉈で岩を切ったと言う。
更にこの奥から海岸端に出ることが出来ます。
薄っすらと富士山が見えました。(左横)
夕日が落ち 美しい情景です。
綺麗に手入れがされていたので、ホテルの敷地内と思っていたのですが自由に散策が出来ますので穴場的なスポットだと思います。
新たな洞穴を発見!
【マップ】
(撮影日:2010-12)
お断り:2010年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
お断り:2010年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
安房をはじめ房総半島には、興味深い謂れや海を見下ろせる素敵な神社がたくさんあって、いつ訪れても他とは違った趣があって好きなところです。
おっしゃるように海の幸を堪能できるのも嬉しい限りです。