ゆうさんの自転車/オカリナ・ブログ

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青春18きっぷの旅<宮田村、そして新潟>(その1)

2022-09-03 22:45:07 | 旅生活
青春18きっぷの旅<宮田村、そして新潟>(その1)
飛田雄一(ひだ ゆういち、hida@ksyc.jp)


 8月24日(2022年、水)、青春18きっぷの旅にでた。神戸から長野県宮田村、10時間の旅だ。朝7時半、六甲道からスタートした。チケットはディスカウントショップで買った。残り2枚の切符をさがしていたが3枚残りのものしかなかった。前の日、仕方なくそれを買いに行ったら運よく2枚残りのものがあった。六千五百円。実は今回、5枚チケットを正式に買って一挙5枚使い切り旅行を計画していたのだ。
 それは、神戸から、長野県、新潟、仙台、東京、神戸の計画だ。強制動員真相究明ネットワーク主催の8月27日新潟研究集会、28日の佐渡フィールドワークへの参加のため、だいぶ遠回りだがこのようなコースを考えたのだ。後半、用事ができてしまい、2回分の旅行となった。帰路は、新潟から飛行機だ。


 六甲道6:28から芦屋6:44、新快速で米原8:30、大垣9:11、豊橋10:42、そして飯田線宮田16:27。宮田には大学の同級生・伊藤一幸がいる。神戸大学農学部教授を数年前に退職した。宮田村の実家で暮らしている。自然教室の案内、教育委員、アジア・太平洋戦争の時期に実家に疎開した「登戸研究所」の研究などなどをしている。けっこう多忙な様子だ。
 今回、新潟行きの前にそこを初めて訪問した。天気がよければ木曽駒が岳に登る予定だ。
 新快速でまずは米原についた。2時間、まあまあだ。晴天の琵琶湖東を走る。学生がけっこう乗り降りしている。それなり列車は混んでいる。私は、立つのは苦ではない。ぼんやりと外をながめていた。近江八幡、連れ合いの実家訪問でよく来たな、彦根、滋賀県立大学の朴慶植文庫見学会があったなあ、という感じである。米原から大垣行に乗り換えた。その乗り換えは、ほとんどが青春18きっぷ組の感じだった。
 大垣では、列車が遅れたこともあって、乗り換えに走った。そして、豊橋、ここも乗り換えに走った。それまで短時間の乗り換えで、弁当を買えなかった。豊橋で買おうと思ったが、時間切れ。また列車に飛び乗った。
 豊橋からは、一路飯田線。6時間の列車だ。乗り換えなしで6時間、そうとうなもんだ。弁当を買えなかった私にはつらいものがあるが、仕方がない。飯田線には一本の列車でなく途中で乗り換える列車もある。が、夕方伊藤一幸宅で、旧知の友人も待ってくれているとのことで、この直通列車にした。


 青春18きっぷの旅の時刻表検索はヤフーだ。一番使いやすいとの評判だ。私もいつもつかっている。新幹線のぞみには乗れない「ジパングクラブ」での旅では、JRの検索サイトを使うが、使い勝手はよくない。
 最初、ヤフーで、六甲道―宮田を入れると名古屋から中央線、塩尻、岡谷経由の経路がでてくる。その方が早い。でも私は、時間がかかっても飯田線に乗りたかったのだ。経由地に豊橋を入れるとうまくいった。それでも豊橋―宮田の6時間は長い。
 普通列車一本の最長路線を調べてみた。275km、北陸本線・湖西線・京都線・神戸線・赤穂線、敦賀→播州赤穂、とあった。でも、時間は、4時間ほどだ。
 飯田線、豊橋―辰野駅、195.7 km。距離ではまけた。が、時間ではかった!?


 豊橋での乗り換え、青春18きっぷグループは、圧倒的にそのまま東京方面に向かう人が多い。飯田線方面は少数派だ。でも少数精鋭、すごいのがいた。
 40前後のそこそこの青年。2両の列車の先頭に陣取り、発車直後から運転手のすぐ後ろに直立していた。私はその近くで着席。4人席に一人というのが理想だったら、4人席にはそれぞれ一人ないし二人が座っている。仕方がないので、内向きの二人席にすわる。ほんとは、外がみたいが仕方がない。でも、そのぐらい空(す)いていたのだ。
 私は、愛用のKENWOODウオークマン(ソニー的には不適切な表現です。申し訳ありません)、城山三郎『そうか、もう君はいないのか』、時刻表、木曾駒ヶ岳登山地図を用意した。万全の態勢だ。
 『そうか、もう君はいないのか』。面白かった。アメリカ人作家・ビアスの『悪魔の辞典』の紹介がある。「人間、頭がおかしくなると、やることが二つある。ひとつは、自殺。ひとつは結婚」。ふむ。同意すると問題になりそうだ。
 この本が有名な本なら、このタッチで、『そうか、まだ君はいるのか』という本を書いてみたい。
 その青年、微動だにしない。てなことはないが、じっと前を見つめている。荷物は小さなショルダーバック一つ。単線ゆえのすれ違い停車のときには、ホームでて写真をパチリ。運転手もさぞ、運転しにくかろうと思った。あインドを下した。さて、どうするか? 青年は、右に移動し、ブラインドが下りていない場所から前方注視をつづけた。
 でも、青年は椅子に座った。疲れたのか? そして、立ち上がらない。あれだけ先頭をキープしてきたのに、どうするのだろうか?
 トンネル区間が終わったのか、再びブラインドが開いた。さて、青年はどうするのか? 前方がよく見える。また運転手の後ろに立たないのか? 
 そうこうした。私はトイレをもよおした。が、その青年が気になって行けない。待ち続けた。そして、ついに、青年は立ち上がった。私もトイレに立ち上がった。と、書きたいが、その青年は、私が宮田駅で降りるまで座ったままだった。


 さて、列車は、向市場(むかいちばえき)にとまった13:05。普通列車だからあたりまえだ。ひとりの郵便配達員が大きな袋をもってホームに立っている。横には赤いオートバイがある。田舎の駅だ。駅員はいない。改札口もない。
 彼は、大きな袋をもったまま列車に乗ってきた。オートバイは置いたままだ。鍵はかけてきたのだろうか?
 次の駅、水窪。降りない。次の駅、大嵐(おおぞれ)13:14。降りた。どうする?
 私は、時刻表をみた。大嵐駅発13:47、豊橋行きがある。
 大きな郵便袋を大嵐駅で誰かに渡すのだ。そして、大嵐駅発13:47の列車に向乗って、向市場駅に引き返すのだ。13:55に着く。そして、オートバイに乗り、なにごともなかったかのように郵便局にもどるのだ。
 そうとしか考えられない。JRがうまく利用されている。とてもいいことだ。ちゃんと、切符を車掌さんに渡していた。


 無人駅といえば、むくげの会?
 大糸線青木湖で合宿をしたことがある。会員のNさんの父親の別荘に集まった。私は、正規の切符で駅に降りた。切符を箱にいれた。
 別の便で来たHさん、神戸から定期券で乗車した。清算しようとした。駅員がいない。仕方なく、そのまま駅をでた。


 車掌さん、客が少なくてひまなのか、巡回にくる。一回目、チケットの点検にきて、どちらまで行かれますか? 宮田です。ごくろうさまです。
 途中の駅で車掌が交替して、また来た。
「どこまで行かれますか?」
「宮田です。飯田線は時間がかかって楽しいですね。」
「そう言ってくださるとうれしいです。」
 三回目、車掌が交替した。今度は、車掌間の引き継ぎはできているのだろうか? 車掌が来た。そのまま、通り過ぎて行った。できているようだった。でも、少し、お話がしたかった。
 そして、16:27、宮田についた。10時間の青春18きっぷの旅だった。たのしかった。
(翌日、天気が悪く木曾駒ヶ岳はあきらめて、宮田高原等を散策した。そして、また、青春18きっぷで新潟に向かうのである。)

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