秀山の俳句写真日記

日々の生活、旅先での出逢い・思いを俳句、写真、文にした徒然日記です

埴輪武人の愁思

2024年12月16日 22時45分48秒 | 日記
防人の秋思偲ばる埴輪かな
      東京国立博物館



  この埴輪は、1974年に古墳時代の埴輪として初めて国宝に指定された「埴輪 挂甲の武人」です。群馬県で出土し、制作推定年代は6世紀。
 一方、防人(さきもり)は、日本が663年に朝鮮半島での白村江(はくすきのえ)の戦いに負けたために、中大兄皇子が九州防衛のために制定した制度と言われています。また、万葉集には、防人による歌も含め7世紀前半から759年頃までの歌が収録されていると言われています。
 従って、この6世紀の埴輪の武人は万葉集に登場する「防人」ではないのですが、武人の表情から遠くを悲し気に想っている防人のように見えます。どんな「秋思」であったのか・・・
 高校時代に習って朧気に覚えていた防人の歌をインターネットで確認しました;

 我が妻は、いたく恋ひらし、飲む水に、影さへ見えて、世に忘られず
 父母が、頭掻(か)き撫で、幸(さ)くあれて、言ひし言葉(けとば)ぜ、忘れかねつる
 唐衣、裾に取り付き、泣く子らを、置きてぞ来(き)ぬや、母(おも)なしにして


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