秀山の俳句写真日記

日々の生活、旅先での出逢い・思いを俳句、写真、文にした徒然日記です

(その4 足立美術館)北陸・山陰紀行句

2019年07月11日 18時32分57秒 | 旅行

5月19日、鳥取最後の日は朝の5時起きして河原風呂。名残惜しみながら宿に戻り、簡にして清楚な美味しい朝食。ギターを弾きながら一服し、宿の車で倉吉駅へ・・・。

倉吉駅から島根県・安来駅までは米子乗り換えで約1時間半、12:25に着きました。そこから足立美術館の無料シャトルバスで20分、美術館へ。

宿泊は美術館から徒歩15分の「さぎの湯温泉 夢ランド しらさぎ」。65歳以上限定の「足立美術館チケット付き」プランで2泊。2泊のメリットは、二日目に美術館の開館8時半と同時に入館できることです。

なぜか? 安来に着いた一日目は、午後2時から5時半まで美術館で庭園と館内の芸術品をじっくりと鑑賞しましたが、館内はかなり混んでいました。安来駅からの始発バスの美術館到着は9時10分。団体の観光バスは9時半頃以降に続々と到着と聞きましたので、翌日は開館の8時半前に行きましたら、待つは私のみ。開館と同時に入館、先ずは写真撮影が許可されている庭園に行き、人影のない庭の写真を思う存分、心ゆくまで撮ることができました。

 新緑のせせらぎ聴こゆ枯山水  

 静寂の中で、時を忘れて佇んでいました・・・

 新緑の風ゆきわたる枯山水 

 変幻する雲、山と山並み、彩り豊かな緑の草と木々、渓谷、ゆく川の流れ・・・、庵の佇まい

 

この景の前で、つくづく思いました。

執念に感謝薫風全康氏

低い山並みと田圃以外に何も無い風景にぽつんと美術館が一つ

創設者の足立全康氏は、横山大観に惹かれ、事業で成功するや、私財をかけて大観の作品蒐集のみならず、大観の山水画を日本庭園で再現すべく、借景となる山の一部も保有するというスケールの大きさ。ありがたいことです。  

 

滝はるかしづかにちかき枯山水

 山の奥深くにある滝から、水は深い渓谷を山女、岩魚たちを育みながら激しくくだり、今や豊かな緑の中を、舞うがごとく静かに曲がり流れくる・・・

 

薫る仏間窓越し枯山水

薄暗い仏間の窓に縁どられて、日の光をいっぱいうけた枯山水がくっきりと見えます。薄暗闇の仏壇と一幅の明るい枯山水という不思議な二つの世界を、「草木国土悉皆成仏」という言葉を思い浮かべながら、しばし眺めていました。

 

風かをる庵で一服枯山水

 一人静かに、煎茶道よろしく、湯冷ましで湯の熱さ加減をみ、急須にそそぎ、小さな煎茶茶碗で、先ず一煎、 ついで二煎目、三煎目・・・、

風かをるヴイオロンつむぐ絆かな
                      女と猫とヴィオロン弾き  富田憲二 1970年作

日本庭園に面したこの軒下に、なぜこの作品が展示されているのか?
目には見えない何かが、この三者の間に流れているような静かな時空・・・

 

新緑も侘寂深山の一軒家

 目に緑 耳にせせらぎ 風の音 庵に自然の 気の染み満つる

 

日本画は写真が撮れませんでしたが、素晴らしい作品が多々ありました。 

俳味ある日本画初夏の風わたる

日本画は心やすまる初夏のひと時

  と、今回初めて感じました

一幅の絵に小一時間初夏の風

  山元春挙の「瑞祥」

 

泥鰌鍋安来に来たと実感す

骨が気にならぬ安来の泥鰌鍋

 

足立美術館で日本の美を堪能した後、安来と聞けばドジョウ掬い。宿の夕食には早速ドジョウ鍋が出てきました。もうだいぶ前になりますが、東京でもドジョウ料理で有名なお店で食べたことがあります。骨が口に残るという記憶。そのつもりで口に運びましたが、骨が全く気になりませんでした。地酒の金鳳・冷や酒によう合いました。

 

その4(足立美術館)終わり

次は今回の紀行の最後、月山富田城跡と和鋼博物館です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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