コロナ禍の 五輪をはるや 蝉時雨
コロナ禍五輪
閉じ翌日は
原爆忌
来たる選挙の
票の重きか
今、新聞やテレビを見ていますと、1984年に出版された名著「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」が読み直されている気がします。私も現役時代に何回も読み直し、一軒家からマンションに移った際に持ってきた数少ない本の一つです。今、書棚を見て、確か、だいぶ前に息子に貸して、まだ帰ってこないのかな、私の記憶違いかもしれないが、と思いました。これからの日本を担う若い方に是非読んでほしい本の一冊です。
今の米中関係を見ていますと、日本が米国等の経済制裁に堪えられず、短期戦の展望しか持たずに戦争に突入した悲惨な歴史が思い浮かびます。
ここまで深刻化してしまったコロナ禍への現在の日本の政治指導者と官僚の対応を見ていると、太平洋戦争で露呈した日本の国家指導者の
「兵站無視、情報の軽視、科学的見識の軽視、終局の仕方ヴィジョンをもたない根拠のない無責任な楽観論、結果に対する責任意識の希薄、国家第一と言いながら実際は自己自身と所属組織(省、海軍、陸軍等々)の保身を第一とする思考・行動様式、これ等の集約結果となる大局的な見地からの国家戦略観の欠如」
等々を目の当たりにしている思いに駆られています。
太平洋戦争で塗炭の苦しみを味わったのは結局は、国民でした。
今回のコロナウィルスとの戦争で、国の対応が後手後手になっている状況にもかかわらず、日本の感染率と死亡率が他国に比べ、まだ、低いのは、日本国民の高い衛生意識、自分のみならず他者をも思う心の在り様と高い社会的倫理観のお蔭と改めて思います。
一方、日本の歴史を振り返りますと、大きな流れの中にいる日本人は、大きな外圧がないと国家の方向転換の舵を切れないとの心性にあるようにも思います。
コロナウィルスとの戦争の最中に行われる来たる総選挙で、国民はどのような国家指導者にこれからの日本の運営を委ねるのでしょうか?
私は、熟慮を重ねて一票を投じなければと思っています。