髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「美味しんぼ ~究極のメニュー三本勝負~」 レビュー (ファミコン)

2014-07-11 21:00:06 | ファミコンレビュー
同名マンガのゲーム版
コマンド選択式アドベンチャーゲーム
発売はバンダイ
開発はシンセイ
1989年7月25日発売
「ゲームセンターCX ~有野の挑戦~」プレイソフト#173

あらすじは
原作を参照して下さい。

特徴としては
料理マンガを題材としている為
食材を前にしたときに

「焼く」「切る」

などのコマンドがある。


得点は35点

良い点
・特になし

悪い点
・良くわからん謎解き
・アレンジの音楽
・これが三大勝負?

悪い点
・よくわからん謎解き
展開が無理あるんじゃねって点やらがところどころある。
例えば、留守の店の主人をどうにかして呼び出さなければならない。
それで3択となる。
・覗く
・戸を叩く
・嘘をつく

正解は「嘘をつく」である。
「覗く」→警察が来て御用になってゲームオーバー
「戸を叩く」→警察が来て御用となってゲームオーバー。
では、「嘘をつく」を選ぶと

山岡「こんなところにシマアジがあるぞ」
主人「なんだって!?」

と、出てくるのである。
謎解きとしてはどういうことだよ!!
ギャグのつもりなんだろうけど…面白くねぇよなぁ…
というか原作の雰囲気に合っていないだろう。

その後の警察の対処が面白いと見るか寒いかと思うかでこのゲームの評価は変わる。
髭人は後者だったのでこの評価です。

・アレンジの音楽
どこかの民謡だかのアレンジバージョンばかりなんだよな。
髭人は音楽について無知であるのでタイトルが何かと聞かれたら困るが
取り敢えず「アルプス一万尺」のアレンジはあったな。
それに、優れたアレンジとも言えずちょっと手を加えたというレベルでしかない。
権利の問題はあるとは言え、アニメ版のBGMを採用することは出来なかったのだろうか?

・これが三本勝負?
これはネタバレにて…



アニメのアドベンチャーはいくつもあるけど名作って聞かないな。
めぞん一刻」しかり「AKIRA」しかり」「じゃりン子チエ ~ばくだん娘の幸せさがし~」しかり「少年アシベ」しかり…

「AKIRA」は未プレイ。
「めぞん一刻」は数々のイベントをこなしていくだけの物でストーリーは皆無に等しい。
「じゃりン子チエ」はプレイしたものの、ミニゲームの達成条件がアホだなと思って挫折した。
(『かぶ』(日本版ブラックジャックみたいなもの)をやって
 4人ぐらいを0円にしなければならない。
 レートの変更もできず、運ゲーで時間がかかりすぎる!)
「少年アシベ」は雰囲気は良く、グラフィックもいいが、いかんせん短すぎる。

この「美味しんぼ」もその類から漏れず平凡以下といわざるを得ない。

本作にはCMがある。

『美味しんぼ』ファミコンCM

母親と子供の親子が商店街にいる。
子供は本作の箱を持っている。

母親「今晩、何食べたい?」
子供「ラーメン!
 スープと麺が渾然一体となって
 絡み合い
 かつ斬新な味のする(棒読み)」

一瞬、アップで子供の満面の笑み。

母親は言い終わった我が子を抱きしめる。

そこから先はアニメの山岡がソフトタイトルを言う。


しかし、何で子供を抱きしめるんだろ?母親。
こんな子供嫌すぎだろ…
まずくて食べられないとか言い出すんだろ?

ゲーム同様、よーわからんCMだわな。
そして、子供が持っているソフトの裏に台詞がかかれた紙が貼ってあるんだろうな…
何か微笑ましい。



ここからがネタバレ





















富井副部長がボッコボコに言われていたな。
旨いラーメンを探す事になるのだが
会社の同僚たちに旨いラーメン屋を聞いていてその中に
富井副部長が推す『豪華ラーメン』というのがある。

山岡「副部長の、勧めじゃ、あんまり期待
 出来ないな。」

と、店の前から低評価。
そこのラーメンを食べてみて

山岡「いくら、色んな具が乗っていても、麺と
 スープが美味しくなければ台無しだ。これでは、
 金をドブに捨てるようなもんだよ、まったく。」

うう~ん…
辛辣ッ!!
まぁ、初期の「美味しんぼ」の原作もこんな感じだった気がするからな…


さて、このゲームの最大の特徴はやはり意味不明なゲームオーバーだな。
警察の対処法は
「戦う」…攻撃するがミスして逆に返り討ちに遭ってゲームオーバー
「逃げる」…逃げられない。
「呪文を唱える」…「アンキモアンキモ」などと意味不明な言葉を言ってゲームオーバー

アンコウを釣ってからの料理法
「殴る」骨が折れてゲームオーバー
「切り刻む」使い物にならなくなってゲームオーバー
「捨てる」折角苦労して釣り上げた食材を海に投げ捨ててゲームオーバー


後、ゲームオーバーではないが『美食倶楽部』に行くと
『海原雄山』に見つかりそうになって隠れる事にして
キリン、ゾウ、バカ、ネコの真似をする事になる。

キリンの場合

山岡「キリンの真似ってどうやるんだろう?」
 (だったら選択肢用意すんじゃねーよ…
  『けも〇フレンズ』的には
  「あなた…ヤギね!」かな)

象の場合

山岡「パオー、パオパオ!」
雄山「な、何と!!今のは、象の鳴き声ではないか。
 この辺に象がいるとは、この雄山、驚きだわい!!」

バカの場合

山岡「でへへのへー」
栗田「きゃーっ!山岡さん、どうしたんですか!」

猫の場合

山岡「ウニャニャニャニャニャーン!!」
雄山「何だ、また猫か。猫どもにも、美食倶楽部の奥深さが、
 分かると見えるわ。わあーっはっはっは!」

……。

何も言うまい…


ネタバレとなる悪い点の解説をしよう。
・これが三大勝負?

一本目
食通が持ってきたフォアグラよりもうまいものがあると言った「山岡」がアンキモを用意する。

二本目
ルノワールの絵を「京極万太郎」氏から借りようと
食事を開くがその出されたものに激怒した「京極」氏に
ケツの穴が小さいと言った「山岡」に対して

「そんだけ言うなら俺にうまいものを食わせてみろ」

と言われ用意する。

三本目
究極のラーメンを海原雄山に用意する。


1つ目はわかるが、2つ目と3つ目は相手に認めさせるというものだけであり勝負ではないわな。
言葉自体には問題ないにしても腑に落ちないわな。
特に3つ目。
「海原雄山」を出すのなら、やっぱり「究極VS至高」対決であるべきだろう。

それがないというのは「美味しんぼ」ファンとしては納得がいかないのではないだろうか?
完全に肩透かしだろ。

後、ネーミングのセンスもない。
一本目、『アンキモ』が必要になって、
船を出す事になるのだがその船長に船を動かしてもらうために
必要なお酒の名が

「タダノミイッパイ」

『タダ飲み一杯』だぁ?
それに対して

「いい酒だ。澄み切った 水のようだ。
 味わいの 中に、一本 ピンと筋が通っている。
 …昔の酒は、みんなこうだった。」

昔の酒はみんなタダノミなのか?
誉め言葉を並べるもんだからものすごく安っぽく感じてくるんだよな…


そういえば、2つ目の「京極氏」の話で「山岡」と「栗田」は料理を見つける道中で
「京極」氏が言おうとしていた事に対してある重要なことを発見するわけだ。

「その人に対してもてなす心が大切なのだ」

と…
これが出てきたとき髭人は失笑を禁じ得なかった。

『まさにこのゲーム作った方々に
 プレイヤーに対してもてなす心はあったのかよ…』

ってね…
アニメはアニメで声優さんの熱演があったから「究極VS至高」について違和感はなかったけど
ファミコンであるため演出的に大きく劣らざるをえないのは仕方ない。
となるとこっちでみると素材そのもので評価せざるを得なくなる。

それで見てみると…
「アレンジの曲」「露骨に分かる使い回しのキャラグラフィック」
「一部イベントの進行のよくわからんところ」「対決しない親子」

でも、「キャプテン翼(1988年4月28日発売、ちなみに本作は翌年7月25日)」なんかはファミコンでありながら迫力ある動きなどを再現出来ていたから不可能ではないと思うんだがな…
(当時のテクモの技術が異常だったってのもあるかもしれないが…)

「スタッフロール」どころか「END」という文字すらなく
笑顔でコップの酒で乾杯する「山岡」と「栗田」でずっとループし続ける曲
「原作の雰囲気合わないギャグの数々」

これらの点を踏まえるとやはりプレイヤーに対して、
もてなす心はなかったのだろうと言わざるを得ない。

まぁ、上記で挙げたような意味不明ゲームオーバーを楽しむゲームだな。
他にはない。

もし原作では料理通の「山岡」がゲーム通だったとして
このゲームをプレイしたらきっとこう言うのだろう。



「このゲームは出来損ないだ。楽しめないよ」





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2 コメント

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クソゲー? (ねむりねこ)
2014-07-12 21:12:01
こちらもお邪魔します

クソゲーとして名高い作品ですよね、評判の悪さにそもそも
『美味しんぼ』を読んだことないので
完全に避けてましたがゲームセンターCXでの課長の挑戦を見て
そもそもこのゲームはゲームオーバーを楽しむゲームでクリアはにのつぎなのでは・・・
なんて思ったりしました(^^;
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Unknown (髭人)
2014-07-13 05:33:57
神威雅人殿
コメントさんきゅーです。

原作読んでも分からないと思いますよ(笑)
作り手がよくわからん修正を加えているので(大体滑っている)

ねむりねこ殿
コメントさんきゅーです。

ゲームオーバーを楽しむゲーム。
それが正しい認識でしょう。
残念ながら他を褒めるところがありませんもん(苦笑)
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